第10章「映すもの編」
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翌日、田沼君が学校を休んだ。
「おや夏目さん、いらっしゃい。」
「あの……要くんは大丈夫ですか?」
「ああ、お見舞いありがとう。どうも風邪みたいなんだけど、移ると大変だからね。明日は主席出来ると思うから今日は帰りなさい。」
「……はい。お邪魔しました。」
田沼のお見舞いに訪れたのだが、結局会えずに帰された。
「……はあ」
彩乃は思わずため息をついてしまう。
――田沼君は妖の気に当てられやすい。
(昨日、妖に近づいたせいで寝込んでるんじゃないかな……)
もしそうなら私のせいだ。
彩乃は責任を感じてため息を漏らすのだった。
「あまり気にするな彩乃。あいつが軟弱なのであってお前のせいではないだろうが」
「でも、私を庇ってくれたんだもん。用心棒が飲んだくれている間に」
「私からはぐれたお前が悪いのだ阿呆め!」
「何ですってぇ!!」
――翌日――
「あ、田沼君。もう大丈夫?……本当に風邪で?」
「ああ、でもまだ治ってないから暫く近づかない方がいいぞ夏目。」
「え……」
そう言って去って行く田沼に、彩乃は何も言えなくなってしまう。
――次の日――
「田沼君風邪どう?」
「すまん、まだだ。じゃあな。」
「あっ……」
――その翌日――
「あ、田沼君……」
「ごめん夏目、ちょっと先生に呼ばれてて……」
――更に翌日――
「あの、田沼君……」
「ごめん、ちょっと保健室行ってくる!」
「……」
――あれ?
(……最近、田沼君に避けられている気がする……)
ここ数日、田沼と話そうとするとまるで避けるように何処かへと行ってしまう。
お陰で話をしたいのにまともに会話すら出来ない。
(……何か……隠してる?)
田沼君は優しいから、自分に何かあっても余程のことがない限り他人を頼らない。
(……心配だな……)
自分のことは棚に上げて田沼の心配をする彩乃。
結局、その日も田沼とは話が出来なかった。
「おや夏目さん、いらっしゃい。」
「あの……要くんは大丈夫ですか?」
「ああ、お見舞いありがとう。どうも風邪みたいなんだけど、移ると大変だからね。明日は主席出来ると思うから今日は帰りなさい。」
「……はい。お邪魔しました。」
田沼のお見舞いに訪れたのだが、結局会えずに帰された。
「……はあ」
彩乃は思わずため息をついてしまう。
――田沼君は妖の気に当てられやすい。
(昨日、妖に近づいたせいで寝込んでるんじゃないかな……)
もしそうなら私のせいだ。
彩乃は責任を感じてため息を漏らすのだった。
「あまり気にするな彩乃。あいつが軟弱なのであってお前のせいではないだろうが」
「でも、私を庇ってくれたんだもん。用心棒が飲んだくれている間に」
「私からはぐれたお前が悪いのだ阿呆め!」
「何ですってぇ!!」
――翌日――
「あ、田沼君。もう大丈夫?……本当に風邪で?」
「ああ、でもまだ治ってないから暫く近づかない方がいいぞ夏目。」
「え……」
そう言って去って行く田沼に、彩乃は何も言えなくなってしまう。
――次の日――
「田沼君風邪どう?」
「すまん、まだだ。じゃあな。」
「あっ……」
――その翌日――
「あ、田沼君……」
「ごめん夏目、ちょっと先生に呼ばれてて……」
――更に翌日――
「あの、田沼君……」
「ごめん、ちょっと保健室行ってくる!」
「……」
――あれ?
(……最近、田沼君に避けられている気がする……)
ここ数日、田沼と話そうとするとまるで避けるように何処かへと行ってしまう。
お陰で話をしたいのにまともに会話すら出来ない。
(……何か……隠してる?)
田沼君は優しいから、自分に何かあっても余程のことがない限り他人を頼らない。
(……心配だな……)
自分のことは棚に上げて田沼の心配をする彩乃。
結局、その日も田沼とは話が出来なかった。