新執事
夢小説設定
本棚全体の夢小説設定「悪魔執事と黒い猫」の二次創作の本棚です。
まだまだ少ないですが少しずつ増やしていきます。
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あれから4ヶ月が経過した。
予定ではもう屋敷に戻ってきているはずだが…。
まだ三人は戻ってきていない。
俺は三人の帰りを待ち続けていた。
そんなある日…。
俺はハウレスに呼ばれ、庭に来ていた。
理由は何となく分かっている。
ハウレスが知り合いの職人と一緒に、新しく執事になる三人の執事室を作っているというのは、風の噂で耳にしていた。
それに屋敷の庭に大量の資材が運び込まれたり、他の執事達も集まって手伝いをしている様子を見れば、何をしているかは明白だった。
それでも「出来上がってからのお楽しみにしたい」というハウレスの気持ちを尊重して、敢えて作っているところを見には行かなかった。
出来上がった建物は想像以上に立派だった。
屋敷の別邸という扱いになるようだが、小さなお城という感じでワクワクする。
キャンピングカーとか秘密基地の感覚だ。
内装は本人達と相談してボスキがプロデュースするらしい。
遊びに来るのが今から楽しみになった。
「ん?
馬車の音が聞こえますね。」
ハウレスが言う。
屋敷に来客は滅多になく、あったとしても事前に知らされることが多い…。
ということは、もしかしたら三人が帰って来たのかもしれない。
俺とハウレスは三人を出迎える為に屋敷の玄関へと急いだ。
玄関に来た俺は、扉を見つめていた。
他の執事たちもベリアンを除いて、全員集まっている。
ベリアンは朝早くに出かけて行ったらしい。
これは三人を迎えに行ったと考えていいだろう。
ほぼ確だ。
「まぁ、三人とも無事かどうかはまだわからんがな…。」
「おい、バスティン。
主様を不安にさせてどうすんだよ。」
「帰ってくると信じていて、戻らなかったときの方がショックは大きい。
むしろ主様のことを思っての行動だが…。」
バスティンなりの気遣いなのは分かるが…。
今それを言われるのは厳しいところがある。
不安と期待と緊張で落ち着かない。
良くない結果を想像しては、打ち消すことを繰り返していた。
「扉が開くぞ。」
ボスキの声と共に玄関に緊張が走る。
皆の視線が扉へと注がれていた。
「わっ…。
びっくりした。
皆さん、集まってどうなさったんですか?」
まず顔を出したベリアンの第一声。
新しい執事を出迎えようと待っていたのだとアモンが説明し、ムーが結果を催促する。
「大丈夫ですよ。
三人とも、無事に悪魔との契約が完了しました。」
「よ、よかった…。」
安堵の声に包まれる。
俺も緊張から解き放たれフニャリとした笑みが溢れた。
「さぁ、お入りください。
彼らが新しい悪魔執事です。」
「ただいま戻りました。」
「お久しぶりでございます。
ご心配をおかけして申し訳ありません、主様。」
「なかなか戻らないから心配した。」
テディとユーハンがそれぞれ挨拶をしてくれる。
しかしハナマルの姿が見当たらない。
恐らく馬車の中で昼寝でもしているのだろうとユーハンが言う。
テディがハナマルを呼びに外へ出て行くが、聞こえてきた会話はユーハンが予想した通りのようだ。
「ふわぁ〜あ。
よぉ。
元気にしてたか?
主様も久しぶりだな。」
テディに連れられてハナマルが屋敷の中に入って来た。
「元気そうでよかったよ。」
ハナマルのことは放っておいてもよかったのにと、ユーハンが言う。
「それは出来ませんよ!
俺たちは新入りで、一番後輩なわけですし!」
ハナマルには礼儀という概念がないから何を言ったって同じだというユーハンに、ハナマルが冷や汗をかく。