新執事
夢小説設定
本棚全体の夢小説設定「悪魔執事と黒い猫」の二次創作の本棚です。
まだまだ少ないですが少しずつ増やしていきます。
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ハウレス達の話に寄ると、悪魔執事になってから一度も誕生日を祝っていないらしい。
天使との戦いでそれどころではなかったし、そもそも執事の誕生日を祝う習慣が、三人が来たときにはなかったそうだ。
「俺は皆の誕生日を祝いたいな。」
コツ…コツ…コツ…
「皆さん、何の話をしていらっしゃるんですか?」
ベリアン、良いところに来た!
ベリアンに相談すれば執事達の誕生日を祝わせてもらえるかもしれない。
「今、執事たちの誕生日の話をしていたんです。
主様が俺たちの誕生日を祝いたいって言ってくださって…。」
しかし、ハウレスの話を聞いたベリアンの表情は想像していたものとは違っていた。
困ったように眉を寄せて神妙に俺達の話を聞いている。
何でもないとベリアンは言うけれど、何か理由があるのだと思う。
「執事の中には…。
自分の誕生日がわからない方もいらっしゃいますから。
ここにいる方々は生まれた時代も…。
環境もそれぞれ違いますからね。
色々な事情を抱えている方も少なくないのです。」
その為、誕生日が分かる人だけを祝うくらいなら、祝わない方が平等だと判断したらしい。
悪魔執事の皆を大切にしている、ベリアンらしい理由だった。
「ですが…。
主様が祝いたいとおっしゃってくださるなら何か考えたいですね。」
どうすれば“誕生日を平等に”できるのか、皆で頭を悩ませる…。
そんな中ベリアンが呟いた。
「生まれた日…新たな命…。
…人生の始まり…。
あっ、そうです。
悪魔執事になった日を『誕生日』とするのはどうでしょう?」
テーブルを囲んで改めて誕生日のことを皆に伝えると、それぞれ嬉しそうな反応が返ってきた。
ベリアンが手帳に記録していた、皆が悪魔執事になった日を読み上げる。
テディとハナマルとユーハンの三人は悪魔執事になったばかりの為、無理に合わせる必要はないと判断し元々の自分達の誕生日を祝うことになった。
「これからは毎年、皆さんでお祝いしていきましょう。」
ベリアンの言葉を聞いて、みんな優しい笑顔を浮かべていた。
数百年という長い間、その大半を天使と戦うことと貴族達の雑用に付き合わされていた悪魔執事達…。
その中でも楽しいことはあったと思うけれど、俺はもっと執事の皆に自分の人生を生きてもらいたい。
みんなの誕生日は盛大にお祝いしよう。
俺はそう心に決めた。