鳴り響いたゴング
夢小説設定
本棚全体の夢小説設定「悪魔執事と黒い猫」の二次創作の本棚です。
まだまだ少ないですが少しずつ増やしていきます。
不定期更新。
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「はい!
思ったんだけど、執事の皆は個性豊かだけど美形で性格もいいでしょう?
俺を好きになるくらいなら執事同士で好きになってないと可笑しくない?」
「それは、主様が来る前にはありましたよ。」
へ?
今何気に爆弾発言してない?
「ええぇえ〜!!あったんかい!」
「これだけ人が集まれば…色々あると言ったではありませんか。」
確かに、感謝祭のときに人間関係のトラブルがたまに起きていたと言っていたけれど、そういうやつかい!!
それなら尚更、『主様』補正が入ってるから俺に好意を抱いてるんじゃない?
よく分からなくなってきた…。
「悪魔執事の性質上、普段から接する相手は仲間内のみで他の者達とは親しくすることがありません。
仲間以上の存在に恋愛感情を抱いてしまうのは、必然かもしれませんね…。
最も、主様に魅力がなければ成り立たないことですが…。」
何と言ったらいいか分からない…。
俺に魅力があると言ってくれてはいるが、そもそも選択肢がない中でのことなので、百パーセントの好意と受け取っていいのか不明だ。
「兎に角、分かっていただけましたか?」
「えぇ?うん、まぁね…。」
「フフッ、それなら良かったです。」
でもだからと言って、俺はこれからどうすればいいのだろう。
正直、皆同じくらい好きなんだけど。
恋愛感情は分からないけれど、嫌とか気持ち悪いという感情が湧かないのも不思議なものだ。
「主様が頭を悩ませる必要はありませんよ。
私はただ、主様自身が慕われているのだということを分かって欲しかっただけなのです。
主様は今まで通りに振る舞ってくださればいいのですよ。」
「そ、それはどうも…。」
「後は、どうやって好きになってもらいましょうかね。」
「えっ?」
「フフ、ですから主様に…。
どうやって私を選んでいただくか、腕の見せどころですね。」
このベリアンの告白が執事達の総意だと言うことを、主は知り得ない。
しかしながら今日この日をもって、執事達から主へのアプローチが解禁されたのだった。
新しく悪魔執事になる彼らがどう動くか分からないが、ハートの矢印が引かれるのも時間の問題だろう。
まだ性格がはっきりと分からない分、厄介な恋敵だと言える。
執事達がそれぞれの方法で主を口説こうとしていることは露知らず、どこか楽しそうな目の前のベリアンに対して、主は余力を振り絞り一言だけ告げたのだった。
「……お手柔らかに。」