第18章「夏祭り編」
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「――ユキノスケ!!」
リクオがユキノスケを肩車しながら暫く歩き続けていると、誰かがユキノスケの名を叫んだ。
人混みを掻き分けながらこちらに駆け寄ってくる一匹の妖。
兎のような姿をしているその妖を見た瞬間、ユキノスケがパアッと顔を輝かせた。
「お母さん!」
「ユキノスケ!ああ良かった無事で!!」
リクオから降りて母親の元へと駆け寄るユキノスケを見て、彩乃もリクオもホッと胸を撫で下ろしたのだった。
「……いいな……」
「ん?」
「ううん、何でない。ユキノスケ、お母さん見つかって良かったね。」
「ああ、そうだな。」
お互いに固く抱き締め合って再会を喜ぶ親子を見て、彩乃は少しだけ、ほんの少しだけ羨ましいと思ってしまうのだった。
「本当にありがとうございました。」
「いいって。それよりも見つかって良かったな。」
「本当に助かりました。まさか奴良組の若様に助けて頂いたなんて……このお礼はどのようにしてお返しすれば……」
リクオに深々と頭を下げて礼を言うユキノスケの母に、リクオはユキノスケの頭を撫でながら答える。
「礼なんていらねーよ。早く山に帰んな。」
「はい!ありがとうございます。そちらの人間のお嬢さんもありがとう。」
「お兄ちゃん、人間のお姉ちゃんありがとー!」
「元気でね!」
「バイバーイ!」
ユキノスケは母親に手を引かれながら山へと帰っていった。
嬉しそうに彩乃とリクオに手を振りながら去って行く姿を、彩乃とリクオは親子の姿が見えなくなるまで見送ったのだった。
「――さて、これからどうすっかな。」
「え?みんなと合流するんじゃないの?」
「この姿じゃ戻れねーだろ?」
「あっ……人間の姿には戻れないの?」
「いや、戻れっけど……」
「?」
何故か歯切れの悪いリクオに彩乃は不思議そうに首を傾げる。
するとリクオは何かを思い付いたのか、ニヤリと口角を吊り上げると突然彩乃を担ぎ上げたのだった。
「わあっ!えっ、ちょっ、リクオくん!? 」
「ちょっと黙ってな。」
「へ?わああああーーっっ!!??」
リクオは彩乃を担ぐと人混みを掻き分けて人気のない場所へと歩き出す。
そして山の中へと足を踏み入れると、軽い足取りで木の上へと登り、木々の間を飛んでいく。
やがて一番幹の太い大きな木の上で止まると、漸く彩乃を下ろしたのだった。
リクオがユキノスケを肩車しながら暫く歩き続けていると、誰かがユキノスケの名を叫んだ。
人混みを掻き分けながらこちらに駆け寄ってくる一匹の妖。
兎のような姿をしているその妖を見た瞬間、ユキノスケがパアッと顔を輝かせた。
「お母さん!」
「ユキノスケ!ああ良かった無事で!!」
リクオから降りて母親の元へと駆け寄るユキノスケを見て、彩乃もリクオもホッと胸を撫で下ろしたのだった。
「……いいな……」
「ん?」
「ううん、何でない。ユキノスケ、お母さん見つかって良かったね。」
「ああ、そうだな。」
お互いに固く抱き締め合って再会を喜ぶ親子を見て、彩乃は少しだけ、ほんの少しだけ羨ましいと思ってしまうのだった。
「本当にありがとうございました。」
「いいって。それよりも見つかって良かったな。」
「本当に助かりました。まさか奴良組の若様に助けて頂いたなんて……このお礼はどのようにしてお返しすれば……」
リクオに深々と頭を下げて礼を言うユキノスケの母に、リクオはユキノスケの頭を撫でながら答える。
「礼なんていらねーよ。早く山に帰んな。」
「はい!ありがとうございます。そちらの人間のお嬢さんもありがとう。」
「お兄ちゃん、人間のお姉ちゃんありがとー!」
「元気でね!」
「バイバーイ!」
ユキノスケは母親に手を引かれながら山へと帰っていった。
嬉しそうに彩乃とリクオに手を振りながら去って行く姿を、彩乃とリクオは親子の姿が見えなくなるまで見送ったのだった。
「――さて、これからどうすっかな。」
「え?みんなと合流するんじゃないの?」
「この姿じゃ戻れねーだろ?」
「あっ……人間の姿には戻れないの?」
「いや、戻れっけど……」
「?」
何故か歯切れの悪いリクオに彩乃は不思議そうに首を傾げる。
するとリクオは何かを思い付いたのか、ニヤリと口角を吊り上げると突然彩乃を担ぎ上げたのだった。
「わあっ!えっ、ちょっ、リクオくん!? 」
「ちょっと黙ってな。」
「へ?わああああーーっっ!!??」
リクオは彩乃を担ぐと人混みを掻き分けて人気のない場所へと歩き出す。
そして山の中へと足を踏み入れると、軽い足取りで木の上へと登り、木々の間を飛んでいく。
やがて一番幹の太い大きな木の上で止まると、漸く彩乃を下ろしたのだった。