第17章「的場編」
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(し……死ぬかと思った……)
「いたぞあそこだ!」
「!」
二階の窓から飛び降りた彩乃は、下に木があったことで大した怪我もなく助かった。
しかしまだ安心はできない。
的場の部下に見つかってしまった彩乃は身を隠すために森へと逃げ込むのであった。
(的場さん……怖い人というより……ヤバイ人だわ!)
『使えるものは使わないと』
『餌みたいなもの、です。』
「……」
(――この森に大物の妖が……気配を辿れば見つけられないだろうか……)
的場さんが力のある妖を手に入れたら、どんな風に悪用するかわからない。
なら、なんとしてでも止めなきゃ……
「今からならまだ目覚の儀式に間に合うかもしれない……気配は……あっちか!」
(的場さんのことはよく知らない。だけど彼の好きにさせてはいけない気がする。辺りに被害が及ぶかもしれないような妖を目覚めさせようだなんて……)
彩乃は森の奥から感じる嫌な気配を追って森の中へと進んでいった。
最近多くの妖と関わるようになって、彩乃は漸く妖気というものがわかるようになってきた。
妖と出会うと時折感じる嫌な気配。
恐らくこれが妖気なのだろう。
彩乃は集中して気配を辿りながら草を掻き分けて道なき道を進んでいく。
――どこ?
(この辺りの岩場から妖気を強く感じる気がする……)
がしっ
ガクンっ!
「う、わああああっ!!」
ガラガラガラ……
彩乃は妖気を辿って森の中をさ迷っていると、岩場に辿り着いた。
キョロキョロと辺りを見回しながら走っていた彩乃は足元への注意が散漫になっており、岩の隙間の穴から人の手が伸びて、彩乃の左足首を掴んだことに気付くのが遅れてしまったのだ。
彩乃の左足を掴んだ手はそのまま彩乃を穴の中へと引き摺り込む。
「――いたあ!」
(……ここは?洞窟?)
何者かの手によって岩場の穴へと引き摺り込まれた彩乃。
引き摺り込まれたことで体を強く地面に打ち付けてしまい、彩乃は思わず苦痛で顔を歪める。
傷む体を起こすと、そこは空洞になっていて、洞窟の中だとわかる。
茫然と洞窟の奥を見つめる彩乃。
――何故だか心臓がドクドクと高鳴って落ち着かない。
ザワ……
ザワリ……
――いる……!?
「……この奥に……いるんだ……」
「そうだよ。」
「!?」
大妖の気配に気を取られていて、自分のすぐ後ろに自分を洞窟に引き摺り込んだ者がいたことに気付くのが遅れてしまった。
声がして慌てて振り返れば、そこには昼間に部屋で自分を襲った女の妖がいたのだ。
「いたぞあそこだ!」
「!」
二階の窓から飛び降りた彩乃は、下に木があったことで大した怪我もなく助かった。
しかしまだ安心はできない。
的場の部下に見つかってしまった彩乃は身を隠すために森へと逃げ込むのであった。
(的場さん……怖い人というより……ヤバイ人だわ!)
『使えるものは使わないと』
『餌みたいなもの、です。』
「……」
(――この森に大物の妖が……気配を辿れば見つけられないだろうか……)
的場さんが力のある妖を手に入れたら、どんな風に悪用するかわからない。
なら、なんとしてでも止めなきゃ……
「今からならまだ目覚の儀式に間に合うかもしれない……気配は……あっちか!」
(的場さんのことはよく知らない。だけど彼の好きにさせてはいけない気がする。辺りに被害が及ぶかもしれないような妖を目覚めさせようだなんて……)
彩乃は森の奥から感じる嫌な気配を追って森の中へと進んでいった。
最近多くの妖と関わるようになって、彩乃は漸く妖気というものがわかるようになってきた。
妖と出会うと時折感じる嫌な気配。
恐らくこれが妖気なのだろう。
彩乃は集中して気配を辿りながら草を掻き分けて道なき道を進んでいく。
――どこ?
(この辺りの岩場から妖気を強く感じる気がする……)
がしっ
ガクンっ!
「う、わああああっ!!」
ガラガラガラ……
彩乃は妖気を辿って森の中をさ迷っていると、岩場に辿り着いた。
キョロキョロと辺りを見回しながら走っていた彩乃は足元への注意が散漫になっており、岩の隙間の穴から人の手が伸びて、彩乃の左足首を掴んだことに気付くのが遅れてしまったのだ。
彩乃の左足を掴んだ手はそのまま彩乃を穴の中へと引き摺り込む。
「――いたあ!」
(……ここは?洞窟?)
何者かの手によって岩場の穴へと引き摺り込まれた彩乃。
引き摺り込まれたことで体を強く地面に打ち付けてしまい、彩乃は思わず苦痛で顔を歪める。
傷む体を起こすと、そこは空洞になっていて、洞窟の中だとわかる。
茫然と洞窟の奥を見つめる彩乃。
――何故だか心臓がドクドクと高鳴って落ち着かない。
ザワ……
ザワリ……
――いる……!?
「……この奥に……いるんだ……」
「そうだよ。」
「!?」
大妖の気配に気を取られていて、自分のすぐ後ろに自分を洞窟に引き摺り込んだ者がいたことに気付くのが遅れてしまった。
声がして慌てて振り返れば、そこには昼間に部屋で自分を襲った女の妖がいたのだ。