感謝祭
夢小説設定
本棚全体の夢小説設定「悪魔執事と黒い猫」の二次創作の本棚です。
まだまだ少ないですが少しずつ増やしていきます。
不定期更新。
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「ほ〜ら!
いらっしゃ〜い!
ロノお手製のベリーパイはいかが〜!」
丁度そのときロノの声が聞こえてきた。
去年もパイを買って美味しかったという客に気前良くサービスをしている。
パイ作りから接客まで一人でこなしており忙しそうだ。
子供がロノのベリーパイを物欲しそうに見つめている。
どうやらパイを購入したいけれどお金が足りないらしい。
始めは母親からお金を貰ってくるように言っていたロノだったが、母親がいないと聞いて状況が一変した。
「いないって…。
お前、もしかして『キハラの街』の子か?」
子供が頷くとロノはベリーパイを渡し、二人の秘密だから他の人には言わないようにと言った。
後輩に優しくするのは先輩の義務だと。
子供は疑問に思いながらもロノにとても感謝していた。
「ロノは子供に優しいんだね。」
「主様!見られてたんですか。」
ロノは照れ臭そうに笑って、屋敷に帰ったら焼き立てのベリーパイをご馳走してくれると言った。
さっきの子供との会話は少し気になるから覚えておこう。
パイ以外にも木彫りの人形が売られているが、これはバスティンの手作りなのだそうだ。
フクロウやハリネズミなど動物をモチーフにした人形は細かい所まで作り込まれており、バスティンの器用さが伝わってくる。
バスティンが趣味で作成しているもので、管理を担当している馬小屋は木彫りの人形でいっぱいなのだとか。
バスティンも一緒にパイを売る予定だったが、待ち合わせ場所に来なかったようだ。
聞けば最近バスティンの様子が可笑しく、ロノのことを避けているようで以前より話さなくなってしまったらしい。
ロノは今頃お腹いっぱいで寝ているに違いないと腹を立てている。
「主様…。
この間の死神事件以来…。
バスティンさんとロノさんの仲はあまり良くないみたいですね。」
「確かにここ最近は、前にも増して二人の仲が上手くいってない気がします。」
ベリアンが言うのだから間違いないだろう。
同じ部屋で生活していても二人は目を合わそうともしないと言う。
せめて前までのように何かしらコミュニケーションを取ってくれたら良いのだが…。