第11章「ツユカミ編」
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「――わかった。報告ありがとう。」
「はい。」
そう返事をすると、黒羽丸はリクオに一礼してまた町の巡回に戻っていった。
「……」
「リクオ様、どうかされましたか?」
「氷麗……ちょっとね、これ。」
「?、これは……」
そう言ってリクオが氷麗に見せたのは先程黒羽丸がリクオに渡した報告書だった。
達筆な時で書かれたその内容には、「夏目彩乃、近頃では三ノ塚に頻繁に立入る。」と書かれていた。
「最近彩乃ちゃんは三ノ塚という森である妖怪を探しているらしいんだ。」
「ある妖怪?」
「詳しくはわからないけど、この前の事といい、また何か厄介事に巻き込まれてるんだと思う。」
「……結局、あの日は彩乃さんとは擦れ違いで、お会いできませんでしたしね。」
「……うん。何故かプールで目撃されてたし、余計なお節介かもしれないけど、心配で黒羽丸に彩乃ちゃんのここ最近の行動を調べてもらったんだ。」
そう話すリクオの表情はとても暗かった。
リクオはここ最近……というよりも、あの温泉旅行から何故か元気がなかった。
尋ねてもそんなことはないと誤魔化してしまうので、氷麗も他の側近達もどうすることもできずにいた。
「明日、彩乃ちゃんに会いに行こうと思う。」
「そうですね。その方が宜しいかと。」
氷麗が同意して頷くと、リクオはフウッとどこか疲れたようにため息をついた。
「……ねえ、氷麗……」
「はい。」
「……やっぱり何でもない……」
「ええっ!」
リクオは何か言い掛けると、何故か途中で話すのを止めてしまった。
声を上げて戸惑う氷麗に誤魔化すように笑うと、リクオは言った。
「何でもない。それより、お茶入れてくれない?」
「あ、はい。只今!」
「あ、でも氷麗だと氷水に……」
「ええっ!ちゃ、ちゃんとお茶くらい入れられますよ!あ、熱くはないですけど……」
「やっぱり冷たいお茶なんだ?」
「うう、リクオ様意地悪です。」
「氷麗は雪女だから熱いのは無理だよね」と笑うリクオ。
そんなやり取りのせいで、氷麗はすっかりリクオから話を逸らされてしまったのだった。
「はい。」
そう返事をすると、黒羽丸はリクオに一礼してまた町の巡回に戻っていった。
「……」
「リクオ様、どうかされましたか?」
「氷麗……ちょっとね、これ。」
「?、これは……」
そう言ってリクオが氷麗に見せたのは先程黒羽丸がリクオに渡した報告書だった。
達筆な時で書かれたその内容には、「夏目彩乃、近頃では三ノ塚に頻繁に立入る。」と書かれていた。
「最近彩乃ちゃんは三ノ塚という森である妖怪を探しているらしいんだ。」
「ある妖怪?」
「詳しくはわからないけど、この前の事といい、また何か厄介事に巻き込まれてるんだと思う。」
「……結局、あの日は彩乃さんとは擦れ違いで、お会いできませんでしたしね。」
「……うん。何故かプールで目撃されてたし、余計なお節介かもしれないけど、心配で黒羽丸に彩乃ちゃんのここ最近の行動を調べてもらったんだ。」
そう話すリクオの表情はとても暗かった。
リクオはここ最近……というよりも、あの温泉旅行から何故か元気がなかった。
尋ねてもそんなことはないと誤魔化してしまうので、氷麗も他の側近達もどうすることもできずにいた。
「明日、彩乃ちゃんに会いに行こうと思う。」
「そうですね。その方が宜しいかと。」
氷麗が同意して頷くと、リクオはフウッとどこか疲れたようにため息をついた。
「……ねえ、氷麗……」
「はい。」
「……やっぱり何でもない……」
「ええっ!」
リクオは何か言い掛けると、何故か途中で話すのを止めてしまった。
声を上げて戸惑う氷麗に誤魔化すように笑うと、リクオは言った。
「何でもない。それより、お茶入れてくれない?」
「あ、はい。只今!」
「あ、でも氷麗だと氷水に……」
「ええっ!ちゃ、ちゃんとお茶くらい入れられますよ!あ、熱くはないですけど……」
「やっぱり冷たいお茶なんだ?」
「うう、リクオ様意地悪です。」
「氷麗は雪女だから熱いのは無理だよね」と笑うリクオ。
そんなやり取りのせいで、氷麗はすっかりリクオから話を逸らされてしまったのだった。