死神事件
夢小説設定
本棚全体の夢小説設定「悪魔執事と黒い猫」の二次創作の本棚です。
まだまだ少ないですが少しずつ増やしていきます。
不定期更新。
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バスティンは躊躇いながらも話をしてくれた。
「俺は怖いんだ…。
執事たちと絆を作ることが…。」
「絆を作るのが怖い…?」
話をすれば距離が縮まり絆ができる。
バスティンはそれが嫌なのだと言う。
「大切なものができると、その裏には必ず闇ができる。
俺はその闇が怖いんだ。」
「闇ですか…?
でも、他の執事の方々は悪い人ではないですよね。」
ムーの言葉に執事達は皆良い人だとバスティンが頷く。
ロノのことも悪く思ってはいないようだ。
それなら絆ができた方が良いのではないかと思うが…。
「だけど…。
俺は怖いんだ。また、絆を失うのが…。
もう二度と、あんな思いはしたくない。」
昔、何か辛いことでもあったのだろうか。
バスティンに問いかけても、それ以上は何も話してくれなかった。
さっきの話は気にしないでくれと言われたが、到底無理な話だ。
「とにかく…。
俺は仲間なんていなくても大丈夫だ。」
夜道は危険だから宿まで送ると言われ、来た道を戻る。
帰り道、バスティンは普段通りの無口なバスティンに戻っていた。
皆と仲良くなりたくない訳じゃない。
自分の中でセーブしている。
バスティンはああ言っていたけれど、やっぱりこのままでは駄目なんだ。
どうにかしたいとは思うけれど…。
過去に辛い経験をして、そのことでバスティンが絆を作らないよう行動しているのだとしたら…それを経験していない者が外側から正そうとするのは難しい。
宿に着いてお休みなさいと離れて行くバスティンのことを、俺は引き止めることが出来なかった。