お花に水をあげましょう
夢小説設定
本棚全体の夢小説設定「悪魔執事と黒い猫」の二次創作の本棚です。
まだまだ少ないですが少しずつ増やしていきます。
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そんなことを考えていたら、ボスキが何かに気付いたのか自身の唇の前に人差し指を当てた。
静かにしろと言いたいのが辛うじて分かった。
「ところで、主様。アモンとはどこまで進んでるんだ?」
「ど、どこまでって…。」
「その様子だと『まだ』だな。
俺が教えてやっても良いぜ…。予行練習だ。」
さっきまでとは別人の発言に、一体どうしたのだろうと耳を疑う。
ゾワッと肌が粟立つのと同時に、ビシッという鞭の音が聞こえた。
「待て、鞭は止めろ!こっちは丸腰だぞ!」
「ちゃんと義手に当てたんすから、大丈夫でしょ。
それより、ちとせ様にそれ以上近付くなよ…。
ボスキさんでも許せないっす。」
いつの間にそこにいたのだろう。
扉の前に鞭を構えるアモンの姿があった。
一瞬のことでよく分からなかったが、アモンの鞭がボスキの義手に当たったようだ。
ボスキは無茶しやがる、と呟いてズレた義手を正しい位置に戻した。
「まあいい…。ちゃんとお膳立てしたんだから、後は上手くやれよ。」
そう言うとボスキは部屋から出て行った。
「あぁ〜、ボスキさんっ。あの人、わざとあんなこと言ったんすね…。
どうしよう、普段に攻撃しちゃったじゃないすか。」
「鞭はマズかったよね…、鞭は。
後で謝りに行こう。」
でも今は、そんなことより。
「アモン、…やっと二人で会えた。」
ずっと触れたかった、愛しい人。
俺は近くに歩み寄ると我慢出来ずにアモンを引き寄せて力強く抱き締めた。
花の香りとアモンの匂いが俺を包み込む。
アモンは遠慮がちに俺の背中に腕を回した。
「ごめんなさいっす!ちとせ様!
オレ…ちょっと前まで仕事で失敗ばかりしてて、気を引き締めたくてちとせ様と距離を置いてたんす。」
「うん…分かるよ、何となく。でもひとこと言ってくれても良かったのに。」
「えっと、色々と複雑な事情があったんす…。」
アモンは何やらゴニョゴニョと言いづらそうにしていた。
「オレ、もう少しこのまま頑張ってみようと思ってる。
ちとせ様には寂しい思いさせて申し訳ないっすけど…。
今やらなきゃ後悔するかもしれないんで。」
「分かった。アモンが決めたことだからね、信じてるよ。でもさ、、
これくらいはしても良いんじゃない?
そうじゃないと俺、枯れちゃうよ。」
そう言って唇に触れるだけのキスを落とすと、アモンは頬を僅かに染めて小さく頷いた。
俺がアモンに定期的に会いに来てくれるよう約束を取り付けるまで、後少し。