第11章「ツユカミ編」
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「お食事中驚かして失礼いたした。名を返して貰おうと伺ってな。」
(……ちっちゃい。)
「む、お前ツユカミのじじいじゃないか。」
「知り合いなの?」
「ああ、随分ちっこくなっててわからなかったが……」
「む、その声お前斑か。何だお前さんそのふざけたなりは。」
「うるさいぞじいさん。」
「あはははは」
「……はあ。」
然り気無くお互いの見た目に対して悪口を言い合いながら火花を散らす二人を見て、仲悪いんだなと彩乃はため息をついた。
「ニャンコ先生……斑は、招き猫を依代に封印されてたの。それを私がうっかり解放してしまって……その縁で妖について教えてもらう代わりに死後は友人帳を譲る約束なのよ。」
「ほお。」
「だから成るべく早くイッテおくれよ。彩乃。」
「ボッタクリだね。ニャンコ先生。……始めていいかしら?とっとと。」
彩乃は鞄から友人帳を取り出して、とっとと終わらせて帰ってもらおうと思った。
「我を護りし者よ その名を示せ。」
パラパラパラパラ
ピタッ
「……これか……あれ?」
彩乃が紙を破ろうとすると、触る感触がいつもと違っていて彩乃は首を傾げた。
「あれ?もう一枚くっついてる。……しかも取れない。」
「本当だ。ピッタリくっついてる、こりゃ米つぶだな。」
「え?」
「レイコはずぼらだったからな。飯食いながら弄ったんだろう。」
「……レイコさん……」
呆れたように祖母、レイコの名を呟く彩乃。
「……取り合えずこれ、剥がすね。」
ビビ…ビ…ベリィ
「ぎゃあっっ!!……ム、無理に剥がすなっ!ひ、皮膚がビリビリするぞっっ!!」
「忘れたのか彩乃。紙を破られれば身が裂ける。紙を燃やされれば身が灰になる。だから皆名を返して貰いたがっている。」
「……だって。悪いけど諦めて。」
「薄情だぞ!」
「え~だって……」
「こうなったらひっついてる奴にも同時に名を返すしかないな。」
「うわぁ、面倒くさそう……」
「そんなこと言わずに頑張ってくれぇ!!」
「……わかったよ。」
「よし、今日はもう遅い。続きは明日だ。さあ飲むぞ!」
「!?」
そう言って勝手に人の部屋で宴会を始める二人。
これから宿題をしようと思っていた彩乃は切れた。
「騒ぐなら出てって!この酔いどれ中年妖怪共っっ!!」
ニャンコ先生とツユカミを窓から放り投げ、彩乃は勢いよく窓を閉めたのだった。
(……ちっちゃい。)
「む、お前ツユカミのじじいじゃないか。」
「知り合いなの?」
「ああ、随分ちっこくなっててわからなかったが……」
「む、その声お前斑か。何だお前さんそのふざけたなりは。」
「うるさいぞじいさん。」
「あはははは」
「……はあ。」
然り気無くお互いの見た目に対して悪口を言い合いながら火花を散らす二人を見て、仲悪いんだなと彩乃はため息をついた。
「ニャンコ先生……斑は、招き猫を依代に封印されてたの。それを私がうっかり解放してしまって……その縁で妖について教えてもらう代わりに死後は友人帳を譲る約束なのよ。」
「ほお。」
「だから成るべく早くイッテおくれよ。彩乃。」
「ボッタクリだね。ニャンコ先生。……始めていいかしら?とっとと。」
彩乃は鞄から友人帳を取り出して、とっとと終わらせて帰ってもらおうと思った。
「我を護りし者よ その名を示せ。」
パラパラパラパラ
ピタッ
「……これか……あれ?」
彩乃が紙を破ろうとすると、触る感触がいつもと違っていて彩乃は首を傾げた。
「あれ?もう一枚くっついてる。……しかも取れない。」
「本当だ。ピッタリくっついてる、こりゃ米つぶだな。」
「え?」
「レイコはずぼらだったからな。飯食いながら弄ったんだろう。」
「……レイコさん……」
呆れたように祖母、レイコの名を呟く彩乃。
「……取り合えずこれ、剥がすね。」
ビビ…ビ…ベリィ
「ぎゃあっっ!!……ム、無理に剥がすなっ!ひ、皮膚がビリビリするぞっっ!!」
「忘れたのか彩乃。紙を破られれば身が裂ける。紙を燃やされれば身が灰になる。だから皆名を返して貰いたがっている。」
「……だって。悪いけど諦めて。」
「薄情だぞ!」
「え~だって……」
「こうなったらひっついてる奴にも同時に名を返すしかないな。」
「うわぁ、面倒くさそう……」
「そんなこと言わずに頑張ってくれぇ!!」
「……わかったよ。」
「よし、今日はもう遅い。続きは明日だ。さあ飲むぞ!」
「!?」
そう言って勝手に人の部屋で宴会を始める二人。
これから宿題をしようと思っていた彩乃は切れた。
「騒ぐなら出てって!この酔いどれ中年妖怪共っっ!!」
ニャンコ先生とツユカミを窓から放り投げ、彩乃は勢いよく窓を閉めたのだった。