第17章「的場編」
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「んんっ!んっ!!」
突然茂みの中へと引き摺り込まれた彩乃は、自分を捕らえている腕から逃れようとジタバタと暴れて抵抗するも、口を塞がれていて叫ぶこともできない。
「静かにするんだ!」
「!」
(この声って……)
「もがもが!?(名取さん!?)」
耳元でとても聞き慣れた声がして、彩乃は暴れるのをやめた。
ゆっくりと顔だけ振り返れば、そこには名取がいた。
彩乃のが大人しくなると、名取は口を押さえていた手を放してくれた。
「ど、どうして名取さんがここに……?」
「ちょっと心配でね。君を探していたんだ。……何故的場の式に追われていたんだ?」
「……さっき、的場さんに会って……会ったと言っても、妖を襲っているところを邪魔してしまって、名乗らず逃げてきてしまっただけだけど……」
「――成る程ね。」
「彩乃様!」
「無事か!?あっ、名取の小僧。」
「やあ」
名取に助けられた彩乃たちは、話しをするために近くにあった廃屋に入ることにした。
「――で、妖を襲っていたとは?」
「それはワタクシが説明します。」
「君は……確かあの時の……」
「カゲロウは私の友人です。あれから色々と力になって貰ってて……」
「そうか。ではカゲロウ。説明してくれ。」
「はい。最近、この辺りの妖が何者かに襲われているのは知っていますか?」
「――いや……」
「大きな傷を受け、大半の血を奪われた妖が続出しているのです。ワタクシはそいつが何なのか調べていたのですが、情報を集めようと森の見回りをしていると、あのお堂から悲鳴が。飛び込んでみたらそこには的場がいて、ワタクシは不覚にも彼の式にやられ、気を失ってしまったのです。幸いにも血は奪われる前に彩乃様が来てくださったので助かりました。」
「そ、そうだったんだ……」
「妖の血か……確か妖の血で行う術があると聞いたことがある気がする……成る程、君は……彩乃はその現場に運悪く遭遇してしまったという訳か……」
「名取さん、私……」
「……わかっているよ。どうにかしたいと思っているんだろう?彩乃のことだ。私が止めても一人で行動してしまいそうだし、私も協力するよ。」
「えっ!?」
てっきり反対されると思っていたのに、思わぬ名取からの協力という言葉に、彩乃は驚いて声を上げた。
そしてその言葉を理解するや否や、彩乃はパアッと顔を輝かせるのだった。
「いいんですか!?」
「いつも手伝って貰っているからね。今回はこちらが手伝おう。」
「名取さん……本当にタダで!?タダで手伝ってくれるんですか!?」
「え、あ、うん。」
「よかった!見返りに何か要求されたらどうしようかと思いましたよ!」
「……彩乃の中の私って一体どういう感じなんだい?」
こうして、私は名取さんとこの件を調べることにしたのだった。
突然茂みの中へと引き摺り込まれた彩乃は、自分を捕らえている腕から逃れようとジタバタと暴れて抵抗するも、口を塞がれていて叫ぶこともできない。
「静かにするんだ!」
「!」
(この声って……)
「もがもが!?(名取さん!?)」
耳元でとても聞き慣れた声がして、彩乃は暴れるのをやめた。
ゆっくりと顔だけ振り返れば、そこには名取がいた。
彩乃のが大人しくなると、名取は口を押さえていた手を放してくれた。
「ど、どうして名取さんがここに……?」
「ちょっと心配でね。君を探していたんだ。……何故的場の式に追われていたんだ?」
「……さっき、的場さんに会って……会ったと言っても、妖を襲っているところを邪魔してしまって、名乗らず逃げてきてしまっただけだけど……」
「――成る程ね。」
「彩乃様!」
「無事か!?あっ、名取の小僧。」
「やあ」
名取に助けられた彩乃たちは、話しをするために近くにあった廃屋に入ることにした。
「――で、妖を襲っていたとは?」
「それはワタクシが説明します。」
「君は……確かあの時の……」
「カゲロウは私の友人です。あれから色々と力になって貰ってて……」
「そうか。ではカゲロウ。説明してくれ。」
「はい。最近、この辺りの妖が何者かに襲われているのは知っていますか?」
「――いや……」
「大きな傷を受け、大半の血を奪われた妖が続出しているのです。ワタクシはそいつが何なのか調べていたのですが、情報を集めようと森の見回りをしていると、あのお堂から悲鳴が。飛び込んでみたらそこには的場がいて、ワタクシは不覚にも彼の式にやられ、気を失ってしまったのです。幸いにも血は奪われる前に彩乃様が来てくださったので助かりました。」
「そ、そうだったんだ……」
「妖の血か……確か妖の血で行う術があると聞いたことがある気がする……成る程、君は……彩乃はその現場に運悪く遭遇してしまったという訳か……」
「名取さん、私……」
「……わかっているよ。どうにかしたいと思っているんだろう?彩乃のことだ。私が止めても一人で行動してしまいそうだし、私も協力するよ。」
「えっ!?」
てっきり反対されると思っていたのに、思わぬ名取からの協力という言葉に、彩乃は驚いて声を上げた。
そしてその言葉を理解するや否や、彩乃はパアッと顔を輝かせるのだった。
「いいんですか!?」
「いつも手伝って貰っているからね。今回はこちらが手伝おう。」
「名取さん……本当にタダで!?タダで手伝ってくれるんですか!?」
「え、あ、うん。」
「よかった!見返りに何か要求されたらどうしようかと思いましたよ!」
「……彩乃の中の私って一体どういう感じなんだい?」
こうして、私は名取さんとこの件を調べることにしたのだった。