won't run away
夢小説設定
本棚全体の夢小説設定「悪魔執事と黒い猫」の二次創作の本棚です。
まだまだ少ないですが少しずつ増やしていきます。
不定期更新。
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「主様…。少しいいか?」
特に予定もない休日の昼下がり。
屋敷の自室でダラダラと過ごしていた俺を訪ねて来たのはバスティンだった。
中に招き入れる前にソファーからずり落ちそうになっていた姿勢を正す。
部屋に入って来たバスティンの手には木彫りの人形が握られていた。
「悪魔化から助けてもらった礼に、木彫り人形を作ったんだ。
受け取ってもらえると嬉しい。」
「バスティンが作ってくれたの?」
受け取った木彫り人形は猫が床に座っている形をしていた。
尻尾や首輪など細部まで細かく彫られており、ネームプレートまで刻まれている。
バスティンの髪の色に似たピーコックグリーンのリボンが尻尾に結ばれていた。
「もしかして、ムー?」
バスティンが小さく頷く。
顔が赤くなっているところを見ると照れているようだ。
俺の為にバスティンが作ってくれたのかと思うと、素直に嬉しい。
あっちの世界のアパートに飾るのもいいが、やはり飾るなら屋敷の中かな。
「ありがとう!嬉しいよ。
大切にする。」
バスティンが悪魔化したときは勢いで失礼なことも言ったけれど、それは大丈夫だったのだろうか。
「俺はバスティンが助かったのは、ロノが呼び掛けてくれたおかげだと思ってる。
バスティンは他の執事達とあまり関わらないようにしてたけど、一緒に生活して天使を倒していく中で確実に絆は育まれていたんだよ。
二人の絆がバスティンを救ったんだ。」
「主様…。そう言ってもらえること自体、俺には有難いことだ。
俺は自分の心の闇に囚われていた。
誰にも分かってもらえないと孤独を気取って、自分自身で闇に閉じこもっていたんだ。」