死神事件
夢小説設定
本棚全体の夢小説設定「悪魔執事と黒い猫」の二次創作の本棚です。
まだまだ少ないですが少しずつ増やしていきます。
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着替え終わりフルーレが衣装の手入れをしに部屋に入って来た。
衣装をハンガーに掛けながら丁寧にシワを伸ばしたり形を整えたりしている。
手入れが終わるとフルーレは俺の方に向き直り、改まって口を開いた。
「主様、舞踏会ではラトがご迷惑をおかけして本当に申し訳ありません。
主様に余興までさせてしまって…。」
「俺は気にしてないから大丈夫だよ。」
そう言いつつ、またトラブルが起きるのは困るけど…。
「ですが、主様の歌声はとても素敵でした!」
声楽を習っているのか訊かれ、首を横に振る。
あちらの世界ではこっちの世界に比べて、人前で歌うことに抵抗が少ないのだと伝えた。
「俺達、地下の執事は音楽を担当していて貴族の依頼で楽器を演奏することも多いんです。
主様、よろしければ今度俺達の演奏で歌っていただけませんか?」
「…そうだね。考えておくよ。」
「はい!是非、よろしくお願いします!」
それではおやすみなさいと、フルーレが部屋を出て行った。
上手く笑えていただろうか。
音楽は好きだ。
だけど基本的に好きな曲しか聞いていないし、耳で聞いて覚えているだけで楽譜が読める訳でもない。
専門用語も何一つ分からない。
この機会にフルーレ達に教えてもらおうか。
きっと優しく教えてくれるだろうし、覚えが悪くても責められることはないだろう。
でも知識と実践が結び付かないタイプだから、頭でっかちになっても意味が無さそうだ。
嫌でも昔を思い出す。
もっと人見知りが激しくて、その癖とにかく歌が歌いたかった、あの頃のことを。