第18章「夏祭り編」
夢小説設定
ご利用の端末、あるいはブラウザ設定では夢小説機能をご利用になることができません。
古いスマートフォン端末や、一部ブラウザのプライベートブラウジング機能をご利用の際は、機能に制限が掛かることがございます。
「ぬおー!彩乃彩乃!イカ焼き買ってくれ!あと焼き鳥も!!」
「わかった。わかったから大声出さないでニャンコ先生!周りに沢山人がいるんだから!」
美味しそうな食べ物の臭いに釣られてあっちへフラフラこっちへフラフラと歩き回るニャンコ先生を捕まえた彩乃は、人混みの中平然と喋るニャンコ先生に焦ったように言う。
「ふん。誰も見てないさ。それよりもイカ焼き!焼き鳥!!」
「はいはい。」
急かすニャンコ先生に言われるままイカ焼きを買ってやる彩乃。
先生を抱っこしてみんながいる所に戻ろうと振り返ると、そこにはリクオたちはいなかった。
「……あれ?透ちゃんたちは?」
「ムグムグ……はぐれたんじゃないか?」
「ええーー!!」
先生の言葉に慌ててキョロキョロと辺りを見回すが、この人混みだ。
知り合い一人を見つけるのはとても困難だった。
「あっ!そうだスマホ!」
「……どうした?」
「…………家に置いてきちゃったみたい。」
「間抜けだな。」
彩乃は咄嗟にみんなに電話をしようとスマホを探すが、家に忘れてきてしまったことに気付いてがっくりと肩を落とした。
「どうしよう……これじゃみんなに心配かけちゃう……」
「どうせ一時間後に待ち合わせをしているんだ。鳥居の前に行っていればいいだろ?」
「そうだね。ああ、でも時間がわかんないな……今から待ってようかな。」
「はあ!?大体の時間に行けばいいだろ!そんなことよりもまだ焼き鳥が……」
「ダメ。ほら行くよ……」
「い~や~だ~!!やきと~~「彩乃ちゃんっ!!」
先生の声を遮って、誰かが彩乃の名を叫んだ。
ハッとして振り返れば、そこには血相を変えてこちらに駆け寄ってくるリクオと氷麗がいた。
「リクオくん、氷麗ちゃん。」
「良かった見つかって!気が付いたらいなくなってるからびっくりしたよ。電話も出てくれないし……」
「ごめんなさい。スマホを忘れちゃってて、今鳥居の所に行こうとしてたところなの……二人とも、わざわざ探しに来てくれたの?」
「当たり前だよ。みんなも探してくれてる。ちょっと待ってて……今みんなに彩乃ちゃんを見つけたって連絡するから。」
「……ごめんね。迷惑掛けて……」
みんなに探してもらえたことの嬉しさよりも、申し訳なさの方が大きい彩乃は、落ち込んだように二人に謝った。
そんな彩乃を見て、リクオは困ったように苦笑する。
「迷惑とか思ってないよ。彩乃ちゃんを心配するのは当然だし。」
「そうです!これくらいのこと大したことではありません!それよりも彩乃さんが無事で良かった。」
「……ありがとうリクオくん、氷麗ちゃん……」
二人の優しい言葉に、彩乃は嬉しそうに微笑んだのだった。
******
「――うん、うん。じゃあ一度鳥居の前で集まろう。」
「家長さんなんて?」
「彩乃ちゃんが見つかって良かったって。一度合流したいから鳥居に戻るね。」
「わかった。」
「……」
リクオがカナの携帯に電話をして、三人と一匹は合流する為に鳥居の前に集まることになった。
――という会話をしているリクオと彩乃を見つめていた氷麗は、ある考えを思い付き、ニヤリと口角を吊り上げた。
(――よし。リクオ様のため、この氷麗一肌脱ぎますよ!!)
「……ぬお?おい雪女。これはなんのつもり……んぐう!!」
「ちょっと静かにしなさい。」
「むぐぐっ!!」
氷麗はニャンコ先生を抱き抱えると、その口を手で塞いだ。
そして会話に夢中になっているリクオと彩乃から一歩、一歩と静かに後退りし、こっそりと気付かれないようにして離れた。
そのまま先生を連れて森の中へと駆け出していく。
「――あれ?そういえば氷麗は?」
「――へ?あれ?そういえばニャンコ先生もいない……まさか……今度は二人がはぐれた?」
「いや、流石にそれは……「フォン♪」あっ、ごめん。」
通知音が鳴り、リクオは会話を中断してスマホを見た。
するとそこには氷麗からLINEが入っており、そのメッセージを読んだリクオは絶句した。
『後のことはこの氷麗にお任せください。
リクオ様は彩乃さんと二人っきりのデートを楽しんで下さいね。
皆さんには上手いこと言っておきます。』
「なっ……なっ……」
「……どうしたのリクオくん?なんて?」
「わあーーっ!!なな、何でもないよ!!?」
「?」
(~~っっ、氷麗のやつ~~っっ!!)
リクオは彩乃に見られないように慌ててスマホを着物にしまうと、氷麗のせいで赤くなった顔を隠すように手で顔を覆った。
――余計なお節介だ。
みんなに迷惑かけちゃ駄目だろ……
そんな考えが過る。だけど……
ちらりと覆った指の間から愛おしい彼女の顔を見る。
心配そうにこちらを見ている彩乃を見て、リクオは腹を決めた。
「わかった。わかったから大声出さないでニャンコ先生!周りに沢山人がいるんだから!」
美味しそうな食べ物の臭いに釣られてあっちへフラフラこっちへフラフラと歩き回るニャンコ先生を捕まえた彩乃は、人混みの中平然と喋るニャンコ先生に焦ったように言う。
「ふん。誰も見てないさ。それよりもイカ焼き!焼き鳥!!」
「はいはい。」
急かすニャンコ先生に言われるままイカ焼きを買ってやる彩乃。
先生を抱っこしてみんながいる所に戻ろうと振り返ると、そこにはリクオたちはいなかった。
「……あれ?透ちゃんたちは?」
「ムグムグ……はぐれたんじゃないか?」
「ええーー!!」
先生の言葉に慌ててキョロキョロと辺りを見回すが、この人混みだ。
知り合い一人を見つけるのはとても困難だった。
「あっ!そうだスマホ!」
「……どうした?」
「…………家に置いてきちゃったみたい。」
「間抜けだな。」
彩乃は咄嗟にみんなに電話をしようとスマホを探すが、家に忘れてきてしまったことに気付いてがっくりと肩を落とした。
「どうしよう……これじゃみんなに心配かけちゃう……」
「どうせ一時間後に待ち合わせをしているんだ。鳥居の前に行っていればいいだろ?」
「そうだね。ああ、でも時間がわかんないな……今から待ってようかな。」
「はあ!?大体の時間に行けばいいだろ!そんなことよりもまだ焼き鳥が……」
「ダメ。ほら行くよ……」
「い~や~だ~!!やきと~~「彩乃ちゃんっ!!」
先生の声を遮って、誰かが彩乃の名を叫んだ。
ハッとして振り返れば、そこには血相を変えてこちらに駆け寄ってくるリクオと氷麗がいた。
「リクオくん、氷麗ちゃん。」
「良かった見つかって!気が付いたらいなくなってるからびっくりしたよ。電話も出てくれないし……」
「ごめんなさい。スマホを忘れちゃってて、今鳥居の所に行こうとしてたところなの……二人とも、わざわざ探しに来てくれたの?」
「当たり前だよ。みんなも探してくれてる。ちょっと待ってて……今みんなに彩乃ちゃんを見つけたって連絡するから。」
「……ごめんね。迷惑掛けて……」
みんなに探してもらえたことの嬉しさよりも、申し訳なさの方が大きい彩乃は、落ち込んだように二人に謝った。
そんな彩乃を見て、リクオは困ったように苦笑する。
「迷惑とか思ってないよ。彩乃ちゃんを心配するのは当然だし。」
「そうです!これくらいのこと大したことではありません!それよりも彩乃さんが無事で良かった。」
「……ありがとうリクオくん、氷麗ちゃん……」
二人の優しい言葉に、彩乃は嬉しそうに微笑んだのだった。
******
「――うん、うん。じゃあ一度鳥居の前で集まろう。」
「家長さんなんて?」
「彩乃ちゃんが見つかって良かったって。一度合流したいから鳥居に戻るね。」
「わかった。」
「……」
リクオがカナの携帯に電話をして、三人と一匹は合流する為に鳥居の前に集まることになった。
――という会話をしているリクオと彩乃を見つめていた氷麗は、ある考えを思い付き、ニヤリと口角を吊り上げた。
(――よし。リクオ様のため、この氷麗一肌脱ぎますよ!!)
「……ぬお?おい雪女。これはなんのつもり……んぐう!!」
「ちょっと静かにしなさい。」
「むぐぐっ!!」
氷麗はニャンコ先生を抱き抱えると、その口を手で塞いだ。
そして会話に夢中になっているリクオと彩乃から一歩、一歩と静かに後退りし、こっそりと気付かれないようにして離れた。
そのまま先生を連れて森の中へと駆け出していく。
「――あれ?そういえば氷麗は?」
「――へ?あれ?そういえばニャンコ先生もいない……まさか……今度は二人がはぐれた?」
「いや、流石にそれは……「フォン♪」あっ、ごめん。」
通知音が鳴り、リクオは会話を中断してスマホを見た。
するとそこには氷麗からLINEが入っており、そのメッセージを読んだリクオは絶句した。
『後のことはこの氷麗にお任せください。
リクオ様は彩乃さんと二人っきりのデートを楽しんで下さいね。
皆さんには上手いこと言っておきます。』
「なっ……なっ……」
「……どうしたのリクオくん?なんて?」
「わあーーっ!!なな、何でもないよ!!?」
「?」
(~~っっ、氷麗のやつ~~っっ!!)
リクオは彩乃に見られないように慌ててスマホを着物にしまうと、氷麗のせいで赤くなった顔を隠すように手で顔を覆った。
――余計なお節介だ。
みんなに迷惑かけちゃ駄目だろ……
そんな考えが過る。だけど……
ちらりと覆った指の間から愛おしい彼女の顔を見る。
心配そうにこちらを見ている彩乃を見て、リクオは腹を決めた。