第16章「四国編」
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「リクオくん!ごめんなさい。遅くなった!」
「いや、大丈夫だ。」
(あれ?いつの間にか夜の姿になってる……)
リクオに電話をした彩乃は、近くの公園で待ち合わせをすることになった。
いつの間にか雨は止んでおり、彩乃を見つけた黒田坊はどこか焦ったように彩乃に声をかける。
「それで夏目……彼女を襲った妖怪を見つけられるとは本当か!?」
「うん。ちゃんとできるか自信はないけど、黒田坊の協力があれば……」
「拙僧にできることなら!それで、どうするんだ?」
「――黒田坊の記憶を見せてもらうの。」
「何!?拙僧の……記憶だと?」
「前に名取さんから教わった祓い屋の術にね、探しものを見つける術があったの。相手の名前か姿がわかれば行える術なんだけど、私は鳥居さんを襲った妖の顔を知らないから……だけど黒田坊、あなたは見たんでしょう?」
「――ああ。しかし、記憶を見せるとは?」
「黒田坊は……友人帳に名があったよね?友人帳に綴られた名を返すと、その妖の記憶の一部が見えるの。だから……」
「!、そうか!黒に名を返して、黒の記憶を見るんだな?」
「そう!」
「なら、早くやってくれ!時間がない!!」
「わ、わかった!」
彩乃の肩を掴んで必死の形相で迫ってくる黒田坊に、彩乃は戸惑いながら頷く。
「『黒田坊』名を返そう……受け取って……」
しゅるしゅる
カッ!!
「……っ!」
「彩乃!」
黒田坊に名を返すと、クラリと軽いめまいが起き、彩乃はふらついた。
そんな彼女を慌ててリクオが受け止める。
「彩乃、大丈夫か!?」
「……うん……見えたよ……」
「本当か!?」
「うん……これで……探せる。」
黒田坊の記憶から地蔵のような妖怪の姿を見た彩乃は、その妖怪を探す為に公園の備え付けのテーブルの上に紙を敷き、そこにペンで陣を描く。
「前に名取さんに教わって、一度だけやったことのある術なの。この紙人形を探したい相手の所に飛ばして探させる術なんだけど……」
「成る程な。じゃあ彩乃が紙を飛ばした瞬間に三羽鴉達に追わせる。頼んだぜ!」
「「お任せを!」」
「――じゃあ、始めるね。」
そう言うと彩乃は陣の上に掌を置き、その上に紙人形を置いた。
そして地蔵のような妖怪の姿を頭に想い描く。
(お願い……成功して……鳥居さんを助けたいの!)
カサリ
カサカサ
「――いけ。」
ヒュンッ!
彩乃の言葉を合図に紙人形は勢いよく空に向かって飛んでいく。
「よし、成功した!」
「ああ!追うぞ!」
「「はい!」」
リクオ達はそれぞれ鴉天狗達の背に乗ると、紙人形を追って空へと羽ばたいていった。
「……リクオくん達、大丈夫かな……」
「まだまだ未熟な小僧だがあれでもぬらりひょんの血筋だ。大丈夫だろう。信じて待ってやれ。」
「……そうだね。私が一緒に行っても戦えないし……足手まといになるだけだよね……」
「お前はお前のできることをすればいいだろうが。」
「先生……うん、そうだね。ありがとう……」
「――ふん。」
彩乃はきっとリクオ達なら鳥居を助けてくれると信じて、巻の待つ病院へと戻るのだった。
「いや、大丈夫だ。」
(あれ?いつの間にか夜の姿になってる……)
リクオに電話をした彩乃は、近くの公園で待ち合わせをすることになった。
いつの間にか雨は止んでおり、彩乃を見つけた黒田坊はどこか焦ったように彩乃に声をかける。
「それで夏目……彼女を襲った妖怪を見つけられるとは本当か!?」
「うん。ちゃんとできるか自信はないけど、黒田坊の協力があれば……」
「拙僧にできることなら!それで、どうするんだ?」
「――黒田坊の記憶を見せてもらうの。」
「何!?拙僧の……記憶だと?」
「前に名取さんから教わった祓い屋の術にね、探しものを見つける術があったの。相手の名前か姿がわかれば行える術なんだけど、私は鳥居さんを襲った妖の顔を知らないから……だけど黒田坊、あなたは見たんでしょう?」
「――ああ。しかし、記憶を見せるとは?」
「黒田坊は……友人帳に名があったよね?友人帳に綴られた名を返すと、その妖の記憶の一部が見えるの。だから……」
「!、そうか!黒に名を返して、黒の記憶を見るんだな?」
「そう!」
「なら、早くやってくれ!時間がない!!」
「わ、わかった!」
彩乃の肩を掴んで必死の形相で迫ってくる黒田坊に、彩乃は戸惑いながら頷く。
「『黒田坊』名を返そう……受け取って……」
しゅるしゅる
カッ!!
「……っ!」
「彩乃!」
黒田坊に名を返すと、クラリと軽いめまいが起き、彩乃はふらついた。
そんな彼女を慌ててリクオが受け止める。
「彩乃、大丈夫か!?」
「……うん……見えたよ……」
「本当か!?」
「うん……これで……探せる。」
黒田坊の記憶から地蔵のような妖怪の姿を見た彩乃は、その妖怪を探す為に公園の備え付けのテーブルの上に紙を敷き、そこにペンで陣を描く。
「前に名取さんに教わって、一度だけやったことのある術なの。この紙人形を探したい相手の所に飛ばして探させる術なんだけど……」
「成る程な。じゃあ彩乃が紙を飛ばした瞬間に三羽鴉達に追わせる。頼んだぜ!」
「「お任せを!」」
「――じゃあ、始めるね。」
そう言うと彩乃は陣の上に掌を置き、その上に紙人形を置いた。
そして地蔵のような妖怪の姿を頭に想い描く。
(お願い……成功して……鳥居さんを助けたいの!)
カサリ
カサカサ
「――いけ。」
ヒュンッ!
彩乃の言葉を合図に紙人形は勢いよく空に向かって飛んでいく。
「よし、成功した!」
「ああ!追うぞ!」
「「はい!」」
リクオ達はそれぞれ鴉天狗達の背に乗ると、紙人形を追って空へと羽ばたいていった。
「……リクオくん達、大丈夫かな……」
「まだまだ未熟な小僧だがあれでもぬらりひょんの血筋だ。大丈夫だろう。信じて待ってやれ。」
「……そうだね。私が一緒に行っても戦えないし……足手まといになるだけだよね……」
「お前はお前のできることをすればいいだろうが。」
「先生……うん、そうだね。ありがとう……」
「――ふん。」
彩乃はきっとリクオ達なら鳥居を助けてくれると信じて、巻の待つ病院へと戻るのだった。