第8章「黒ニャンコ編」
夢小説設定
ご利用の端末、あるいはブラウザ設定では夢小説機能をご利用になることができません。
古いスマートフォン端末や、一部ブラウザのプライベートブラウジング機能をご利用の際は、機能に制限が掛かることがございます。
ある日の学校の帰り道、彩乃は一人で下校していた。
「夏目様ですね。」
「!」
突然声を掛けられて振り返ると、そこには首の長い大きな顔の女性のような姿をした妖がいた。
「友人帳をお持ちですね?」
「!!」
妖は彩乃に手を伸ばすと、襲い掛かってきた。
彩乃は咄嗟に身を翻すと慌てて逃げ出した。
「はあはあ……」
「まあ~てぇ~」
(しつこいな。ついてくる……)
ブチッ
「わっ!」
妖から逃げていると、不意に何か縄のような物が足に引っ掛かった。
足で引っ張った衝撃で縄は切れ、彩乃は足首に縄が引っ掛かった為に勢いよく地面に転んでしまった。
「さあ、友人帳をお寄越し!!」
「あっ!放せっ!」
妖は彩乃に覆い被さると、彼女の首を大きな両腕で締め上げた。
ギリギリと嫌な音を立てて首が絞まる。
圧迫される息苦しさに彩乃が呻き声を上げると、襲われた時に放り出された彩乃の鞄からひょっこりとニャンコ先生が顔を出した。
「やれやれ、煩いな。」
「ニャ……ニャンコ先生……いつの間にバックの中に……」
「心配してついてきてやったのさ。妖にまた絡まれおって」
やれやれと溜め息をつくニャンコ先生。
ギリギリと首を締め付けられている彩乃は助けを求めるようにニャンコ先生を見つめた。
「く……苦し……」
しかし、当のニャンコ先生はというと、のんきに目の前を飛ぶ蝶々にじゃれついて遊んでいた。
「寄越せ友人帳」
「放せ、苦し……先生早く、何とか……」
「寄越せ寄越せ」
「くっ……」
「苦しいって」
トガッ!
「言ってるでしょうがっ!!」
ゴッ!!
彩乃が苦しんでいるのにも関わらず蝶々と戯れるニャンコ先生に、彩乃はキレた。
妖の顔面に渾身の一撃を叩き込むと、彩乃はすぐに助けてくれなかったニャンコ先生に怒りの拳骨を浴びせたのだった。
「……お、おのれ……いつか隙見て喰ってやる…」
「ふんっ!」
パタリと地面に倒れるニャンコ先生を置いて、彩乃は一人家路につくのだった。
妖に関わると、ろくなことがない。
そんなことを毎度思う彩乃であった。
*****
「彩乃ちゃん、猫ちゃんまだ帰ってこない?ご飯食べに出てこないの。」
「え?」
夕方になっても姿を現さないニャンコ先生に、塔子さんは心配そうに彩乃に尋ねてきた。
「……他所で食べてるのかも。お腹が空けばすぐに出てきますよ」
「そう?だったらいいけど……」
「……」
(部屋にも戻ってないか……)
塔子と会話を終えた彩乃は自分の部屋に戻っていた。
部屋の明かりをつけて周りを見回しても、ニャンコ先生の姿はなかった。
(……少し、強く殴り過ぎたかな……)
彩乃が下校途中での出来事をほんの少しだけ反省していると、窓にぼんやりと光る二つの目が浮かんだ。
「うわっ!」
カララ………
突然の光る目に彩乃が驚いて窓を開けると、僅かに開いた窓の隙間からニャンコ先生が入ってきた。
「ニャンコ先生驚かさなぃよ!どこ行って……」
「……」
明るい部屋に入ってきたニャンコ先生を見て、彩乃は思わず黙り込んでしまう。
「……ふっ……」
「……」
「あははっっ!黒っ!真っ黒ーー!!??何でー!!??あはははっっ!!」
お腹を押さえて笑い転ける彩乃。
何故なら、いつもは真っ白な毛並みの先生が、どういう訳か真っ黒に汚れて帰ってきたからであった。
「あっははは!!」
「……」
思わぬツボに入ってしまった彩乃は、数分間笑いが止まらなかったのでした。
「夏目様ですね。」
「!」
突然声を掛けられて振り返ると、そこには首の長い大きな顔の女性のような姿をした妖がいた。
「友人帳をお持ちですね?」
「!!」
妖は彩乃に手を伸ばすと、襲い掛かってきた。
彩乃は咄嗟に身を翻すと慌てて逃げ出した。
「はあはあ……」
「まあ~てぇ~」
(しつこいな。ついてくる……)
ブチッ
「わっ!」
妖から逃げていると、不意に何か縄のような物が足に引っ掛かった。
足で引っ張った衝撃で縄は切れ、彩乃は足首に縄が引っ掛かった為に勢いよく地面に転んでしまった。
「さあ、友人帳をお寄越し!!」
「あっ!放せっ!」
妖は彩乃に覆い被さると、彼女の首を大きな両腕で締め上げた。
ギリギリと嫌な音を立てて首が絞まる。
圧迫される息苦しさに彩乃が呻き声を上げると、襲われた時に放り出された彩乃の鞄からひょっこりとニャンコ先生が顔を出した。
「やれやれ、煩いな。」
「ニャ……ニャンコ先生……いつの間にバックの中に……」
「心配してついてきてやったのさ。妖にまた絡まれおって」
やれやれと溜め息をつくニャンコ先生。
ギリギリと首を締め付けられている彩乃は助けを求めるようにニャンコ先生を見つめた。
「く……苦し……」
しかし、当のニャンコ先生はというと、のんきに目の前を飛ぶ蝶々にじゃれついて遊んでいた。
「寄越せ友人帳」
「放せ、苦し……先生早く、何とか……」
「寄越せ寄越せ」
「くっ……」
「苦しいって」
トガッ!
「言ってるでしょうがっ!!」
ゴッ!!
彩乃が苦しんでいるのにも関わらず蝶々と戯れるニャンコ先生に、彩乃はキレた。
妖の顔面に渾身の一撃を叩き込むと、彩乃はすぐに助けてくれなかったニャンコ先生に怒りの拳骨を浴びせたのだった。
「……お、おのれ……いつか隙見て喰ってやる…」
「ふんっ!」
パタリと地面に倒れるニャンコ先生を置いて、彩乃は一人家路につくのだった。
妖に関わると、ろくなことがない。
そんなことを毎度思う彩乃であった。
*****
「彩乃ちゃん、猫ちゃんまだ帰ってこない?ご飯食べに出てこないの。」
「え?」
夕方になっても姿を現さないニャンコ先生に、塔子さんは心配そうに彩乃に尋ねてきた。
「……他所で食べてるのかも。お腹が空けばすぐに出てきますよ」
「そう?だったらいいけど……」
「……」
(部屋にも戻ってないか……)
塔子と会話を終えた彩乃は自分の部屋に戻っていた。
部屋の明かりをつけて周りを見回しても、ニャンコ先生の姿はなかった。
(……少し、強く殴り過ぎたかな……)
彩乃が下校途中での出来事をほんの少しだけ反省していると、窓にぼんやりと光る二つの目が浮かんだ。
「うわっ!」
カララ………
突然の光る目に彩乃が驚いて窓を開けると、僅かに開いた窓の隙間からニャンコ先生が入ってきた。
「ニャンコ先生驚かさなぃよ!どこ行って……」
「……」
明るい部屋に入ってきたニャンコ先生を見て、彩乃は思わず黙り込んでしまう。
「……ふっ……」
「……」
「あははっっ!黒っ!真っ黒ーー!!??何でー!!??あはははっっ!!」
お腹を押さえて笑い転ける彩乃。
何故なら、いつもは真っ白な毛並みの先生が、どういう訳か真っ黒に汚れて帰ってきたからであった。
「あっははは!!」
「……」
思わぬツボに入ってしまった彩乃は、数分間笑いが止まらなかったのでした。