第13章「林間学校編」
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「ここ、何処だろう……」
突然見知らぬ森に迷い込んでしまった彩乃。
妖怪から逃げ切れたのは良かったが、自分がどうしてこんな所にいるのかわからずに焦っていた。
「――こんな時、ニャンコ先生がいてくれたら……」
「呼んだか?」
「え?」
ここにいる筈のないニャンコ先生の声がして、彩乃は思わず声のした後ろを振り返る。
すると彩乃の背負っているリュックからひょっこりと顔を出してこちらを見ているニャンコ先生と目が合った。
「ニャ……ニャンコ先生!?何でリュックの中に!?お留守番してた筈じゃ……」
「阿呆。私は用心棒だぞ。何処だろうと着いていくのが当然だろうが。」
「先生……」
「ところで彩乃。夕飯はバーベキューなんだろ?肉はまだか?」
「……」
折角ちょっと感動していたのに、先生のお約束とも言える食い意地の張った言葉に、彩乃の気持ちは妙に冷めていった。
「……はあ、まあいいや。ところで先生。ここ何処だかわかる?突然風景が変わってしまって……やっぱりこれって妖の仕業よね?」
「むう?ここは……」
「お前等、侵入者か?」
「「!!」」
頭上から自分達以外の声がして、彩乃はハッとして上を見上げた。
するとそこには木の上から自分と歳の近そうな少年がこちらを睨み付けるような鋭い眼差しで見つめていた。
その少年は、彩乃と目が合った瞬間何故か顔色を変えた。
「……っ、お前……彩乃か?」
「――え。」
「――知り合いか?」
「ううん、そんな筈は……」
「――覚えてないのか?」
「あなた……何処かで会ったことあるの?」
自分の名前を知っていた少年に彩乃が驚いて尋ねると、少年は一瞬だけ寂しそうに目を細めるが、すぐにまた険しい表情へと戻った。
「人間のお前が何でこんな所にいる。ここは俺たち遠野妖怪の隠れ里だぞ。」
「……隠れ里?」
「ふむ。やはりそうか……久しぶりだったから一瞬わからなかったぞ。」
「先生、ここが何処か知ってるの?」
「ああ。ここは赤河童が治める遠野妖怪の隠れ里だ。昔、一度だけ来たことがある。」
何処か懐かしそうに目を細めるニャンコ先生。
それに少年は怪訝そうに眉をひそめた。
「お前……何者だ?そんなちんちくりんなナリをしているが、妖力は相当なもんだろ。」
「ほう?この私のプリティな見た目に騙されず、ちゃんと本質を見抜くとは……小僧中々やるな。」
「……てめぇ嘗めてんのか?」
強い者と言われて機嫌良さげに少年を誉めたニャンコ先生だったが、「小僧」と言われたのが気に食わなかったのか、少年はギロリと鋭い視線で睨み付けてきた。
険悪な空気を感じ取った彩乃は、慌てて二人の間に割って入った。
「ね、ねぇ、あなた私のこと知ってるみたいだけど、何処かで会ったことあるの?あなた妖……よね?名前は?」
「……イタクだ。」
「イタク……」
(……やっぱり、聞いたことないな……そもそもあの頃は妖と関わろうなんてしなかったから、知り合いになるような妖なんていなかったと思うけど……)
そっぽを向いてどこか拗ねたように名前を告げたイタクという少年。
だけど彩乃は名前を聞いても、どうしても彼のことを思い出すことが出来なかった。
突然見知らぬ森に迷い込んでしまった彩乃。
妖怪から逃げ切れたのは良かったが、自分がどうしてこんな所にいるのかわからずに焦っていた。
「――こんな時、ニャンコ先生がいてくれたら……」
「呼んだか?」
「え?」
ここにいる筈のないニャンコ先生の声がして、彩乃は思わず声のした後ろを振り返る。
すると彩乃の背負っているリュックからひょっこりと顔を出してこちらを見ているニャンコ先生と目が合った。
「ニャ……ニャンコ先生!?何でリュックの中に!?お留守番してた筈じゃ……」
「阿呆。私は用心棒だぞ。何処だろうと着いていくのが当然だろうが。」
「先生……」
「ところで彩乃。夕飯はバーベキューなんだろ?肉はまだか?」
「……」
折角ちょっと感動していたのに、先生のお約束とも言える食い意地の張った言葉に、彩乃の気持ちは妙に冷めていった。
「……はあ、まあいいや。ところで先生。ここ何処だかわかる?突然風景が変わってしまって……やっぱりこれって妖の仕業よね?」
「むう?ここは……」
「お前等、侵入者か?」
「「!!」」
頭上から自分達以外の声がして、彩乃はハッとして上を見上げた。
するとそこには木の上から自分と歳の近そうな少年がこちらを睨み付けるような鋭い眼差しで見つめていた。
その少年は、彩乃と目が合った瞬間何故か顔色を変えた。
「……っ、お前……彩乃か?」
「――え。」
「――知り合いか?」
「ううん、そんな筈は……」
「――覚えてないのか?」
「あなた……何処かで会ったことあるの?」
自分の名前を知っていた少年に彩乃が驚いて尋ねると、少年は一瞬だけ寂しそうに目を細めるが、すぐにまた険しい表情へと戻った。
「人間のお前が何でこんな所にいる。ここは俺たち遠野妖怪の隠れ里だぞ。」
「……隠れ里?」
「ふむ。やはりそうか……久しぶりだったから一瞬わからなかったぞ。」
「先生、ここが何処か知ってるの?」
「ああ。ここは赤河童が治める遠野妖怪の隠れ里だ。昔、一度だけ来たことがある。」
何処か懐かしそうに目を細めるニャンコ先生。
それに少年は怪訝そうに眉をひそめた。
「お前……何者だ?そんなちんちくりんなナリをしているが、妖力は相当なもんだろ。」
「ほう?この私のプリティな見た目に騙されず、ちゃんと本質を見抜くとは……小僧中々やるな。」
「……てめぇ嘗めてんのか?」
強い者と言われて機嫌良さげに少年を誉めたニャンコ先生だったが、「小僧」と言われたのが気に食わなかったのか、少年はギロリと鋭い視線で睨み付けてきた。
険悪な空気を感じ取った彩乃は、慌てて二人の間に割って入った。
「ね、ねぇ、あなた私のこと知ってるみたいだけど、何処かで会ったことあるの?あなた妖……よね?名前は?」
「……イタクだ。」
「イタク……」
(……やっぱり、聞いたことないな……そもそもあの頃は妖と関わろうなんてしなかったから、知り合いになるような妖なんていなかったと思うけど……)
そっぽを向いてどこか拗ねたように名前を告げたイタクという少年。
だけど彩乃は名前を聞いても、どうしても彼のことを思い出すことが出来なかった。