悪魔執事
夢小説設定
本棚全体の夢小説設定「悪魔執事と黒い猫」の二次創作の本棚です。
まだまだ少ないですが少しずつ増やしていきます。
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「ルカスさんの手紙によると、この先にいる筈なのですが…。
底なし崖も近いので闇雲に馬を走らせない方がいいですね。」
先頭にいたフェネスがスピードを落とす。
ルカスの手紙にはベリアン達が通ったルートも記させていたが、古の塔まではまだ距離があり、かなり遠回りをしているようだ。
俺達は最善の注意を払いながらベリアン達を探した。
「いた!ベリアン!」
ナックとバスティンも近くにいる!
しかし見間違いだろうか。
バスティンから黒い煙のようなものが出ている気がするのだが…。
まさか燃えている訳じゃないだろう。
えっ……?
次の瞬間、俺は自分の目を疑った。
「バスティンがナックさんに攻撃したっすよ!」
「しかも全力じゃねぇか!何やってんだ、あいつ…!」
「まずい!このままじゃ…。ハウレス!」
「分かっている!
フェネス、アモン。主様を頼む!」
バスティンは攻撃態勢を解くことなく二人に剣を向けている。
あの様子ではいつまた攻撃するか分からない。
俺達は目の前の光景に混乱しながらも、バスティンの制止をハウレスに託すことにした。
バスティンが叫び声を上げながらベリアンに素早く斬りつけた。
ガキン…
「何をやっているんだ!
バスティン!」
バスティンの攻撃をハウレスの剣が受け止める。
何とか間に合った…!
「主様…!
それに皆さん…!」
馬から降りて改めて辺りの様子を確認すると、傭兵団と思われる男達が十数人は倒れていた。
やはりサルディス家の部隊が行方不明になったということ自体、罠だったと考えていいだろう。
「どうしてバスティンさんが、あんな禍々しい感じになっているんですか?」
ムーの質問にナックとベリアンが答えてくれた。
ロノが傭兵団に捕まって酷い怪我を負ったことをきっかけに、バスティンの悪魔の力が暴走してしまったのだそうだ。
応急処置をしてはいるが、ロノは危険な状態にあるという。
早くロノにちゃんとした治療を受けさせてあげたいが、バスティンを落ち着かせるのが先決だ。
バスティンから黒い煙が出ているのは見間違いではなかった。
荒い呼吸を繰り返し、何だかとても苦しそうにしている。