第11章「ツユカミ編」
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「――さて、探さなければならないもう一匹だが……レイコに破れた私は、次に名を奪われた妖怪の噂を聞いて顔を見に行ったことがある。それがこいつだ。」
「これって……」
そう言ってツユカミが見せたのは、彼が描いた『次』の妖怪の似顔絵だった。
それを見た彩乃とニャンコ先生は固まる。
「名は忘れたがこんな奴だったな。」
「……毛はなかったの?」
「毛はなかったの。」
「これ、当てにしていいの?」
「これしか当てにできないの。」
「「……」」
無言でツユカミの絵を見つめる彩乃。
そしてそれを同じく無言で見守るツユカミ。
(……私も人のこと言えるレベルじゃないけど……超下手くそ!)
細長い体にたらこ唇。真ん中には「参」という文字が書かれたその妖怪の絵は、例えるならお化けのキュウ太郎に似た姿をしていた。
「……何か魚みたいな妖だね。で、こいつは何処の沼に住んでるの?」
「いや、そいつは水妖怪ではないぞ。三ノ塚という山に住んでおる。」
「……ぷ、このなりで山育ちって……」
「ぶひゃひゃひゃ!!」
「お前さん達……」
腹を抱えて笑う彩乃達を、ツユカミは呆れたように見つめていたとかいないとか。
そしてその日から三ノ塚でのキュウ太郎(仮)探しが始まった。
何日も何日も学校帰りに三ノ塚まで足を運んでは妖怪達に聞き込みをする毎日。
しかし、思う程中々情報は集まらず、彩乃は疲労だけが溜まっていった。
「彩乃ちゃん、彩乃ちゃん。」
「……また寝てるのか?」
「最近授業中にもよく寝てるし、また何か妖関係の事件にでも巻き込まれてるのかしら?」
放課後になっても机にうつ伏せになって眠る彩乃を心配そうに見つめる多軌に田沼。
少し前に鏡の欠片集めでも妖に苦労させられた田沼は多軌の言葉に目を細めた。
「……そうかもしれないな。だけど、夏目はきっと、よほど困った状況にでもならない限り誰かを頼ったりはしないんだろうな。」
「……私達も最初の頃はそうだったわね。何だか私達って、少しそういう人付き合いが不器用な処は似てしまっているみたい。」
「……ああ。」
スヤスヤと眠る彩乃を見つめながら、多軌と田沼は苦笑する。
結局、誰かに迷惑を掛けるのが嫌なあまり、誰かを頼ることが出来ないのは、三人とも同じらしい。
「これって……」
そう言ってツユカミが見せたのは、彼が描いた『次』の妖怪の似顔絵だった。
それを見た彩乃とニャンコ先生は固まる。
「名は忘れたがこんな奴だったな。」
「……毛はなかったの?」
「毛はなかったの。」
「これ、当てにしていいの?」
「これしか当てにできないの。」
「「……」」
無言でツユカミの絵を見つめる彩乃。
そしてそれを同じく無言で見守るツユカミ。
(……私も人のこと言えるレベルじゃないけど……超下手くそ!)
細長い体にたらこ唇。真ん中には「参」という文字が書かれたその妖怪の絵は、例えるならお化けのキュウ太郎に似た姿をしていた。
「……何か魚みたいな妖だね。で、こいつは何処の沼に住んでるの?」
「いや、そいつは水妖怪ではないぞ。三ノ塚という山に住んでおる。」
「……ぷ、このなりで山育ちって……」
「ぶひゃひゃひゃ!!」
「お前さん達……」
腹を抱えて笑う彩乃達を、ツユカミは呆れたように見つめていたとかいないとか。
そしてその日から三ノ塚でのキュウ太郎(仮)探しが始まった。
何日も何日も学校帰りに三ノ塚まで足を運んでは妖怪達に聞き込みをする毎日。
しかし、思う程中々情報は集まらず、彩乃は疲労だけが溜まっていった。
「彩乃ちゃん、彩乃ちゃん。」
「……また寝てるのか?」
「最近授業中にもよく寝てるし、また何か妖関係の事件にでも巻き込まれてるのかしら?」
放課後になっても机にうつ伏せになって眠る彩乃を心配そうに見つめる多軌に田沼。
少し前に鏡の欠片集めでも妖に苦労させられた田沼は多軌の言葉に目を細めた。
「……そうかもしれないな。だけど、夏目はきっと、よほど困った状況にでもならない限り誰かを頼ったりはしないんだろうな。」
「……私達も最初の頃はそうだったわね。何だか私達って、少しそういう人付き合いが不器用な処は似てしまっているみたい。」
「……ああ。」
スヤスヤと眠る彩乃を見つめながら、多軌と田沼は苦笑する。
結局、誰かに迷惑を掛けるのが嫌なあまり、誰かを頼ることが出来ないのは、三人とも同じらしい。