訓練開始
夢小説設定
本棚全体の夢小説設定「悪魔執事と黒い猫」の二次創作の本棚です。
まだまだ少ないですが少しずつ増やしていきます。
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「よし。
それでは早速、訓練に移ろう。
ラト。
準備はいいか?」
「ええ、いつでも。」
そう言って現れたラトの背中には、感謝祭の劇と同じように羽根が付いていた。
どうやら今回の訓練でも天使役を担うらしい。
羽根はフルーレが作ったようで上手く再現できている。
しかし褒められた当の本人は、やはりどこか不安気で元気がない。
「別にいいんだよ。
俺の実力が足りないことは、自分でもわかってるから…。
新人の皆と一緒に再訓練することになっても…。
それが当然だよね…。」
フルーレは、どうやら実力不足により再訓練する為に呼ばれたのだと思っていたらしい。
しかしハウレスがフルーレを呼んだのは、再訓練ではなく『弓の手本』を見せてもらう為だったのだ。
フルーレのときのように隠れた才能を見落としたくないからと言われ、フルーレは元気を取り戻した。
「よーし…それじゃあみなさん!
俺がこれから、お手本を見せますから。
弓の扱いでわからないことがあれば…。
いつでも俺に聞いてくださいね!」
過去最大級の先輩風を吹かせているとハナマルが揶揄うが、フルーレの弓の腕は屋敷の皆が認めている。
(元気になったみたいで、良かった。)
訓練は大きく分けて「個人の戦闘訓練」と「連携訓練」を行うらしい。
それぞれ訓練最終日までに課題をクリアできれば合格となる。
まずはフルーレがお手本となり、三人の遠距離武器への適性を見る。
ハウレスの説明で森の木々を見ると、確かに大小様々な的がぶら下がっていた。
この距離からあの的を射るというのだろうか。
とても考えられない…。
しかも固定されていないから風で揺れているのだが、その動きまで予測しながら弓を射らなければならない。
フルーレは流石、驚く程の正確さで的を射抜いた。
矢は10本中9本が的に当たり、その内7本が的の中心に当たった。
別邸の三人はフルーレのあまりの凄さに言葉を失っている。
聞けば半年前の遠征から、ずっと弓の訓練を続けていたらしい。
もっと弓を極めれば皆の役に立てると考えてのことだった。
「頑張ってるんだね、フルーレ。」
今回はあくまでも適性をみるために行うものであり、課題は近距離武器の訓練で行うらしい。
フルーレのレベルに達するのは相当難しいと考えていた三人は胸を撫で下ろす。
次は三人が実際に弓を射る番だ。
テディは10本中5本、その内の2本が真ん中に命中した。
ユーハンも的に当たったのは5本で真ん中に命中したのは3本。
分からないけど、悪魔執事達の中では平均くらいの適性だろうか。
(十分凄いのは前提として…。)
ハナマルは10本の矢を射るのに他の二人よりも時間がかかっているようだ。
足元には壊れた弓が転がっている。
どうやら力が強すぎて弦が切れてしまったらしい。
ハナマルは弓矢を使うのは初めてだったようで、結局的に当てることはできなかった。