第16章「四国編」
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鳥居さんが襲われてから今日で3日が経った。
あれから奴良組も警戒して町を巡回したりしているが、四国妖怪達に今のところ動きはないようだった。
「……なんか、ごめんね。黒羽丸。」
「いや、気にするな。これも仕事だ。」
「でも……」
彩乃の頭上を飛んでいるのはもはや顔馴染みの黒羽丸である。
鳥居が四国妖怪に襲われてからというもの、四国妖怪達が友人帳を狙ってくると考えたリクオが最近はこうして彩乃に護衛をつけてくれるようになったのだ。
只でさえ今は四国妖怪達を警戒して大変な状況なのに、自分にまで護衛をつけてもらっていることが申し訳なくて、彩乃は黒羽丸に申し訳なさそうに謝った。
「あまり気にやむな、夏目。友人帳が四国妖怪の手に渡る方が奴良組にとっては脅威なのだ。」
「そうだけど……」
「そうだぞ彩乃。使えるもんは使っておけ。私は楽できて大歓迎だ。」
「……先生は黒羽丸を見習ってちゃんと用心棒しなよ。」
「めんどい。」
「おい。」
そんなやり取りをしたのが朝の出来事であった。
そして彩乃は後悔することになる。
もっと、警戒しておけば良かったと……
キーンコーンカーンコーン
「今日の授業はここまで。みんな気を付けて帰れよ~!」
「「はーい!」」
最後の授業が終わり、みんなそれぞれ帰り支度を始めていた。
彩乃も同じようにノートや教科書を鞄に押し込んで、帰り支度を始める。
「……はあ……」
(私……リクオくん達の足を引っ張ってるよね……絶対。)
せめて自分で自分の身くらい守れたら良かったのだが、そんなことできる訳もなく……
「……ん?」
彩乃が昇降口の下駄箱を開けると、靴の中に見に覚えのない手紙が一枚入っていた。
「……誰から?」
封筒の裏を捲ってみても、差出人の名前は無かった。
不審に思いながらも気になった彩乃はとりあえず手紙の封を切って読んでみることにした。
鞄からハサミを取り出して切ってみる。
手紙にはこう書かれていた。
『放課後裏庭で待っている。』
たったその一言だけ書かれているだけで、差出人の名前はやはり書かれていなかった。
「……怪しすぎる……」
新手の嫌がらせだろうか?
それとも苛め?
或いは果たし状……いや、それは流石にないな。
ラブレターということは絶対にないだろうし……
「一体この送り主は何の用があって呼び出してるのかな……?」
名前も書かないなんて怪しすぎて行きたくない。
「……無視してしまおうか……いや、でも……それは失礼だろうか……」
とりあえず行ってみて、誰も来なければ帰ればいい。
「誰かいた場合は、少し影から様子見でもしよう。」
彩乃はそう決めると、帰る約束をしていたリクオ達に先に帰るようにLINEにメッセを送って、裏庭に向かうことにした。
カサリ
「あれ?もう一枚紙がある?」
てっきり一枚だけかと思っていたが、封筒の奥にもう一枚紙が入っていることに気付いた。
「……写真?……っ!?」
封筒の中には写真が一枚だけ入っていた。
その写真を見た瞬間、彩乃の顔色が変わる。
「……塔子さんと……滋さん……」
写真には何故か藤原夫妻が写っていた。
何故、藤原さん達が?
彩乃はとてつもなく胸騒ぎがして何となく写真を裏返した。
すると写真の裏側に書かれた文字を読んで、彩乃は更に青ざめた。
『大切なものを守りたかったら友人帳を持って一人で来い。』
その一言で彩乃は全てを悟った。
四国妖怪かはわからないが、友人帳を狙う何者かが藤原夫妻に何かをしようとしていることに……
もしもこの手紙を無視して手紙の差出人に会いに行かなければ、藤原さん達が危ない。
(……行くしかない……)
彩乃はドクドクと煩く鳴る心臓の音に、自分がやけに緊張していることに気付いた。
正直、罠とわかっている場所に一人で行くのは怖い。
だけど……
「藤原さん達を守らなきゃ……」
自分を受け入れてくれた心優しいあの人達に危険が及ぶことだけは避けたい。
彩乃の気持ちは決まっていた。
「――行こう。」
彩乃は小さくそう呟くと、裏庭へと足を向けるのであった。
あれから奴良組も警戒して町を巡回したりしているが、四国妖怪達に今のところ動きはないようだった。
「……なんか、ごめんね。黒羽丸。」
「いや、気にするな。これも仕事だ。」
「でも……」
彩乃の頭上を飛んでいるのはもはや顔馴染みの黒羽丸である。
鳥居が四国妖怪に襲われてからというもの、四国妖怪達が友人帳を狙ってくると考えたリクオが最近はこうして彩乃に護衛をつけてくれるようになったのだ。
只でさえ今は四国妖怪達を警戒して大変な状況なのに、自分にまで護衛をつけてもらっていることが申し訳なくて、彩乃は黒羽丸に申し訳なさそうに謝った。
「あまり気にやむな、夏目。友人帳が四国妖怪の手に渡る方が奴良組にとっては脅威なのだ。」
「そうだけど……」
「そうだぞ彩乃。使えるもんは使っておけ。私は楽できて大歓迎だ。」
「……先生は黒羽丸を見習ってちゃんと用心棒しなよ。」
「めんどい。」
「おい。」
そんなやり取りをしたのが朝の出来事であった。
そして彩乃は後悔することになる。
もっと、警戒しておけば良かったと……
キーンコーンカーンコーン
「今日の授業はここまで。みんな気を付けて帰れよ~!」
「「はーい!」」
最後の授業が終わり、みんなそれぞれ帰り支度を始めていた。
彩乃も同じようにノートや教科書を鞄に押し込んで、帰り支度を始める。
「……はあ……」
(私……リクオくん達の足を引っ張ってるよね……絶対。)
せめて自分で自分の身くらい守れたら良かったのだが、そんなことできる訳もなく……
「……ん?」
彩乃が昇降口の下駄箱を開けると、靴の中に見に覚えのない手紙が一枚入っていた。
「……誰から?」
封筒の裏を捲ってみても、差出人の名前は無かった。
不審に思いながらも気になった彩乃はとりあえず手紙の封を切って読んでみることにした。
鞄からハサミを取り出して切ってみる。
手紙にはこう書かれていた。
『放課後裏庭で待っている。』
たったその一言だけ書かれているだけで、差出人の名前はやはり書かれていなかった。
「……怪しすぎる……」
新手の嫌がらせだろうか?
それとも苛め?
或いは果たし状……いや、それは流石にないな。
ラブレターということは絶対にないだろうし……
「一体この送り主は何の用があって呼び出してるのかな……?」
名前も書かないなんて怪しすぎて行きたくない。
「……無視してしまおうか……いや、でも……それは失礼だろうか……」
とりあえず行ってみて、誰も来なければ帰ればいい。
「誰かいた場合は、少し影から様子見でもしよう。」
彩乃はそう決めると、帰る約束をしていたリクオ達に先に帰るようにLINEにメッセを送って、裏庭に向かうことにした。
カサリ
「あれ?もう一枚紙がある?」
てっきり一枚だけかと思っていたが、封筒の奥にもう一枚紙が入っていることに気付いた。
「……写真?……っ!?」
封筒の中には写真が一枚だけ入っていた。
その写真を見た瞬間、彩乃の顔色が変わる。
「……塔子さんと……滋さん……」
写真には何故か藤原夫妻が写っていた。
何故、藤原さん達が?
彩乃はとてつもなく胸騒ぎがして何となく写真を裏返した。
すると写真の裏側に書かれた文字を読んで、彩乃は更に青ざめた。
『大切なものを守りたかったら友人帳を持って一人で来い。』
その一言で彩乃は全てを悟った。
四国妖怪かはわからないが、友人帳を狙う何者かが藤原夫妻に何かをしようとしていることに……
もしもこの手紙を無視して手紙の差出人に会いに行かなければ、藤原さん達が危ない。
(……行くしかない……)
彩乃はドクドクと煩く鳴る心臓の音に、自分がやけに緊張していることに気付いた。
正直、罠とわかっている場所に一人で行くのは怖い。
だけど……
「藤原さん達を守らなきゃ……」
自分を受け入れてくれた心優しいあの人達に危険が及ぶことだけは避けたい。
彩乃の気持ちは決まっていた。
「――行こう。」
彩乃は小さくそう呟くと、裏庭へと足を向けるのであった。