新執事
夢小説設定
本棚全体の夢小説設定「悪魔執事と黒い猫」の二次創作の本棚です。
まだまだ少ないですが少しずつ増やしていきます。
不定期更新。
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「ユ、ユーハンちゃん…。
相変わらず厳しいね〜。
同じルームメイトとして、もっと仲良くなりたいんだけど…。」
「それは私も同じ気持ちですよ、ハナマルさん。
現時点ではかなり難しそうですけど…。」
ユーハンがボソッと付け加える。
「ユ、ユーハンさんって…。
ハナマルさんに対して、当たりが強いですよね。」
「フフ、そうでしょうか?
私ってそんなに当たりが強いですか?
ハナマルさん。」
「強いな、普通に。」
この4ヶ月、お互いのことを知る時間はあったようだ。
ユーハンは君主に尽くすことが普通の環境で生きてきたし、根が真面目だから潔癖なところがあるのだろう。
しかしこんなに素直に態度に表し、苦労人(もとい仲介役)がテディになるとは思わなかった。
「さて…。
それでは、皆さん。
ここにいる三名が…。
本日から正式に仲間に加わることになりました。
執事の仕事はこれから覚えていただきますので…。
皆さんもフォローをよろしくお願いしますね。」
ベリアンの言葉をきっかけに、他の執事達も三人と思い思いに交流を始めた。
ユーハンはバスティンとロノと久しぶりの再会を喜び、テディは憧れのハウレスと仲間になれて嬉しそうだ。
模擬戦の約束をボスキにも取り付けようとしている。
ハナマルは何やらラムリに「一勝負」申し込まれ、怪しげな笑みを浮かべている。
トランプを使ってギャンブルをするのだとナックが教えてくれた。
因みにこれまでの勝敗はラムリの全敗である。
ラムリは顔に出やすいのでハナマルのいいお客さんなのだろう。
「それでは皆さん。
顔合わせは以上にしましょう。
では、最後に…。
ハナマルさん、テディさん、ユーハンさん。
主様へ一言ご挨拶をしていただいて…。
この顔合わせを終わりにしたいと思います。」
「んじゃ、俺から…。」
そう言って、ハナマルが俺の前まで歩み寄る。
「俺にとって、あんたは最初で最後の主様だ。
俺が死ぬまで守ってみせる。
よろしくな。」
「よろしく、ハナマル。」
「俺が悪魔執事になったのは、天使に復讐するためです。
俺に戦う力をください。
これからよろしくお願いします。」
「よろしく、テディ。」
なんか、…改めてグッとくるな。
執事になる予定などなかった三人が悪魔執事になり、俺に仕えてくれる。
主が俺なんかで良いのかという考えが頭をよぎるけれど、彼らの新しい人生が今始まったのだ。
天使の討伐が最大の目的ではあるが、折角できた関係性を大切にしたいと思う。
「最後は私ですね。
私はまだまだ未熟で…。
ご迷惑をおかけすることも多いかと思います。
ですが…。
皆さんに救っていただいたこの命…。
決して無駄にはしないと、ここにお約束いたしましょう。
私の身も心も…。
すべてあなたのもの。
何なりとお申し付けください。」
「身も心もって…そこまで言うか?」
思わずツッコミを入れたハナマルに、自分にとっては普通のことだとユーハンが答える。
「まぁ、こんなにも心から全てを捧げたいと思ったのは…。
主様が初めてですけど。」
「え、えっと…。
ありがとう、ユーハン。」
言われていることが超越していてピンと来ない。
さっきまで自分が考えていたことは棚に上げて、ナックとは違うタイプのロマンティストだなぁと思う。
今のところ嫌われてはいないようだ。
これから三人のことをもっと知って、主として恥じない存在になりたい。
こうして新執事達との顔合わせは無事に終わったのだった。