死神事件
夢小説設定
本棚全体の夢小説設定「悪魔執事と黒い猫」の二次創作の本棚です。
まだまだ少ないですが少しずつ増やしていきます。
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力ずくという言葉に直ぐ様ルカスが反応した。
「ちとせ様、ハウレスくんの後ろへ。」
「全員、ちとせ様を囲むんだ。
ちとせ様をお守りしろ。」
皆が俺を取り囲み、スイッチが切り替わって戦闘態勢に入る。
こうなってしまうと店の男に勝ち目はないので気の毒とさえ思ってしまう。
貧しい環境がそうさせているだけで、本当はこの人たちも詐欺まがいなことはしたくないのだとルカスは言う。
「自ら進んでこんな汚いことをしたいと思う人間なんていませんからね。」
「き、汚いですって!?」
汚いという言葉に、店の女性が反応した。
皆、楽な道を選びたいと思うのは当然だ。
だけど正しくありたいと願う心が、多くの人間をその道に走らせない。
だから詐欺をするのならば、汚いということくらいは自覚してやって欲しいと思う。
「だらだらとうるせぇな。
いい加減にしないと痛い目合うぞ!
ぐっ!」
「それ以上暴れてみろ…。
お前の命は保証できないぞ?」
ハウレスが男の腕を掴み動きを封じた。
男は全く腕を動かせずに身を捻る。
その瞬間にバスティンが男の後ろに回り、喉元に剣を突きつけていた。
「動くな。
動けば、この剣がお前の首をはねる。」
「さて…このまま続けますか?
怖そうなお兄さん。」
ただの貴族じゃないという言葉をルカスが笑って否定する。
この状況でも貴族の振りを続行しているのが不思議だ。
飲んだ分のお代を置いて行く辺りがルカスらしい。
「それと、お嬢さんたち。
見た目ばかり磨いても幸せにはなれません。
いくら外見を磨いても心が汚いのなら、それは虚しいだけですよ。」
最後にルカスが放った言葉を、女性達は一生忘れられないだろうと思うと少し可哀想になる。
だってこんなに良い男に恥ずかしいところを見られて、いつか自分で気付かなければならなかったことを言われたのだ。
いったい誰が忘れられるだろう。