第21章「東方の森編」
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キーンコーンカーンコーン
「ふぃ~終わった~」
「なあ、お前等今日は部活ないんだろ?帰りにどっかで何か飲んでいかないか?」
「え?いいよ。何か冷たいものでも……」
放課後になり、西村から何処かに寄ろうと誘われた彩乃たち。
彩乃は今日は特に予定が無かったので、了承した。
鞄を肩にかけて、四人の方に顔を向けようとしたまさにその瞬間、背筋にぞくりとした嫌な気配を感じた。
「見つけたぞ。」
「!?」
ガタンっ!
背後から不気味な声が聞こえたかと思った次の瞬間、彩乃は突然首に腕を回され、何者かに体を拘束された。
ギリッ
「……うっ!」
「……夏目?」
「どうした?」
西村も北村も、突然苦しそうに顔を歪め出した彩乃を不思議そうに見つめている。
しかし、事情を知る田沼と多軌は、何やら感づいて険しい表情を浮かべていた。
「……彩乃ちゃん?大丈夫?まさか……」
「夏目、居るのか!?」
「え?居るって何が?」
「っ、それは……」
「……っ」
(ダメだ。早く逃げないと……)
田沼も多軌も、北本たちの前で妖怪の話をする訳にはいかず、口を閉ざした。
彩乃は兎に角、田沼たちを巻き込まない為にも逃げなければと、なんとか抵抗しようと身動いだ。しかし……
「大人しくついてこい小娘。友人帳はどこにある。」
ギリッ
「うっ!」
「……大丈夫?夏目さん?」
「あぐ……っ!」
「いたぞ」
「いたぞ、夏目だ。」
「……!」
(まずい、仲間が集まってきた!)
ぞろぞろと教室に例の仮面の妖怪たちが集まりだし、彩乃は焦り出す。
このままでは本当に田沼たちまで巻き込んでしまうと、彩乃は自分の首に腕を回していた妖怪の腕に思いっきり噛み付いた。
ガブリ
ガッ!!
「ぐっ!小娘が!!」
ダっ!!
「ごめん、先に帰る!」
「彩乃ちゃん!?」
噛み付いた瞬間に、痛みで僅かに怯んだ仮面の妖怪。
その一瞬の隙を見逃さずに、彩乃はすぐさま妖怪に肘鉄を食らわせ、よろけた隙に教室から逃げ出したのであった。
背中越しに多軌が自分の名を叫んだ声が聞こえたが、彩乃は止まることが出来ずに走り続けた。
*******
ザザザ
「はぁはぁ……」
(逃げなきゃ、逃げなきゃ……!)
彩乃は森の中をひたすら走り続けていた。
逃げても逃げても、妖怪たちは自分を追いかけてくる。
いい加減、息も苦しくなってきた。足が痛い。
ガシッ!
「いっ!」
「――漸く捕まえたぞ。」
彩乃の腕を、仮面の妖怪の一人が掴んだ。
「ふぃ~終わった~」
「なあ、お前等今日は部活ないんだろ?帰りにどっかで何か飲んでいかないか?」
「え?いいよ。何か冷たいものでも……」
放課後になり、西村から何処かに寄ろうと誘われた彩乃たち。
彩乃は今日は特に予定が無かったので、了承した。
鞄を肩にかけて、四人の方に顔を向けようとしたまさにその瞬間、背筋にぞくりとした嫌な気配を感じた。
「見つけたぞ。」
「!?」
ガタンっ!
背後から不気味な声が聞こえたかと思った次の瞬間、彩乃は突然首に腕を回され、何者かに体を拘束された。
ギリッ
「……うっ!」
「……夏目?」
「どうした?」
西村も北村も、突然苦しそうに顔を歪め出した彩乃を不思議そうに見つめている。
しかし、事情を知る田沼と多軌は、何やら感づいて険しい表情を浮かべていた。
「……彩乃ちゃん?大丈夫?まさか……」
「夏目、居るのか!?」
「え?居るって何が?」
「っ、それは……」
「……っ」
(ダメだ。早く逃げないと……)
田沼も多軌も、北本たちの前で妖怪の話をする訳にはいかず、口を閉ざした。
彩乃は兎に角、田沼たちを巻き込まない為にも逃げなければと、なんとか抵抗しようと身動いだ。しかし……
「大人しくついてこい小娘。友人帳はどこにある。」
ギリッ
「うっ!」
「……大丈夫?夏目さん?」
「あぐ……っ!」
「いたぞ」
「いたぞ、夏目だ。」
「……!」
(まずい、仲間が集まってきた!)
ぞろぞろと教室に例の仮面の妖怪たちが集まりだし、彩乃は焦り出す。
このままでは本当に田沼たちまで巻き込んでしまうと、彩乃は自分の首に腕を回していた妖怪の腕に思いっきり噛み付いた。
ガブリ
ガッ!!
「ぐっ!小娘が!!」
ダっ!!
「ごめん、先に帰る!」
「彩乃ちゃん!?」
噛み付いた瞬間に、痛みで僅かに怯んだ仮面の妖怪。
その一瞬の隙を見逃さずに、彩乃はすぐさま妖怪に肘鉄を食らわせ、よろけた隙に教室から逃げ出したのであった。
背中越しに多軌が自分の名を叫んだ声が聞こえたが、彩乃は止まることが出来ずに走り続けた。
*******
ザザザ
「はぁはぁ……」
(逃げなきゃ、逃げなきゃ……!)
彩乃は森の中をひたすら走り続けていた。
逃げても逃げても、妖怪たちは自分を追いかけてくる。
いい加減、息も苦しくなってきた。足が痛い。
ガシッ!
「いっ!」
「――漸く捕まえたぞ。」
彩乃の腕を、仮面の妖怪の一人が掴んだ。