第11章「ツユカミ編」
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キーンコーンカーンコーン
「――よし、今日もキュウ太郎を探そう!」
「今日で一週間か。いい加減飽きてきたぞ。」
「見つかるまで捜索続けるよ。」
「えー!」
「彩乃ちゃん!」
「?……あっ、リクオ君と氷麗ちゃん!」
放課後を知らせるチャイムが鳴ると同時に教室を飛び出した彩乃。
そんな彩乃とニャンコ先生に慌てて声を掛けてきたのはリクオと氷麗の二人だった。
「二人共、そんなに慌ててどうしたの?何かあった?」
「何かあったのは彩乃ちゃんの方でしょ!?」
「え?私!?」
突然リクオに怒られて、彩乃はきょとりと目を丸くする。
それにリクオは呆れたようにため息をついた。
「……はあ、彩乃ちゃん、ここ数日三ノ塚の森で何か探してるでしょ?黒羽丸から報告があったんだ。それに一週間前にも変な行動を取ってたみたいだし……また厄介事に巻き込まれたんじゃないの?」
「リクオ君、それを言いにわざわざ来てくれたの?心配して?」
「当たり前だよ!」
「!」
怒ったように声を荒らげるリクオ。
リクオにこんな風に怒られるのは初めてで、彩乃は驚いて目を見開く。
「前に困った事があったら僕を頼ってて言ったじゃないか!どうして一人で無茶しようとするんだよ!そんなに僕等は頼り無い?」
「……リクオ君……」
「……あっ!」
何故自分に話してくれないのか。
一人で解決しようとするのか。
彩乃が自分を頼りにしてくれず、一人で無茶をするのが心配で、ショックだった。
そんな彩乃に対する不満な気持ちが爆発したリクオは、思わず彩乃に本音をぶつけてしまう。
言ってしまった後に我に返ったリクオは、青ざめた顔で口を押さえた。
しかし、一度口にしてしまった言葉はもう取り消すことはできない。
「……ごめん。心配かけたよね。」
「あ、あの……」
しゅんと落ち込んだように項垂れる彩乃にリクオは慌てるが、何を言えばいいのか言葉が見つからない。
「……あまり、リクオ君にばかり頼るのは良くないと思ったの。」
「!?」
「いつも困った時助けてもらってばかりだから、成るべく自分の力で出来ることは自分の力で解決しなきゃと思って……誰かに頼るのは昔から苦手で、どういう時に頼ればいいのかわからないの。私が誰かに甘えると言うことは、その人に迷惑を掛けるということだから。逆に頼らないことで誰かに迷惑を掛けたり、心配させたり、傷つけてしまうことになるなんて、知らなかったの。……それに、もしもまた私のせいで巻き込んで怪我でもさせたりしたらと思うと怖くて……ごめんね。リクオ君、氷麗ちゃん。」
「「……彩乃ちゃん(さん)……」」
頭を下げて二人に謝る彩乃。
リクオと氷麗は初めて聞いた彩乃の本音に困ったように苦笑した。
「……彩乃ちゃんの気持ちはわかったよ。僕も怒鳴ってごめん。彩乃ちゃんが自分のことを自分でとうにかしたいって気持ちもわかる。誰かを巻き込むのが怖いっていう君の優しさに気付けなくてごめん。」
「ううん。私の方こそ、成るべくリクオ君達にはちゃんと相談するって言われてたのに……本当に困った事態になるまでは話せなくて……」
「「……」」
「えーと、お二人共お互いに謝ったので、これでこの話は終わりにしませんか?」
お互いに謝っては無言で気まずそうに見つめ合うリクオと彩乃。
それになんとかこの気まずい空気を変えようと氷麗が動いた。
「……そうだね。彩乃ちゃん、ここ数日、何があったのか話してくれる?」
「うん、もちろんだよ。」
そして彩乃は田沼と多軌を巻き込んだ鏡の欠片事件からツユカミの事までを二人に話したのであった。
「――よし、今日もキュウ太郎を探そう!」
「今日で一週間か。いい加減飽きてきたぞ。」
「見つかるまで捜索続けるよ。」
「えー!」
「彩乃ちゃん!」
「?……あっ、リクオ君と氷麗ちゃん!」
放課後を知らせるチャイムが鳴ると同時に教室を飛び出した彩乃。
そんな彩乃とニャンコ先生に慌てて声を掛けてきたのはリクオと氷麗の二人だった。
「二人共、そんなに慌ててどうしたの?何かあった?」
「何かあったのは彩乃ちゃんの方でしょ!?」
「え?私!?」
突然リクオに怒られて、彩乃はきょとりと目を丸くする。
それにリクオは呆れたようにため息をついた。
「……はあ、彩乃ちゃん、ここ数日三ノ塚の森で何か探してるでしょ?黒羽丸から報告があったんだ。それに一週間前にも変な行動を取ってたみたいだし……また厄介事に巻き込まれたんじゃないの?」
「リクオ君、それを言いにわざわざ来てくれたの?心配して?」
「当たり前だよ!」
「!」
怒ったように声を荒らげるリクオ。
リクオにこんな風に怒られるのは初めてで、彩乃は驚いて目を見開く。
「前に困った事があったら僕を頼ってて言ったじゃないか!どうして一人で無茶しようとするんだよ!そんなに僕等は頼り無い?」
「……リクオ君……」
「……あっ!」
何故自分に話してくれないのか。
一人で解決しようとするのか。
彩乃が自分を頼りにしてくれず、一人で無茶をするのが心配で、ショックだった。
そんな彩乃に対する不満な気持ちが爆発したリクオは、思わず彩乃に本音をぶつけてしまう。
言ってしまった後に我に返ったリクオは、青ざめた顔で口を押さえた。
しかし、一度口にしてしまった言葉はもう取り消すことはできない。
「……ごめん。心配かけたよね。」
「あ、あの……」
しゅんと落ち込んだように項垂れる彩乃にリクオは慌てるが、何を言えばいいのか言葉が見つからない。
「……あまり、リクオ君にばかり頼るのは良くないと思ったの。」
「!?」
「いつも困った時助けてもらってばかりだから、成るべく自分の力で出来ることは自分の力で解決しなきゃと思って……誰かに頼るのは昔から苦手で、どういう時に頼ればいいのかわからないの。私が誰かに甘えると言うことは、その人に迷惑を掛けるということだから。逆に頼らないことで誰かに迷惑を掛けたり、心配させたり、傷つけてしまうことになるなんて、知らなかったの。……それに、もしもまた私のせいで巻き込んで怪我でもさせたりしたらと思うと怖くて……ごめんね。リクオ君、氷麗ちゃん。」
「「……彩乃ちゃん(さん)……」」
頭を下げて二人に謝る彩乃。
リクオと氷麗は初めて聞いた彩乃の本音に困ったように苦笑した。
「……彩乃ちゃんの気持ちはわかったよ。僕も怒鳴ってごめん。彩乃ちゃんが自分のことを自分でとうにかしたいって気持ちもわかる。誰かを巻き込むのが怖いっていう君の優しさに気付けなくてごめん。」
「ううん。私の方こそ、成るべくリクオ君達にはちゃんと相談するって言われてたのに……本当に困った事態になるまでは話せなくて……」
「「……」」
「えーと、お二人共お互いに謝ったので、これでこの話は終わりにしませんか?」
お互いに謝っては無言で気まずそうに見つめ合うリクオと彩乃。
それになんとかこの気まずい空気を変えようと氷麗が動いた。
「……そうだね。彩乃ちゃん、ここ数日、何があったのか話してくれる?」
「うん、もちろんだよ。」
そして彩乃は田沼と多軌を巻き込んだ鏡の欠片事件からツユカミの事までを二人に話したのであった。