感謝祭
夢小説設定
本棚全体の夢小説設定「悪魔執事と黒い猫」の二次創作の本棚です。
まだまだ少ないですが少しずつ増やしていきます。
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「彼は本当によく執事たちをまとめてくれています。
ラトくん以外の若い執事は、みんなハウレスくんの指示を聞きますから。」
「それって、ボスキさんもですか?」
「すみません。
ボスキくんは例外でしたね。」
ベリアンとムーの会話が可笑しくて思わず吹き出してしまう。
すると噂をしていたハウレスが前方を歩いているのが見えた。
手には綺麗にラッピングされた花束を持っている。
女性へのプレゼントではないかとムーが言う。
ベリアンがハウレスは女性が苦手な筈だと言っても、舞踏会でいい雰囲気になった女性がいるのかもしれないと何だか楽しそうだ。
「主様!
ハウレスさんの後をついて行ってみましょう!」
「覗き見するのは罪悪感が…。」
執事達のことを詳しく知っておくのも主人の仕事だと言うムーに、ベリアンも一理あると同調した。
「主様、いかがでしょう。
少しだけついていってみませんか?」
尾行に正当性が生まれた瞬間だった。
ハウレスは女性用の衣服やアクセサリーを売っているお店に立ち寄った。
ムーはいよいよ自分の予想が当たっているのではないかとテンションを上げる。
店の外からでは流石にどんな会話をしているか分からないが、店の雰囲気に慣れないのだろう。
居心地が悪そうに頬を染め、店員の女性と話をしていた。
ハウレスが店から出てきた。
何か購入したらしい。
「これはもう女性に贈り物をするに違いありませんね!
どんな方なのか見に行きましょう、主様!」
ムーに急かされて俺達は尾行を再開した。
ハウレスを追って歩いていたら、街を出て森を抜け丘の上まで来てしまった。
途中ベリアンが思いの外距離があることを気遣って、疲れたら馬車を呼んでくれると言ったが、尾行の途中で馬車を呼ぶのは流石に無しだと思う。
丘の上には大きな湖が広がっており、感謝祭の会場を一望できた。
風が心地良く、とても綺麗な景色だった。