第13章「林間学校編」
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「お前等落ち着け。こいつは……妖怪を無理やり従わせるような奴じゃない。」
「イタク……」
「お前がそこまで言うなんてな……おいあんた。この友人帳をあんたはどうする気なんだ?」
イタクが庇ってくれたからか、淡島達の纏う張り詰めた空気が少しだけ和らいだ。
それに彩乃は安堵し、自分の気持ちを素直に話すことにした。
「友人帳は……私の祖母、夏目レイコさんが作ったものなの。友人帳にはレイコさんの友人になった妖達の名が綴られてる……だから私は、友人帳に綴られた名を全て返したい。」
「それがあんたに何の得があるんだよ?」
「確かに。私に良いことなんてないかも。……でもね、優しい祖母の友人達の大切な名を、私はやっぱり返したいんだ。損得の問題じゃない。私がそうしたいの。それにこれは、私にとってもたった一つの祖母の遺品だから……」
「「……」」
友人帳を大切そうに見つめる彩乃の目は、曇りのない澄んだ色をしていた。
その目を見た淡島達は互いに目配せ合うと、くすりと笑った。
「あんた変わった人間だな。いいさ。その言葉信じてやるよ。ほら、大切な物なんだろ?」
「……ありがとう。」
淡島は彩乃に友人帳を渡すと、それを受け取った彩乃はとても嬉しそうに友人帳を胸に抱き締めた。
「――あ。」
「ん?何だ?どうした?」
突然声を漏らした彩乃に、先生は声を掛ける。
(――そういえば昔、同じように怪我をした鼬を助けたことがあったような……まさか……)
「――イタチさん?」
「……っ!」
彩乃がぽつりと呟いた言葉に、イタクが異常なほど過敏に反応したのを、彩乃は見逃さなかった。
「……やっぱり……イタクはあの時のイタチさんなんだね?」
「……やっと思い出したか。」
「あっ……」
漸くイタクのことを思い出した彩乃に、イタクは嬉しそうに鼻をヒクヒクさせるのだった。
その喜んでくれている様子に、彩乃も嬉しくなる。
――これは今から四年前の、イタクと彩乃の出会った頃の物語。
「イタク……」
「お前がそこまで言うなんてな……おいあんた。この友人帳をあんたはどうする気なんだ?」
イタクが庇ってくれたからか、淡島達の纏う張り詰めた空気が少しだけ和らいだ。
それに彩乃は安堵し、自分の気持ちを素直に話すことにした。
「友人帳は……私の祖母、夏目レイコさんが作ったものなの。友人帳にはレイコさんの友人になった妖達の名が綴られてる……だから私は、友人帳に綴られた名を全て返したい。」
「それがあんたに何の得があるんだよ?」
「確かに。私に良いことなんてないかも。……でもね、優しい祖母の友人達の大切な名を、私はやっぱり返したいんだ。損得の問題じゃない。私がそうしたいの。それにこれは、私にとってもたった一つの祖母の遺品だから……」
「「……」」
友人帳を大切そうに見つめる彩乃の目は、曇りのない澄んだ色をしていた。
その目を見た淡島達は互いに目配せ合うと、くすりと笑った。
「あんた変わった人間だな。いいさ。その言葉信じてやるよ。ほら、大切な物なんだろ?」
「……ありがとう。」
淡島は彩乃に友人帳を渡すと、それを受け取った彩乃はとても嬉しそうに友人帳を胸に抱き締めた。
「――あ。」
「ん?何だ?どうした?」
突然声を漏らした彩乃に、先生は声を掛ける。
(――そういえば昔、同じように怪我をした鼬を助けたことがあったような……まさか……)
「――イタチさん?」
「……っ!」
彩乃がぽつりと呟いた言葉に、イタクが異常なほど過敏に反応したのを、彩乃は見逃さなかった。
「……やっぱり……イタクはあの時のイタチさんなんだね?」
「……やっと思い出したか。」
「あっ……」
漸くイタクのことを思い出した彩乃に、イタクは嬉しそうに鼻をヒクヒクさせるのだった。
その喜んでくれている様子に、彩乃も嬉しくなる。
――これは今から四年前の、イタクと彩乃の出会った頃の物語。