悪魔執事
夢小説設定
本棚全体の夢小説設定「悪魔執事と黒い猫」の二次創作の本棚です。
まだまだ少ないですが少しずつ増やしていきます。
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「そろそろアスコットの村が見えてくる頃っすね。」
先頭で馬を走らせるアモンがいきなり停止した。
どうやら木が道を塞いでいてこの先は馬では通れないようだ。
ここからは歩いて進むしかない。
「さぁ、主様…。
俺の手を掴んでください。
そのままゆっくり馬から足を降ろして…。」
フェネスの手をとって馬から降りる。
普段使わない筋肉を使っているためか思ったよりも疲労感がある。
筋肉痛も相まって歩き方がぎこちなくなってしまった。
村と言うのだからあまり大きくはない集落だろう。
天使が大量発生したら村の存続自体が危ぶまれる。
俺達はいつ出て来るか分からない天使を警戒しながら先を急いだ。
倒れている木や雑木林を抜けて、ようやく民家が立ち並ぶ場所にやって来た。
しかし目に見える範囲の家々は黒く焼け焦げ、一部は建物が崩壊してしまっていた。
皆、その光景を見て言葉を失っている。
アスコットの村は畑しかない長閑な村だったとハウレスが言った。
生存者はいるのか、大きな声で呼び掛けても返事はない。
俺達はひと塊になって周辺を探索することにした。
村全体が酷く荒れている。
天使から逃げる過程で大きな火事が起き、村ごと焼き尽くされてしまったのだろうか。
確かにエスポワールでも天使が建物を破壊していたから考えられなくはないが…。
それにしては何か違和感を感じる。
どこかに隠れている村人がいるかもしれないので、俺達は大声で呼び掛けながら探索を続けた。
「ん…?」
「どうかしたっすか?
ボスキさん。」
「…ッ!!
全員、伏せろ!」
突然のボスキの叫び声に、驚きながらも慌てて地面に這いつくばった。
途端、一本の矢が頭上を通り過ぎていった。