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出会い編

あれは突然だった。

いつものメンバー…佐野、豆、屋敷と俺は晴明の実家に行こうとしたが、晴明が「今回は東京で!!お願い!!」と言い始めたので、しょうがなく東京観光した。
久々に人間の世界に来た。最初は皆で行動していたが、屋敷がゲーセンに、佐野と豆と晴明が涼みに行くと言って俺は3人に付いて行ったが………。
「やべえ……」
見失った。やばい、携帯はあるけど東京は広いしなぁ。とりあえず散策しつつ、アイツらを探すか。…と思っていたが、
「…………!!」
すげえ顔色が悪い人間の女の子を見つけた。声かけようとしたが……待て、あれは人間だぞ!?晴明…は良いとしつて、姉貴と結婚した種族(?)…元々俺は人間が苦手で地雷だったんだぜ!?…考え直せ!!ここで声かけても……。いや、人間だとしても弱ってる、しかも女子だ!!それでも男か泥田耕太郎!!
「………大丈夫?」
声をかけてしまった。やっちまったな俺。でも、その子を間近で見た時に、
「…!……大丈夫、です」
すげえ可愛くて、見惚れちまった。

「あ、その、何か水!飲むか!買ってくるから!」
何でこんなに緊張してんだよ、俺は。
「…はい、どーぞ!そこのベンチに座っとけ、」
「…ありがとうございます。…ちょっと暑くて…バテました…」
「そうかそうか。水飲んで涼んどけ」
……やべえ!!つい入道や佐野にやるみてーに、頭撫でてた!!??しかも女子に!!何してんだ俺!!?待て待て待て!!相手は人間だぞ!!?
「………ありがとう。貴方の名前は?」
…あまり気にしてねーんだな。…って何で俺は残念がって……って名前?
「あ、あぁ。俺は泥田耕太郎」
「泥田くん。本当にありがとう…東京にいるんですか?」
「あぁ。」
それから色々話した。…女子と会話が続いたのはこれが初めてだった。彼女も東京に住んでる人間の……俺より年上だった。タメかと思ってた。

「あ、」
佐野から連絡が来た。
「あー…連れが見つかったらしいっす」
「そっか…これからも泥田くんとお話したいし、助けて貰ったお礼がしたいな…」
「えっ!?」
「LINE…交換しない?」
「えっ、あ、あの、」
何キョドってんだ俺!!?でもLINE…交換してえ…。
「…けど、助けたっつーか、あれは俺が声掛けただけで…」
「泥田くんに声掛けて貰って助かったんだよ、命の恩人!…あと、泥田くんとお話とするの楽しいし」
「!!」
……可愛い。俺も話するの楽しかったし、な。
「…じゃあ、よろしくっす」
「うん、よろしく!」

「………」
「おい泥田。お前どこに……おい?」
「泥田くん上の空だね?」
「何か変なものに取り憑かれた顔してんな」
「…妖怪が取り憑かれるの?」

「…また会いてぇな」

姉貴と結婚した人間と同じ人間だし、人間が苦手で地雷で……絶対好きになんねーってってたのに、偶然助けた人間に見惚れちまって、LINEも交換した。
話も合うし、これから連絡とりてーって思ってる。…相手は人間なのに、

俺はこれからが楽しみで仕方がない。
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