鳴り響いたゴング
夢小説設定
本棚全体の夢小説設定「悪魔執事と黒い猫」の二次創作の本棚です。
まだまだ少ないですが少しずつ増やしていきます。
不定期更新。
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「主様、いい加減に自覚していただけますか?」
「な、何を?」
「執事達から好かれているという事実をです。」
ベリアンの背中から笑顔に見合わない圧を感じて、俺は思わず一歩後ずさった。
しかし背中には既に壁が迫っている為、これ以上は後ろに下がれない。
目の前のベリアンと対峙しなければならなかった。
「いや、分かってる…よ?」
「いいえ!
主様は!分かって!いらっしゃらない!!」
この圧と熱量は何なのだろう。
もはやキャラを留めていないベリアンに恐怖を覚えつつ、俺はなるべく笑顔を崩さないように話を聞いた。
「主様は『主だから慕ってくれてるんでしょ?』という考えに囚われ過ぎているのです!」
「でも事実じゃない…?」
「いいえ、主様。
確かにきっかけは主様がデビルズパレスの主に選ばれたことですが、それはきっかけに過ぎません。
私を含め皆、主と執事という枠を越えて、主様自身のことを慕っているのです。
それなのに主様は『主だから』好意を寄せられているんだと思い込んでいて、私は胸が苦しいです…。」
「ベリアン…ごめんね。ベリアンにも辛い思いをさせてたんだね。
ベリアンが言ってくれたこと、すごく嬉しいよ。」
「主様…。やはりまだ分かっておりません。」
ベリアンはそう言うとA4のメモ用紙にすごい勢いで何かを書き始めた。
そして書き終わると、ベリアンは俺の目の前(近いなぁ…)にその紙を広げて見せた。
なんだこれは…!!
俺を中心に執事達の名前が円を描くように書かれている。
そしてその名前から俺に向かって矢印が引かれているではないか。
矢印の上にはハートマークが記されている。
それも一人残らず。
ご丁寧にムーの矢印は白猫ちゃんへと向いていた。
「何というハーレム!!」
「はい、ハーレムなんです。」
「いや、ちょっと待ってよ。
慕ってるって言うか…、えっ?
…そうだ、ベリアンの主観でしょ?考え過ぎじゃない?」
「いいえ、ただ主と思っているだけの相手に対して…
誰が好みに近付こうとしたり、膝枕しようとしたり、1対1でデートしようとしますか?
最後の砦であるバスティンくんも、主様が悪魔化を救ったことによって落ちてしまったんですよ!」
え?あ、、まぁ確かに…少し過剰かなと思ってはいたけれど。
というかベリアンの俺への矢印は確定ってことになるけど、いいのか?ベリアンはそれでいいのか?