訓練開始
夢小説設定
本棚全体の夢小説設定「悪魔執事と黒い猫」の二次創作の本棚です。
まだまだ少ないですが少しずつ増やしていきます。
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次は、近距離武器の訓練だ。
天使に見立てた凧を斬り落とすのだとハウレスが言う。
ハウレスの指差す方をみると…。
羽のついた大きな凧が、地面近くを飛んでいるのが見えた。
凧は、地面に埋められた杭に紐で結ばれており…。
高く飛ばないように工夫がされているが、風の所為でかなり動きが読みづらい。
「制限時間内に、凧についた羽をすべて斬り落とせば合格だ。
もちろん羽だけを狙ってもいいし…。
羽ごと凧を斬り落としても構わない。」
始めに訓練に挑んだのはユーハンだったが、結果、一つも羽根を斬り落とすことが出来ずに悔しがる。
相当柔らかい素材で出来ているのだとハナマルが分析した。
中途半端な力と速さでは、斬ることができないらしい。
そしてユーハンに続きテディが挑戦したが、ユーハンと同じで羽根を斬り落とすことは出来なかった。
その後…。
ハナマルも挑戦したが、やはり結果は同じだった。
結局、訓練が終わるまでに凧を斬り落とすことはできず、課題を残したまま次は連携訓練をすることになった。
「ラト。
こっちに来てくれ。
待たせて悪かったな。」
「いいんですよ。
かわいい弟の、立派な教官姿を見られましたから。
ですが…。
私はフルーレほど優しくありませんよ?」
ルールはラトの羽根を切り落とすか、行動を制限できれば別邸の執事達の勝ちだ。
ただし誰かがラトに3秒間触れられたら負けとなる。
ラトは本物の天使にも劣らないほど素早く、動きも読みづらい為、天使役にはうってつけらしい。
「それでは早速、模擬戦を始めようと思うが…。
どうする?
軽く作戦会議でもするか?」
ハウレスの問い掛けに、ハナマルは必要ないんじゃないかと答える。
実践経験豊富なユーハンとテディに任せれば大丈夫だと言うが、ハナマルはサボる気でいることは明らかだ。
ユーハンは相応の作戦を立てると言ってテディに耳打ちをした。
そして始まった模擬戦…。
開始直後、ラトから距離を取ったユーハンとテディに対してハナマルが取り残される形となる。
必然的にハナマルがラトの相手を買って出なければならなかった。
本気のハナマルを見てみたかったというラトを躱そうと、ハナマルも頭を使う。
「あっ、ラト。
後ろからユーハンが来てるぞ。」
「な…ハナマルさん!?」
ブンッ
ユーハンの攻撃がラトに避けられてしまう。
何で教えるのかと怒るユーハンに、自分を囮にしたお礼だとハナマルが答えた。
「あっ、ラト。
次はテディちゃんが後ろから来てる。」
しかしラトの背後には誰もいない。
その隙を突いてハナマルがラトの羽根を切り落としにかかるが、ラトは動じることなくハナマルの攻撃も綺麗に避けきった。
「テディさんが来ていないことは、足音でわかっていました。
もちろん、ユーハンさんが近づいていることも…。
あなたに教えられる前に気づいてましたけどね。」
想像以上に手強い相手に一旦仕切り直し…。
そして作戦を練り直した結果、三人で一斉にラトと戦うことにしたようだ。
しかし心のままに戦うラトの動きに、連携不足の三人はついて行けず、あっさりと負けてしまうのだった…。