この眩しくも愛しき世界
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小春日和ってこんな日をいうのかな。
一緒に並んで歩く美奈子へ視線を向けたら、逆光が眩しくて思わず目を細めてしまう。
美奈子は、それでなくても眩しくてキラキラした存在なんだ。
そう、無垢で輝くような光を放ち、俺とは全然違う。
俺は顔を左側に傾けて、さりげなく右目を髪の毛で覆った。
「最近暖かくて気持ちいいなあ。ね、明日の日曜さ、お弁当持って公園行こうよ」
美奈子が、ポンと弾けるような明るい声で提案してきた。
「うん、いいな。作ってくれんの?」
「えへ、私が作ったので良ければ」
「マジ最高。お礼にチューしよっか」
「もう…やだな…」
「楽しみにしてる」
「…うん」
美奈子が居るだけでも、すげぇ嬉しいのに。
ヤバイ…、楽しみすぎる。
翌日。
本日も晴天なり。
春の日差しは柔らかいようでいて、紫外線がキツく眩しい。
それに包まれながら待ち合わせ場所に現れる美奈子は、もっと眩しくて目がくらみそうだ。
左下に首を傾けたら、髪の毛がハラハラと俺の右目を覆う。
「美奈子、持ってあげる」
「え、あ、ありがとう」
美奈子が、ニッコリ笑ってお弁当の入った小っさいトートバッグを差し出してきた。
「そっちじゃないよ」
「え?こっち?」
美奈子がリボンの付いたショルダーバッグを持ち上げた。
「そっちでもない」
「じゃあ、何を持ってくれるの?」
美奈子は、キョトンとした顔して俺を見つめてきた。
「美奈子」
美奈子の肩を抱いてお姫様抱っこしよっかなーと目論んだら、恥ずかしがって拒否られた。
「ダメだよ。人がいっぱいいるでしょ」
「いーじゃん」
「もう本当にダメダメ!」
「えー、ケチ」
「ケチって言われてもダメだもん」
「じゃ、キスだけ」
「その方がもっとダメ!」
耳まで真っ赤になった美奈子がマジ可愛い。
「そんなこと言ってないでさ、お弁当食べよう!ほら、お腹空いたよね」
「美奈子、食べちゃおっかなー」
「もう、そんなこと言わないでお弁当食べてよ。早起きして作ったんだから」
「じゃあさ、両手でお弁当箱持って、首を右に少し傾けて」
「こう?」
「うん。後は俺の言うとおりに言ってみて。私、琉夏くんのためだけにお弁当作ったんだあ」
「私、琉夏くんのためだけにお弁当作ったんだあ」
「ニッコリ笑いながら、食べてって言って。ちゃんとハートマークつけてね」
「食べて、ハート」
おうむ返しに喋る素直な美奈子が堪らない。
まだ続けるよ?
「私を」
「私を」
「ホラ、言ったじゃん。やっぱり美奈子を食べていいんだ」
「ええっ、今のは無しー」
「えー、どうしよっかなー」
俺が美奈子の側へすりよると、鎖骨らへんまで真っ赤っか。
ホントに食べちゃお。
ほんの少し癖のある髪の毛に手を滑り込ませて、耳朶へチュッと触れるくらいのキスをした。
「ここっ、外だってば!」
美奈子が自分の手で耳をキュッと押さえて、軽く睨んできた。
その表情も愛しくて。
「じゃあさ、家ん中だったらいいんだよね」
「やだ、家も…まだ…」
困った顔。くるくる変わる美奈子の表情全て俺のものにしたい。
ホントに何もかもが愛しい。
「美奈子」
「きゃ!」
俺が美奈子をギューッて抱き締めると、お弁当を持ち上げながら可愛く叫ぶ。
イチャイチャして、美奈子は俺のものだって見せつけたい。
「もっとイチャイチャしようよ」
「あーん、ちょっと…恥ずかしいんだってば…」
美奈子の恥ずかしがる甘い声が、微かな息とともに髪の毛で隠れている俺の右目をくすぐる。
瞳をゆっくり閉じ、美奈子の体温を全身で受け止めていたら、胸の奥からじゅわっと温かい何かが溶けだし、心へスポンジみたいに染み込んでいく。
「俺さ、本当に幸せ」
そう言ったら、背中にふんわりした熱が舞い降りてきた。
美奈子の柔らかい手のひらが、薄いシャツ越しにじわりと伝わる。
それはどんな言葉より、俺を安心させてくれるんだ。
「琉夏くん…」
「俺さ、美奈子のためならヒーローになるけど、ショッカーになってっておねだりされたら、ショッカーにもなっちゃうよ。何でも出来るんだ。やっぱヒーローだから」
「ふふ、ヒーローは変幻自在なんだね」
「そっ」
「魔法使いみたい」
「えー、魔法使いは何かやだ」
「わかった、ヒーローなんだよね」
「うん」
美奈子が日だまりのような微笑みを向けてくれる。
「琉夏くん…、ありがとう」
感謝の言葉、俺が言うんだよ。
おまえは、笑ってくれるだけでいいんだ。
「美奈子、ずっとさ…」
沢山伝えたい。
色んなものを。
空っぽになっていた心を、優しさで満たしてくれた美奈子へ。
「何?」
美奈子の居る世界が俺には眩しすぎて、片目隠れてるくらいがちょうどいいと思ってた。
でも、足りない。そんな気がする。
顔を右側へ傾けてみたら、ふわりと風がそよいできて、俺の髪の毛を撫でた。
「よく見えた」
俺の両目に注ぎこまれてくる眩しいくらいの美奈子の澄んだ眼差しは、心地いい魔法。
美奈子が魔法使いだ。
「イチャイチャしよう」
「ええっ」
だって、仕方ないじゃん。
焼きつけたい、その姿、心。
美奈子の全て。
おまえのおかげだ、ありがとう。
世界はこんなに愛しさで溢れてる。
end
20110415
一緒に並んで歩く美奈子へ視線を向けたら、逆光が眩しくて思わず目を細めてしまう。
美奈子は、それでなくても眩しくてキラキラした存在なんだ。
そう、無垢で輝くような光を放ち、俺とは全然違う。
俺は顔を左側に傾けて、さりげなく右目を髪の毛で覆った。
「最近暖かくて気持ちいいなあ。ね、明日の日曜さ、お弁当持って公園行こうよ」
美奈子が、ポンと弾けるような明るい声で提案してきた。
「うん、いいな。作ってくれんの?」
「えへ、私が作ったので良ければ」
「マジ最高。お礼にチューしよっか」
「もう…やだな…」
「楽しみにしてる」
「…うん」
美奈子が居るだけでも、すげぇ嬉しいのに。
ヤバイ…、楽しみすぎる。
翌日。
本日も晴天なり。
春の日差しは柔らかいようでいて、紫外線がキツく眩しい。
それに包まれながら待ち合わせ場所に現れる美奈子は、もっと眩しくて目がくらみそうだ。
左下に首を傾けたら、髪の毛がハラハラと俺の右目を覆う。
「美奈子、持ってあげる」
「え、あ、ありがとう」
美奈子が、ニッコリ笑ってお弁当の入った小っさいトートバッグを差し出してきた。
「そっちじゃないよ」
「え?こっち?」
美奈子がリボンの付いたショルダーバッグを持ち上げた。
「そっちでもない」
「じゃあ、何を持ってくれるの?」
美奈子は、キョトンとした顔して俺を見つめてきた。
「美奈子」
美奈子の肩を抱いてお姫様抱っこしよっかなーと目論んだら、恥ずかしがって拒否られた。
「ダメだよ。人がいっぱいいるでしょ」
「いーじゃん」
「もう本当にダメダメ!」
「えー、ケチ」
「ケチって言われてもダメだもん」
「じゃ、キスだけ」
「その方がもっとダメ!」
耳まで真っ赤になった美奈子がマジ可愛い。
「そんなこと言ってないでさ、お弁当食べよう!ほら、お腹空いたよね」
「美奈子、食べちゃおっかなー」
「もう、そんなこと言わないでお弁当食べてよ。早起きして作ったんだから」
「じゃあさ、両手でお弁当箱持って、首を右に少し傾けて」
「こう?」
「うん。後は俺の言うとおりに言ってみて。私、琉夏くんのためだけにお弁当作ったんだあ」
「私、琉夏くんのためだけにお弁当作ったんだあ」
「ニッコリ笑いながら、食べてって言って。ちゃんとハートマークつけてね」
「食べて、ハート」
おうむ返しに喋る素直な美奈子が堪らない。
まだ続けるよ?
「私を」
「私を」
「ホラ、言ったじゃん。やっぱり美奈子を食べていいんだ」
「ええっ、今のは無しー」
「えー、どうしよっかなー」
俺が美奈子の側へすりよると、鎖骨らへんまで真っ赤っか。
ホントに食べちゃお。
ほんの少し癖のある髪の毛に手を滑り込ませて、耳朶へチュッと触れるくらいのキスをした。
「ここっ、外だってば!」
美奈子が自分の手で耳をキュッと押さえて、軽く睨んできた。
その表情も愛しくて。
「じゃあさ、家ん中だったらいいんだよね」
「やだ、家も…まだ…」
困った顔。くるくる変わる美奈子の表情全て俺のものにしたい。
ホントに何もかもが愛しい。
「美奈子」
「きゃ!」
俺が美奈子をギューッて抱き締めると、お弁当を持ち上げながら可愛く叫ぶ。
イチャイチャして、美奈子は俺のものだって見せつけたい。
「もっとイチャイチャしようよ」
「あーん、ちょっと…恥ずかしいんだってば…」
美奈子の恥ずかしがる甘い声が、微かな息とともに髪の毛で隠れている俺の右目をくすぐる。
瞳をゆっくり閉じ、美奈子の体温を全身で受け止めていたら、胸の奥からじゅわっと温かい何かが溶けだし、心へスポンジみたいに染み込んでいく。
「俺さ、本当に幸せ」
そう言ったら、背中にふんわりした熱が舞い降りてきた。
美奈子の柔らかい手のひらが、薄いシャツ越しにじわりと伝わる。
それはどんな言葉より、俺を安心させてくれるんだ。
「琉夏くん…」
「俺さ、美奈子のためならヒーローになるけど、ショッカーになってっておねだりされたら、ショッカーにもなっちゃうよ。何でも出来るんだ。やっぱヒーローだから」
「ふふ、ヒーローは変幻自在なんだね」
「そっ」
「魔法使いみたい」
「えー、魔法使いは何かやだ」
「わかった、ヒーローなんだよね」
「うん」
美奈子が日だまりのような微笑みを向けてくれる。
「琉夏くん…、ありがとう」
感謝の言葉、俺が言うんだよ。
おまえは、笑ってくれるだけでいいんだ。
「美奈子、ずっとさ…」
沢山伝えたい。
色んなものを。
空っぽになっていた心を、優しさで満たしてくれた美奈子へ。
「何?」
美奈子の居る世界が俺には眩しすぎて、片目隠れてるくらいがちょうどいいと思ってた。
でも、足りない。そんな気がする。
顔を右側へ傾けてみたら、ふわりと風がそよいできて、俺の髪の毛を撫でた。
「よく見えた」
俺の両目に注ぎこまれてくる眩しいくらいの美奈子の澄んだ眼差しは、心地いい魔法。
美奈子が魔法使いだ。
「イチャイチャしよう」
「ええっ」
だって、仕方ないじゃん。
焼きつけたい、その姿、心。
美奈子の全て。
おまえのおかげだ、ありがとう。
世界はこんなに愛しさで溢れてる。
end
20110415
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