親と子
夢小説設定
本棚全体の夢小説設定「悪魔執事と黒い猫」の二次創作の本棚です。
まだまだ少ないですが少しずつ増やしていきます。
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ベリアンはムーからハナマルさんが帰って来たと聞いて外に出たが、俺達がいなかったので探しに来てくれたらしい。
少し前から俺とハナマルさんの会話を聞いていたようだ。
「ハナマルさん。
あの日から約束の五年が経ちました。
悪魔執事として、私たちと一緒に天使と戦っていただけますか?」
「あぁ。」
仲間に加わってもらえると心強いと言うベリアンに、買いかぶりすぎだとハナマルさんが言う。
「なぁ、ベリアン。
悪かったな、五年も時間をもらっちまって。」
「いえ。
これもすべては、子どもたちのためですから。」
その『約束の五年』というのは、生き残った四人の子供達が自立するまで、あと五年待って欲しいという意味だったようだ。
ハナマルさんは、自分は何もしていないし反面教師だと言うが…。
俺が子供達に会って感じた印象はしっかりしていること意外にも、人に対して思いやりを持ちコミュニケーションが取れるということ。
人として一番大切なことを、ハナマルさんと生活する中で教わったに違いない。
「本当に悪魔執事になるということでいいんですね?
悪魔執事になるということは…。
命を落とすリスクだけでなく…。
もう二度と普通の人生は歩めないという…。
大きな代償を支払うことになります。」
「なんだよ、今更…。」
子供達にとってハナマルさんはたった一人の父親だ。
ただでさえ天使の襲撃で大勢の家族を失ったのに、ハナマルさんまで命を落としてしまうかもしれない。
子供達はハナマルさんの背中を押してくれているが、心の中では無事に生きていて欲しいと思っている筈だとベリアンが言う。
「ですから…。
あの子たちのことを思うと…。
本当にこれで良いのかと迷ってしまって…。」
「ベリアン…。」
「本当に…。
あんたって人は優しいな。
でも、大丈夫だ。
あいつらも全部分かってくれているはず。
俺は悪魔執事になる。
家族全員、覚悟は決まってるからさ。」
「わかりました。
では、これからよろしくお願いしますね。
ハナマルさん。」
「あぁ。
主様もよろしくな。」
「よろしくお願いします。」
ハナマルさんは早速今日から屋敷で暮らすことになるが、部屋の準備ができていないため暫くは他の執事達の部屋で世話になるらしい。
先に戻って荷物をまとめて来ると言い、ハナマルさんは教会の方へ歩いていった。