第12章「月分祭編」
夢小説設定
ご利用の端末、あるいはブラウザ設定では夢小説機能をご利用になることができません。
古いスマートフォン端末や、一部ブラウザのプライベートブラウジング機能をご利用の際は、機能に制限が掛かることがございます。
それは彩乃とニャンコ先生がまったりと自分の時間を過ごしていた休日のことだった。
ズッ……ズズ……
「ん?何の音だろ?さっきから何か引きずるような……」
「ぷーぷー」
彩乃が自室で勉強をし、その側ではニャンコ先生が花提灯を出しながら気持ち良さそうに眠っている。
そんな穏やかな時間を過ごしていた時、部屋の近くで奇妙な音が聞こえて、彩乃は音のする方に視線を向けた。
ズッ……ズズ……
「こ、こ、ここ。こ……こ……」
「…………うわぁーーーーっっ!!??」
「……む?」
そこには部屋の壁に髭を生やしたおじいさんのような顔があった。
顔は下から上へと壁を移動し、呻き声を上げていた。
突然の妖怪の登場に、彩乃は思わず大声を上げ、それにニャンコ先生は目を覚ましたのだった。
――相変わらず、心臓に悪い日々。
「全く、最近は妖が入り放題じゃない。ニャンコ先生。」
「自業自得だ。阿呆め。お前が構うから噂が広がり、一目見ようと面白がってやって来るのも増えてきた。全く割りにあわん!もっと饅頭寄越せ!!」
「思わず饅頭でもお供えしたくなるくらい仕事してから言ってよね。」
「あっ!雀だ。捕まえるぞ彩乃!!」
「あっ、ちょっと!……逃げたな。」
気晴らしの散歩で草原にやって来た彩乃とニャンコ先生。
話が面倒くさいことになった途端、逃げるように何処かへと行ってしまったニャンコ先生に、彩乃は呆れながら草むらに座り込んだ。
サワサワ
「……いい天気。こんなにのんびりしたのは久しぶりかも……ふぁ~……」
心地よい風が頬を撫で、彩乃は思わず寝転んだ。
――最近は妖怪絡みの事件に巻き込まれ続けたせいで、こんな風に穏やかな時間は久しぶりだ。
(……だけど、本当に最近は妖に遭遇する機会が増えたな……)
友人帳を譲り受けた時から妖と関わる覚悟はしていたが、何度も命の危険に晒されるような危ない目にも合ってきた。
(……名取さんかゆらちゃんに護身術のようなものを教えて貰おうか……)
「――いや、妖払いを好意的に見れないくせに、それは身勝手よね……」
名取さんもゆらちゃんも、お仕事で妖を倒したり、封印しているだけで、それは人間からしたら悪いことじゃない。だけど……
「おい、あれだ。」
「おお、本当だ。あれがきっと夏目様だ。」
「どうする?」
「どうするも何も兎に角話を聞いて頂こう。」
「しかし話を聞いてくださるか。」
「それもそうだな。――よし、では……捕まえよう。」
「――!?」
ウトウトとうたた寝をしていた彩乃の耳に物騒な妖の話し声が聞こえてきた。
慌てて起き上がると、茂みの向こう側から何かが近づいてくる。
「おりゃー!」
「ちょっと待って!話くらいなら聞くから落ち着いて……」
「夏目様お覚悟ー!!」
「お覚悟ー!」
「お覚悟ー!!」
「わーっ!!思ったよりも多いー!!」
「夏目様、お覚悟をーー!!」
「わーっ!ニャンコ先生ーー!!」
「夏目様お待ちをー!お願いしたいことがあるのですーー!!」
「わーわー!!」
その白い妖達は彩乃を追いかけ回し、それに彩乃は本能で兎に角逃げ回り、それを見つけたニャンコ先生に助けてもらうまで追いかけっこは続いたのであった。
ズッ……ズズ……
「ん?何の音だろ?さっきから何か引きずるような……」
「ぷーぷー」
彩乃が自室で勉強をし、その側ではニャンコ先生が花提灯を出しながら気持ち良さそうに眠っている。
そんな穏やかな時間を過ごしていた時、部屋の近くで奇妙な音が聞こえて、彩乃は音のする方に視線を向けた。
ズッ……ズズ……
「こ、こ、ここ。こ……こ……」
「…………うわぁーーーーっっ!!??」
「……む?」
そこには部屋の壁に髭を生やしたおじいさんのような顔があった。
顔は下から上へと壁を移動し、呻き声を上げていた。
突然の妖怪の登場に、彩乃は思わず大声を上げ、それにニャンコ先生は目を覚ましたのだった。
――相変わらず、心臓に悪い日々。
「全く、最近は妖が入り放題じゃない。ニャンコ先生。」
「自業自得だ。阿呆め。お前が構うから噂が広がり、一目見ようと面白がってやって来るのも増えてきた。全く割りにあわん!もっと饅頭寄越せ!!」
「思わず饅頭でもお供えしたくなるくらい仕事してから言ってよね。」
「あっ!雀だ。捕まえるぞ彩乃!!」
「あっ、ちょっと!……逃げたな。」
気晴らしの散歩で草原にやって来た彩乃とニャンコ先生。
話が面倒くさいことになった途端、逃げるように何処かへと行ってしまったニャンコ先生に、彩乃は呆れながら草むらに座り込んだ。
サワサワ
「……いい天気。こんなにのんびりしたのは久しぶりかも……ふぁ~……」
心地よい風が頬を撫で、彩乃は思わず寝転んだ。
――最近は妖怪絡みの事件に巻き込まれ続けたせいで、こんな風に穏やかな時間は久しぶりだ。
(……だけど、本当に最近は妖に遭遇する機会が増えたな……)
友人帳を譲り受けた時から妖と関わる覚悟はしていたが、何度も命の危険に晒されるような危ない目にも合ってきた。
(……名取さんかゆらちゃんに護身術のようなものを教えて貰おうか……)
「――いや、妖払いを好意的に見れないくせに、それは身勝手よね……」
名取さんもゆらちゃんも、お仕事で妖を倒したり、封印しているだけで、それは人間からしたら悪いことじゃない。だけど……
「おい、あれだ。」
「おお、本当だ。あれがきっと夏目様だ。」
「どうする?」
「どうするも何も兎に角話を聞いて頂こう。」
「しかし話を聞いてくださるか。」
「それもそうだな。――よし、では……捕まえよう。」
「――!?」
ウトウトとうたた寝をしていた彩乃の耳に物騒な妖の話し声が聞こえてきた。
慌てて起き上がると、茂みの向こう側から何かが近づいてくる。
「おりゃー!」
「ちょっと待って!話くらいなら聞くから落ち着いて……」
「夏目様お覚悟ー!!」
「お覚悟ー!」
「お覚悟ー!!」
「わーっ!!思ったよりも多いー!!」
「夏目様、お覚悟をーー!!」
「わーっ!ニャンコ先生ーー!!」
「夏目様お待ちをー!お願いしたいことがあるのですーー!!」
「わーわー!!」
その白い妖達は彩乃を追いかけ回し、それに彩乃は本能で兎に角逃げ回り、それを見つけたニャンコ先生に助けてもらうまで追いかけっこは続いたのであった。