親と子
夢小説設定
本棚全体の夢小説設定「悪魔執事と黒い猫」の二次創作の本棚です。
まだまだ少ないですが少しずつ増やしていきます。
不定期更新。
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「もしかして、あなたがハナマルさんですか?」
「そうだけど?
って、びっくりした。
何これ?猫が喋ってんじゃん。」
喋る猫執事だと自信満々に答えるムー。
ハナマルさんは初めこそ驚いていたが、意外とすんなりムーと会話をしている。
すると、ハナマルさんは俺の目をじっと見つめた。
彼の目は少しタレ目で、あまり怖い印象は受けないが…。
何も言わず、黙って見つめられると…。
(すごく緊張する!)
「あんたが悪魔執事の主様であってる?」
「そ、そうです。」
ベリアンがハナマルさんに出した手紙には、『主様も連れてくる』と書いてあったらしい。
ハナマルさんは俺の頭から爪先まで文字通り見つめた後、口を開いた。
「めっちゃ普通じゃん。」
「は、はぁ…。」
悪魔執事の主というフレーズから、ハナマルさんが想像していた人物とはかけ離れていたらしい。
「でも、むしろ良かったわ。
面倒なやつだったらどうしようかと思ってたけど…。
あんたなら心配いらなそうだ。」
そしてハナマルさんは唐突にしっかりめの自己紹介を始めた。
いきなり何か質問はあるかと言われても、聞く準備をしていなかったから、質問できる程ちゃんと覚えていない。
ムーが『一度に全部は覚えられない』と訴えると、ハナマルさんはもう一度自己紹介しようかと言い…。
ムーがメモを取るから待ってくれと言うと、やっぱり面倒だからやめると言う。
(な、なかなかのマイペースっぷり…。)
ムーをからかっている様を見る限り、某漫画の主人公に見た目も性格も似ているように思った。
主様も名前を教えてくれと言われ、自己紹介をする。
「あ、あの…主様!
ハナマルさんに会えたことですし…。
僕、ベリアンさんに伝えてきますね!」
「えっ?ちょっと、ムー…!」
すごく正しい判断だと思うのだが…。
初めて会う相手と二人きりにしないでくれ…!
俺の心の声は届かず、ムーは教会の方へ走って行ってしまった。
き、気まずい…!
何を話そうか考えていると…。
ハナマルさんの方から俺に話しかけてきた。
「なぁ、主様。
ちょっと歩きながら話さないか?」
ハナマルさんはこれから大事な用事を済ませに行くところなのだと言う。
すぐ終わるから一緒に来て欲しいという申し入れだが、この場を離れるのは少し戸惑われる。
「あっ…それともまだ俺と二人になるの怖いかな?」
…もう既に二人きりになっているので俺の中の問題はそこではない。
「とにかく…。
俺はこれから…。
あんたのもとで戦うんだろう?
なら、話しておきたいことがあって…。」
ハナマルさんの目が、真剣な目に変わる。
俺はこれも主としての務めだと思い…。
彼についていくことにした。