訓練開始
夢小説設定
本棚全体の夢小説設定「悪魔執事と黒い猫」の二次創作の本棚です。
まだまだ少ないですが少しずつ増やしていきます。
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その後、ラトとの模擬戦を繰り返した別邸の執事たちだったが…。
結局、一度もラトに勝つことができないまま…。
その日の訓練を終えたのだった。
訓練キャンプには温泉も併設されているらしい。
疲れを癒やして親睦を深めるのにピッタリだと、別邸組の三人は早速入ってくるようだ。
「主様も一緒に入る?」
「えっと…。」
「ハナマルさん…。」
ハウレスが半ば呆れながらハナマルを注意する。
それから、俺と別れた別邸の執事たちは…。
近くにあるという温泉へと向かうのだった。
そして俺は訓練キャンプの宿舎に来ていた。
部屋を俺の為に用意したとフェネスが言っていたけれど、間取りも屋敷の自室とほぼ変わらない。
以前遠征で泊まったホテルも屋敷と雰囲気が似ていたし、相当気を遣っていることが分かる。
(俺はそんなに立派じゃなくていいんだけど…。)
温泉も魅力的だったけれど別邸の皆がゆっくり入っているようだし、宿舎には大浴場もある。
フェネスが用意してくれたハーブのお風呂でリフレッシュして…。
そして今、テーブルの傍ではベリアンが就寝前の紅茶を淹れてくれていた。
「今日は別邸の皆さんの訓練をずっと見守っていただき、ありがとうございます。
主様もお疲れだと思いますので、アールグレイの茶葉を使ったミルクティーをご用意いたしました。
柑橘類の香りは精神的ストレスや疲労への効果が期待できるんですよ。」
「ありがとう、ベリアン。」
テーブルに置かれた紅茶を口に運んだとき、ベリアンが口を開いた。
「主様…。
悪魔執事が不老だということは、ハウレスくんからお聞きになったのですね。」
俺はベリアンから発せられた予想外の言葉に戸惑いつつも、首を縦に振った。
「申し訳ありません…。
本来なら初めに話しておくべきでしたが、主様がどんな方か分かりませんでしたし…。
ただでさえ他の世界から来られたので、一気に色々なことを伝えても受け入れてもらえないと思ったんです。
…恐怖心を持たれては、主になっていただけないとも考えました。
そうして過ごしているうちに、話すタイミングを見失ってしまったんです…。」
ベリアンが本当に申し訳なさそうに頭を下げる。
大体そんなところだろうとは思っていた。
それにしても、こう素直に謝られると…。
責めるに責められないというか…。
いや、別にそこまでのことじゃないし…、いいんだけど。
(だけど、話して欲しかった。)
「もういいんだよ、ベリアン。
でも、もう秘密は無しにして欲しいかな。」
「主様…ありがとうございます。
主様も、何か疑問に思ったことは遠慮なくお訊ねくださいね。」
いつものように微笑みながら、胸を手を当ててお辞儀をするベリアン。
一先ず、意図的に秘密にしていた訳じゃないと知れて…。
ベリアンが素直に話してくれて良かった。
俺も少しでも気になることは訊くようにしようと決めて、訓練キャンプ一日目は無事に終了したのだった。