悪魔執事
夢小説設定
本棚全体の夢小説設定「悪魔執事と黒い猫」の二次創作の本棚です。
まだまだ少ないですが少しずつ増やしていきます。
不定期更新。
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「おい!バスティン!
魔導服なんかに飲み込まれんじゃねぇぞ!」
現状、悪魔化を止める方法はなく、今まで何人もの執事がこの状態になり魔導服に飲み込まれていったそうだ。
「嘘だ!
こいつに限ってそんなこと!
おい!!目を覚ませ!!!
いつもみたいに居眠りしてるだけだろ!
バスティン!」
ロノが必死にバスティンに声を掛ける。
フェネスの知識でも悪魔化に抗う方法は分からないという。
俺は何とも言えない無力感に苛まれていた。
誰も失いたくないと、決意した筈なのに…。
魔導服に飲み込まれるときは、絶望に飲み込まれたときだとルカスが言っていた。
バスティンの絶望に気付いていながら、手を差し伸べてあげられなかった。
もっとバスティンの悩みに寄り添っていたら、こんな事にはならなかったのかな。
「主様…。
バスティンに手を添えて…。」
ムー?いつもと話し方や雰囲気が違うような気がする。
「いいから…早く手を添えて…。
彼に語りかけて…。
バスティンを救えるのは…あなたしかいない。」
ムーに促されるまま、俺はバスティンの身体に手を添えた。
この黒いモヤが漂う空間は何だろう。
この世とは全く別の空間にいるみたいだ…。
(ここは、バスティンの心の中…。)
バスティンの心の中?とても信じられない。
俺に話し掛けているのはムー…。
いや多分、いつかの黒猫だ。
黒猫は話が早いとばかりに本題に入った。
魔導服に飲み込まれると、バスティンは完全に悪魔化して死んでしまうのだと。
(そして、そんな彼を助ける方法は一つだけ…。
彼が絶望を乗り越えるしかない。)
(あなた人間が悪魔と契約できる条件って何か知ってる?)
条件?条件までは考えたことがなかった…。
わざわざ悪魔執事になるのだから何か事情があるのだとは思っていたけれど。
(悪魔との契約の条件…。
それは、絶望を経験したことがあるかどうか。
生きるのをやめたくなる程の絶望を…。)