あなたの笑顔を
夢小説設定
本棚全体の夢小説設定「悪魔執事と黒い猫」の二次創作の本棚です。
まだまだ少ないですが少しずつ増やしていきます。
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「主様、今日は悪魔化から救っていただいたお礼に…。
俺が昼食を作らせていただきました。
ベリアンさんに許可を取り、コンサバトリーにご用意しています。
一緒に来ていただけますか?」
自分の為に用意してくれたと聞いて、行かない者などいるのだろうか。
考えてみれば一週間くらい前から、日中屋敷にいる日を何度も確認してきたりと、前兆はあったのだ。
俺はハウレスに連れられて自室を後にした。
コンサバトリーは執事達もお茶やお酒を楽しむことができる安らぎの場所だが、俺はあまり利用したことがない。
ハウレスはそのことを知っていて会場に選んでくれたのだろうか。
コンサバトリーにはここにしかない花もたくさん咲いていた。
もちろんアモンが育てた花で、配色や配置はボスキが考えたのだろう。
インテリアともよく合っていてセンスの良さが窺える。
庭や自室とも雰囲気が異なり、少しだけ非日常を味わえる空間だった。
コンサバトリーに着いたころ、丁度お昼を知らせる鐘が鳴った。
完璧主義者のハウレスらしい用意周到ぶりだ。
丁寧に椅子を引いたハウレスに促されるままテーブルに着く。
部屋の隅に用意してあったワゴンを押して、テーブルの傍まで来てハウレスが口を開いた。
「主様がお好きだと聞いたので、卵料理をご用意いたしました。」
ハウレスはそう言うと、テーブルの上にサンドイッチが乗ったお皿を置いた。
卵フィリングがたっぷりと詰まった、厚みのある美味しそうなサンドイッチだ。
他には野菜とベーコンのスープに、アボカドとトマトのサラダ。
ドレッシングもハウレスのお手製らしい。
「本当はオムレツを作りたかったのですが、簡単に見えて難しいとロノに止められまして…。
ゆで卵なら比較的作りやすいと教えてもらったんです。」
ロノに味見をしてもらったので味は保証できるとハウレスが言った。
ハウレスが卵料理を作ったと聞いて少し心配したが…。
成程ゆで卵ならば比較的作りやすいし失敗も少ない。
お洒落なグラスに入ったバナナジュースも、昼食の締めとしては丁度良い甘味だと思った。
「どうぞ召し上がってください。」
「ありがとう、ハウレス。
いただきます!」
まずはメインに作ってくれた卵のサンドイッチから。
中身を零さないように注意して頬張る。
きっと食べやすさを考慮すれば作らないサイズ感だけど、卵は多ければ多い程いいので至福の時間だった。
ドレッシングも以前あっちの世界の和風テイストに似ていると言ったドレッシングで、覚えていてくれたことが嬉しい。
あっという間に食べ終えてしまった俺は、休憩とばかりにバナナジュースを一口飲んで息を吐いた。
ハウレスはそんな俺の様子を見ながら満足そうに微笑んでいる。