死神事件
夢小説設定
本棚全体の夢小説設定「悪魔執事と黒い猫」の二次創作の本棚です。
まだまだ少ないですが少しずつ増やしていきます。
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雨はいつの間にか激しくなり大きな雷を伴うようになっていた。
カランの街は左右を高い山脈に囲まれているため、積乱雲が発生しやすいのだとルカスが教えてくれた。
ロノが雷の音に驚き声を上げる。
雷が怖いのか訊くと否定をされたが、恐らく強がりだろう。
雨や雷の音以外にも何かが聞こえると感じたのは、バスティンとほぼ同時だった。
普段ならば聞き逃すような音なので何の音かは分からない。
死神の鎌の音なのか皆で耳を澄ませていると、ハウレスが墓地の奥に黒い布を被っている何者かの姿を発見した。
その何者かはスコップを片手に墓を掘り起こしていた。
鎌ではなくスコップの音だったことに安堵するが、墓を掘り起こす異常な行動に今までとは異なる恐怖を感じる。
「あっ!
あれは…ゼパルさんのお墓だ!」
ゼパルさん…?フルーレが花を供えていた悪魔執事の!?
許せないと今にも飛び出しそうなフルーレをルカスが制止する。
何の為にこんなことをするのか、目的が知りたいと。
やがて不審な死神は墓から棺を取り出すと遺体を露わにした。
2年前に亡くなったと言うゼパルさんの遺体だが、まるで眠っているかのように綺麗だった。
ムーが当然の疑問を口にすると、それは魔導服の力だとルカスが言う。
悪魔執事が亡くなると本人が気に入っていた魔導服を身につけて埋葬するのが伝統で、魔導服を着ている限りその身体は永遠に朽ちることがないのだそうだ。
不審な死神は遺体に何かを当てたりと魔導服を調べているようにも見える。
すると今度は魔導服を脱がし始めた。
「あいつ、ゼパルさんの遺体を…。
こんな侮辱、許せない!!」
我慢できなくなったフルーレが今度は皆の制止を聞かずに死神の元へ走って行ってしまった。
皆がフルーレを追い掛ける。
「おい!
やめろ!
お前、ゼパルさんに何しようとしてるんだ!」