死神事件
夢小説設定
本棚全体の夢小説設定「悪魔執事と黒い猫」の二次創作の本棚です。
まだまだ少ないですが少しずつ増やしていきます。
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エスポワールを元の世界のヨーロッパに例えるならば、カランは東アジアを思わせる街だった。
人も多く食べ物も和と中華が混ざっているようで馴染みがある。
街全体が色とりどりでムーも楽しそうだ。
ハウレスが言うように、一見平和そうなこの街が死神の噂に怯えているようには見えないが…。
とりあえず情報収集をしようという話になった。
ルカスが皆から離れないようにと気を遣ってくれる。
カランの街並みにそれぞれ興味を持つ部分があるようだが、特にフルーレは文化の異なる衣服にとても心惹かれているようだった。
「すごいなぁ…あの美しい色の布!
あんなに鮮やかな色、どうやって染めたんだろう?」
布の染め方にまで興味を持っていることに驚きつつ研究熱心だねと声を掛けると、以前からカランには興味があって来てみたかったのだとフルーレが答えた。
馬車の中で今回の調査に同行した理由を、強くなりたいからだと聞いていたハウレスは少し複雑そうだったが、衣装係なのだから服に興味があって当然だとルカスがフォローを入れる。
なかなか来れない場所だし、服や布を調達して帰ることには賛成だ。
主様に似合う服を選ぶのも執事の役目だと話す言葉に、くすぐったさを感じる。
興味があるならお店に入ってみたらとルカスに促されるが、フルーレはなかなか行動に移さない。
どうやら人見知りをするらしい。
ロノに先に店に入ってくれと頼んでいる。
そう言えば人がたくさん集まる場所は苦手だと言っていたのを思い出す。
少し意外だけど、俺も人見知りをするから気持ちは分かる。
俺の場合、店員はそこまで苦手ではないのだが、初めて会う人とはどんな話をしていいか分からない。
特に目的が不明瞭な者同士が微妙な距離感でコミュニケーションを取るのが苦手なのだ。