第19章「夏目の家族編」
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「おい小僧!正気か!?こんなもやしで貧乳でがさつで凶暴で学力も平均を波のように揺蕩うだけの良いとこひとっっつもない小娘だぞ!早まるな!考え直せ!!」
「……先生はよっぽど私に殴られたいんだね?」
「阿呆!拳を構えるな!」
「彩乃はいい女だ。」
「「!?」」
リクオの又してもドストレートな恥ずかしい言葉に先生を殴ろうとしていた彩乃はピタリと動きを止め、先生はあんぐりと口を開けて固まった。
「~~っっ!!」
「……こいつ頭に花でも咲いてるんじゃないか?」
「おい、どういう意味だ。」
「……両親が……」
「ん?」
「私の両親の実家が、売却されることになって……」
「……それで元気がなかったのか?」
リクオの言葉に彩乃は静かに頷いた。
「でもね、最後に両親の残した家を見に行くことにしたの。」
「……いつだ?」
「え?明日の休み……」
「じゃあ俺も行く。」
「えっ!?」
「お前は関係ないだろ!!」
リクオの予想外の言葉に彩乃は驚き、ニャンコ先生は「関係ない奴は引っ込んでろ!」と怒声をリクオに浴びせる。
しかし、リクオは笑って聞き流していた。
「いいよな?彩乃。」
「どうして?だってリクオくんには……」
「関係ねぇなんてつれねぇこと言うなよ?惚れた女の親の家なんて気になるじゃねーか。」
「……遊びに行くんじゃないんだけど……」
「わーてるよ。」
(大丈夫かな……)
正直一人で行きたいが、今の彼に何を言っても聞き流されるだけのような気がした。
「じゃ、用事もすんだし帰るな。」
「おい」
リクオが帰ろうと窓に足をかけると、ニャンコ先生が呼び止めた。
「何だ?」
「何故彩乃なんだ。」
「……」
「お前は混血とはいえ妖怪だ……それもぬらりひょんの血を継いだ……な。何故人間の彩乃を選んだ。」
「先生……」
ニャンコ先生はリクオを探るような眼差しで見据え、それをリクオは静かに見つめ返した。
「奴良組の跡継ぎなら、女に不自由しないだろ。もっと他にいい女がいる筈だ。……何故、彩乃なんだ?」
――それは私も思った。
どうして、リクオくんは私なんかを好きになったんだろうって……
「人間とか妖怪とか関係ねーよ。俺は彩乃だから好きになったんだ。」
「!」
「どんないい女よりも、俺にとっては彩乃が一番いい女に見える。それだけだ。」
「……」
――こんなにも、こんなにも想われてたんだ……
いつからだろう……
いつからリクオくんは私を……
「もういい!さっさと帰れ!そして二度と来るな!!」
「随分嫌われたみてーだな。……あっ、おい彩乃!」
「え?」
不意に名を呼ばれた彩乃は、考え事をしていて反応が遅れた。
「……何で話してくれたんだ?」
「?」
リクオの質問の意味がわからずに彩乃は不思議そうに首を傾げる。
「普段のお前なら、こういう個人的なことは話さねーだろ?」
「あ……そうだね。リクオくんには話しておくべきだと思ったから……かな?」
「俺には?」
どういう意味だと目で語るリクオに彩乃は微笑んだ。
「リクオくんは私を心配してわざわざ来てくれたから……その気持ちが嬉しかったから。だから、リクオくんには話すべきだと思ったの。」
「……そんなことでか?」
「リクオくんにとってはそんなことかもしれないけど、それって誰にでも出来ることじゃない。少なくとも、私にはとても嬉しいことだったよ。」
「……そうかい。」
「わっ!」
リクオは自分に微笑みかける彩乃の頭をクシャクシャと撫でると、彩乃が悲鳴を上げた。
「ちょっ!リクオくん!?」
「おいコラそこ!イチャつくんじゃない!!」
「じゃあな、彩乃。」
「……っ」
ほんのりとお酒の香りが鼻を掠め、ふわりと額に柔らかな感触がした。
「なっ!」
「――え?」
ニャンコ先生はあんぐりと口を開けて目をこれでもかと言うくらい大きく見開いて固まり、彩乃は何が起きたのかわからずにぼんやりとしている。
リクオは額から唇を離すと、名残惜しそうに彩乃から距離を取った。
「――またな。」
「……」
「阿呆っっ!!このド変態!!二度と来るなっっ!!」
「な……なっ……なな?」
固まる彩乃を見て、微かに口角を吊り上げて笑うと、リクオは軽い足取りで蛇ニョロに飛び乗り颯爽と夜の闇に消えていった。
リクオの姿が見えなくなるまでニャンコ先生が何やら罵倒を叫んでいた気がするが、そんなの今の彩乃にはどうでも良かった。
自分がリクオに何をされたのか自覚すると、彩乃は体から火が出そうなくらいに身体中の体温が上がり、ワナワナと体を震わせた。
――キスされた。
額に……何で!?
「あ……ああ……うわああああああっっ!!!???」
「彩乃ちゃんどうしたの!?」
その日の夜は塔子と滋に酷く心配され、彩乃は中々寝付くことができなかった。
何故なら……
「いいか彩乃!お前はもっと男を警戒しろ!隙を見せるな!特にあのぬらりひょんの孫には絶対にだ!!」
「男はみんな醜くて野蛮な獣なんだ!あんたなんて簡単に食われちまうんだよ!?」
「……先生、ヒノエ……もう夜中の2時だよ。」
「まだ話は終わってないぞ!!」
ニャンコ先生と何処からか騒ぎを聞きつけてやって来たヒノエに夜中まで説教をされていたからだ。
「……先生はよっぽど私に殴られたいんだね?」
「阿呆!拳を構えるな!」
「彩乃はいい女だ。」
「「!?」」
リクオの又してもドストレートな恥ずかしい言葉に先生を殴ろうとしていた彩乃はピタリと動きを止め、先生はあんぐりと口を開けて固まった。
「~~っっ!!」
「……こいつ頭に花でも咲いてるんじゃないか?」
「おい、どういう意味だ。」
「……両親が……」
「ん?」
「私の両親の実家が、売却されることになって……」
「……それで元気がなかったのか?」
リクオの言葉に彩乃は静かに頷いた。
「でもね、最後に両親の残した家を見に行くことにしたの。」
「……いつだ?」
「え?明日の休み……」
「じゃあ俺も行く。」
「えっ!?」
「お前は関係ないだろ!!」
リクオの予想外の言葉に彩乃は驚き、ニャンコ先生は「関係ない奴は引っ込んでろ!」と怒声をリクオに浴びせる。
しかし、リクオは笑って聞き流していた。
「いいよな?彩乃。」
「どうして?だってリクオくんには……」
「関係ねぇなんてつれねぇこと言うなよ?惚れた女の親の家なんて気になるじゃねーか。」
「……遊びに行くんじゃないんだけど……」
「わーてるよ。」
(大丈夫かな……)
正直一人で行きたいが、今の彼に何を言っても聞き流されるだけのような気がした。
「じゃ、用事もすんだし帰るな。」
「おい」
リクオが帰ろうと窓に足をかけると、ニャンコ先生が呼び止めた。
「何だ?」
「何故彩乃なんだ。」
「……」
「お前は混血とはいえ妖怪だ……それもぬらりひょんの血を継いだ……な。何故人間の彩乃を選んだ。」
「先生……」
ニャンコ先生はリクオを探るような眼差しで見据え、それをリクオは静かに見つめ返した。
「奴良組の跡継ぎなら、女に不自由しないだろ。もっと他にいい女がいる筈だ。……何故、彩乃なんだ?」
――それは私も思った。
どうして、リクオくんは私なんかを好きになったんだろうって……
「人間とか妖怪とか関係ねーよ。俺は彩乃だから好きになったんだ。」
「!」
「どんないい女よりも、俺にとっては彩乃が一番いい女に見える。それだけだ。」
「……」
――こんなにも、こんなにも想われてたんだ……
いつからだろう……
いつからリクオくんは私を……
「もういい!さっさと帰れ!そして二度と来るな!!」
「随分嫌われたみてーだな。……あっ、おい彩乃!」
「え?」
不意に名を呼ばれた彩乃は、考え事をしていて反応が遅れた。
「……何で話してくれたんだ?」
「?」
リクオの質問の意味がわからずに彩乃は不思議そうに首を傾げる。
「普段のお前なら、こういう個人的なことは話さねーだろ?」
「あ……そうだね。リクオくんには話しておくべきだと思ったから……かな?」
「俺には?」
どういう意味だと目で語るリクオに彩乃は微笑んだ。
「リクオくんは私を心配してわざわざ来てくれたから……その気持ちが嬉しかったから。だから、リクオくんには話すべきだと思ったの。」
「……そんなことでか?」
「リクオくんにとってはそんなことかもしれないけど、それって誰にでも出来ることじゃない。少なくとも、私にはとても嬉しいことだったよ。」
「……そうかい。」
「わっ!」
リクオは自分に微笑みかける彩乃の頭をクシャクシャと撫でると、彩乃が悲鳴を上げた。
「ちょっ!リクオくん!?」
「おいコラそこ!イチャつくんじゃない!!」
「じゃあな、彩乃。」
「……っ」
ほんのりとお酒の香りが鼻を掠め、ふわりと額に柔らかな感触がした。
「なっ!」
「――え?」
ニャンコ先生はあんぐりと口を開けて目をこれでもかと言うくらい大きく見開いて固まり、彩乃は何が起きたのかわからずにぼんやりとしている。
リクオは額から唇を離すと、名残惜しそうに彩乃から距離を取った。
「――またな。」
「……」
「阿呆っっ!!このド変態!!二度と来るなっっ!!」
「な……なっ……なな?」
固まる彩乃を見て、微かに口角を吊り上げて笑うと、リクオは軽い足取りで蛇ニョロに飛び乗り颯爽と夜の闇に消えていった。
リクオの姿が見えなくなるまでニャンコ先生が何やら罵倒を叫んでいた気がするが、そんなの今の彩乃にはどうでも良かった。
自分がリクオに何をされたのか自覚すると、彩乃は体から火が出そうなくらいに身体中の体温が上がり、ワナワナと体を震わせた。
――キスされた。
額に……何で!?
「あ……ああ……うわああああああっっ!!!???」
「彩乃ちゃんどうしたの!?」
その日の夜は塔子と滋に酷く心配され、彩乃は中々寝付くことができなかった。
何故なら……
「いいか彩乃!お前はもっと男を警戒しろ!隙を見せるな!特にあのぬらりひょんの孫には絶対にだ!!」
「男はみんな醜くて野蛮な獣なんだ!あんたなんて簡単に食われちまうんだよ!?」
「……先生、ヒノエ……もう夜中の2時だよ。」
「まだ話は終わってないぞ!!」
ニャンコ先生と何処からか騒ぎを聞きつけてやって来たヒノエに夜中まで説教をされていたからだ。