第11章「ツユカミ編」
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彩乃達は、ツユカミの案内で三ノ塚の山にやって来た。
用心のために丸い鏡を持っていけと言うツユカミの言葉に従ってポケットには手鏡も入っている。
「――いないなぁ。本当にここ辺りで見たの?」
「ああ。声をかけたら逃げて行ったが、まだそう遠くへは行っていまい。」
「いっそ、二手に別れますか?」
「待て!……何か来るぞ。やばいのが来る。」
「ええっ!そんなのに構ってたらキュウ太郎に逃げられちゃう……ニャンコ先生、頼める?」
「喰ってもいいなら。」
「駄目。」
「気を付けろ。キュウ太郎は影を伝って移動する。だから木陰の多い山に住んでいる。」
その時、何かざわりと良くない気配がして、彩乃は後ろを振り返った。
「まいりました。」
「……」
「まいりました。」
「……っ!?」
真っ暗な木陰の先に何かが見えて、目を凝らすと、それはゆっくりとこちらに近づいてきた。
ほっそりとした体に大きな顔。胸に「参」の文字が書かれたその妖怪を見て、彩乃はぞくりと背筋に寒気を感じた。
「彩乃、木陰から出ろ!こいつは強力な力を持つお前を喰おうとしている!!」
「こ……これがキュウ太郎!?」
「そう。あいつ!」
「全然似てないよ!!」
「早く彩乃ちゃん!」
明らかにやばい感じのするその妖怪に、彩乃達が逃げようとすると、キュウ太郎は影をするりと移動し、彩乃達の目の前に現れた。
「「!!」」
「……っ、呪いの吹雪・風声鶴麗!!」
ビュオオオ!!カキーン!
「氷麗ちゃん!」
「今のうちに逃げて下さい!!こいつは私が……!」
氷麗の吹雪でキュウ太郎は凍りついたかに見えた。
しかし、氷麗の攻撃をするりとかわし、キュウ太郎は逃げようとする彩乃の足首を掴んで転ばせた。
ズターン!
「いったあー!」
「「彩乃ちゃん(さん)!!」」
「……っ!」
「彩乃!!ぎゃ!!」
「先生!!」
彩乃を助けようと駆け寄ろうとした先生をキュウ太郎は大きな手で弾き飛ばし、彩乃の体を両手で掴み上げた。
「わ、あっ!!」
「彩乃ちゃん!!」
側にいるリクオなどに目をくれず、彩乃を捕らえたキュウ太郎はギリギリと彩乃の体を強い力で締め上げる。
「う……あ……」
「やめろ!!」
このまま握り潰されそうになっていると、リクオに変化が起きた。
「……な……んで……」
「そいつを今すぐ放せ。じゃねぇとその腕ごとたたっ斬るぞ。」
苦しげに彩乃が見つめる先には、何故か昼間なのに妖怪の姿に変化したリクオだった。
(どうして?だって……リクオ君は夜にしか変化出来ない筈じゃ……)
「下がれ!!」
カッ!!
「ぎゃあっ!!」
彩乃が疑問に思っている間に本来の姿に戻った斑がキュウ太郎に退魔の光を浴びせる。
するとキュウ太郎の力が緩み、その隙に彩乃は慌てて逃げ出したのだった。
用心のために丸い鏡を持っていけと言うツユカミの言葉に従ってポケットには手鏡も入っている。
「――いないなぁ。本当にここ辺りで見たの?」
「ああ。声をかけたら逃げて行ったが、まだそう遠くへは行っていまい。」
「いっそ、二手に別れますか?」
「待て!……何か来るぞ。やばいのが来る。」
「ええっ!そんなのに構ってたらキュウ太郎に逃げられちゃう……ニャンコ先生、頼める?」
「喰ってもいいなら。」
「駄目。」
「気を付けろ。キュウ太郎は影を伝って移動する。だから木陰の多い山に住んでいる。」
その時、何かざわりと良くない気配がして、彩乃は後ろを振り返った。
「まいりました。」
「……」
「まいりました。」
「……っ!?」
真っ暗な木陰の先に何かが見えて、目を凝らすと、それはゆっくりとこちらに近づいてきた。
ほっそりとした体に大きな顔。胸に「参」の文字が書かれたその妖怪を見て、彩乃はぞくりと背筋に寒気を感じた。
「彩乃、木陰から出ろ!こいつは強力な力を持つお前を喰おうとしている!!」
「こ……これがキュウ太郎!?」
「そう。あいつ!」
「全然似てないよ!!」
「早く彩乃ちゃん!」
明らかにやばい感じのするその妖怪に、彩乃達が逃げようとすると、キュウ太郎は影をするりと移動し、彩乃達の目の前に現れた。
「「!!」」
「……っ、呪いの吹雪・風声鶴麗!!」
ビュオオオ!!カキーン!
「氷麗ちゃん!」
「今のうちに逃げて下さい!!こいつは私が……!」
氷麗の吹雪でキュウ太郎は凍りついたかに見えた。
しかし、氷麗の攻撃をするりとかわし、キュウ太郎は逃げようとする彩乃の足首を掴んで転ばせた。
ズターン!
「いったあー!」
「「彩乃ちゃん(さん)!!」」
「……っ!」
「彩乃!!ぎゃ!!」
「先生!!」
彩乃を助けようと駆け寄ろうとした先生をキュウ太郎は大きな手で弾き飛ばし、彩乃の体を両手で掴み上げた。
「わ、あっ!!」
「彩乃ちゃん!!」
側にいるリクオなどに目をくれず、彩乃を捕らえたキュウ太郎はギリギリと彩乃の体を強い力で締め上げる。
「う……あ……」
「やめろ!!」
このまま握り潰されそうになっていると、リクオに変化が起きた。
「……な……んで……」
「そいつを今すぐ放せ。じゃねぇとその腕ごとたたっ斬るぞ。」
苦しげに彩乃が見つめる先には、何故か昼間なのに妖怪の姿に変化したリクオだった。
(どうして?だって……リクオ君は夜にしか変化出来ない筈じゃ……)
「下がれ!!」
カッ!!
「ぎゃあっ!!」
彩乃が疑問に思っている間に本来の姿に戻った斑がキュウ太郎に退魔の光を浴びせる。
するとキュウ太郎の力が緩み、その隙に彩乃は慌てて逃げ出したのだった。