第9章「温泉旅行編」
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あれから少しして電話を終えた名取さんが戻ってきた。
「ただいま。今誰もいないみたいだから温泉行かないか?」
「そうですね。あっでも……」
温泉に入るということは、名取とリクオを二人っきりにしてしまう。
妖怪のリクオと祓い屋の名取を二人だけにして大丈夫だろうかと、名取を信頼してはいるが、少しだけ心配になる彩乃。
そんな彩乃の心情を察してか、名取がある提案をしてきた。
「……彩乃、ここの温泉は混浴もあるんだ。そこだけ水着を着て入ってもいいそうだよ。」
「なっ!?こ、混浴!?」
「で、でも……私水着なんて持ってきてないですし……」
「そこの売店で売っているよ。……私と彼が一緒にいるのは心配なんだろう?」
「そ、それは……」
図星を指され、彩乃は気まずさから名取から目を逸らしてしまう。
それに名取は苦笑して、彩乃の頭に優しく手を置いた。
「!」
「大丈夫。私は気にしていないし、妖(友達)を大切にする彩乃が私を不安に思うのは仕方無いさ。」
「名取さん……ごめんなさい。名取さんを信じていない訳じゃないんです。」
「わかっているよ。」
「……(ムカッ)」
彩乃と名取の間に存在する信頼関係を目の当たりにして、リクオは思わず嫉妬してしまう。
悔しげに二人の様子を見守るリクオを、氷麗が心配そうに見つめていたのを、ニャンコ先生だけが知っていた。
――それから彩乃達は水着を購入し、温泉に向かう事となった。
「……いいお湯ですね~。先生、お湯汚しちゃ駄目だよ。」
「ふん。私は元々陶器だからそんなヘマはせん。」
「そのくせ浮くの?気持ちいいかい?」
「……はい。」
「それは良かった。奴良君達もどうだい?」
「あっ、はい。気持ちいいです。」
そう答えるリクオの視線は、ある一点に釘付けになる。
「……気になるかい?」
「あっ!すみません、じろじろ見てしまって」
「構わないよ。妖の君から見ても珍しいみたいだね。」
そう言って薄く笑う名取。
リクオの視線の先に映るもの、それは名取の皮膚に住み着いているヤモリの形をした痣の妖だった。
リクオはあまり見ているのも失礼だと思い、視線を名取から氷麗に移した。
「氷麗~、そっちは一人で大丈夫なの~?」
「あ、は~い!気持ちいいですよ。水風呂!」
「……彼女、雪女だったんだね。」
「ええ、そうなんです。」
温泉に浸かる皆から少し離れた所にある水風呂に一人で浸かっている氷麗。
雪女である彼女はお湯に浸かる事ができないため、一人だけ水風呂に入っていたのだ。
「……それにしてもぬらりひょんの孫に雪女。有名な妖と一緒に温泉に入る時がくるなんて思わなかったよ。」
「リクオ君と氷麗ちゃんは、先生と違ってマイナーな妖じゃないですもんね。」
「何おう!私程の高貴な妖を知らないなど、お前等人間共が無知なんだ!」
「そうかなぁ~?……ん?」
その時、彩乃の頭上に影が掛かり、不意に彩乃が顔を上げると、そこには自分の顔を覗き込む柊がいた。
「うっ……わあああ~~!!??」
バシャーンッ!!
突然の柊の登場に彩乃は驚いて、咄嗟に温泉のお湯を柊に向かってぶっかけてしまったのだった。
「ただいま。今誰もいないみたいだから温泉行かないか?」
「そうですね。あっでも……」
温泉に入るということは、名取とリクオを二人っきりにしてしまう。
妖怪のリクオと祓い屋の名取を二人だけにして大丈夫だろうかと、名取を信頼してはいるが、少しだけ心配になる彩乃。
そんな彩乃の心情を察してか、名取がある提案をしてきた。
「……彩乃、ここの温泉は混浴もあるんだ。そこだけ水着を着て入ってもいいそうだよ。」
「なっ!?こ、混浴!?」
「で、でも……私水着なんて持ってきてないですし……」
「そこの売店で売っているよ。……私と彼が一緒にいるのは心配なんだろう?」
「そ、それは……」
図星を指され、彩乃は気まずさから名取から目を逸らしてしまう。
それに名取は苦笑して、彩乃の頭に優しく手を置いた。
「!」
「大丈夫。私は気にしていないし、妖(友達)を大切にする彩乃が私を不安に思うのは仕方無いさ。」
「名取さん……ごめんなさい。名取さんを信じていない訳じゃないんです。」
「わかっているよ。」
「……(ムカッ)」
彩乃と名取の間に存在する信頼関係を目の当たりにして、リクオは思わず嫉妬してしまう。
悔しげに二人の様子を見守るリクオを、氷麗が心配そうに見つめていたのを、ニャンコ先生だけが知っていた。
――それから彩乃達は水着を購入し、温泉に向かう事となった。
「……いいお湯ですね~。先生、お湯汚しちゃ駄目だよ。」
「ふん。私は元々陶器だからそんなヘマはせん。」
「そのくせ浮くの?気持ちいいかい?」
「……はい。」
「それは良かった。奴良君達もどうだい?」
「あっ、はい。気持ちいいです。」
そう答えるリクオの視線は、ある一点に釘付けになる。
「……気になるかい?」
「あっ!すみません、じろじろ見てしまって」
「構わないよ。妖の君から見ても珍しいみたいだね。」
そう言って薄く笑う名取。
リクオの視線の先に映るもの、それは名取の皮膚に住み着いているヤモリの形をした痣の妖だった。
リクオはあまり見ているのも失礼だと思い、視線を名取から氷麗に移した。
「氷麗~、そっちは一人で大丈夫なの~?」
「あ、は~い!気持ちいいですよ。水風呂!」
「……彼女、雪女だったんだね。」
「ええ、そうなんです。」
温泉に浸かる皆から少し離れた所にある水風呂に一人で浸かっている氷麗。
雪女である彼女はお湯に浸かる事ができないため、一人だけ水風呂に入っていたのだ。
「……それにしてもぬらりひょんの孫に雪女。有名な妖と一緒に温泉に入る時がくるなんて思わなかったよ。」
「リクオ君と氷麗ちゃんは、先生と違ってマイナーな妖じゃないですもんね。」
「何おう!私程の高貴な妖を知らないなど、お前等人間共が無知なんだ!」
「そうかなぁ~?……ん?」
その時、彩乃の頭上に影が掛かり、不意に彩乃が顔を上げると、そこには自分の顔を覗き込む柊がいた。
「うっ……わあああ~~!!??」
バシャーンッ!!
突然の柊の登場に彩乃は驚いて、咄嗟に温泉のお湯を柊に向かってぶっかけてしまったのだった。