復讐
夢小説設定
本棚全体の夢小説設定「悪魔執事と黒い猫」の二次創作の本棚です。
まだまだ少ないですが少しずつ増やしていきます。
不定期更新。
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俺たちは一度厨房に行き…。
ハウレスの隠していたお菓子を持って、2階の廊下を歩いていた。
ボスキにテディからの手土産として持って行き、剣士としての話を聞き出す為である。
「ハウレスさん…。
こういう焼き菓子がお好きなんですね。」
特にバナナマフィンのクリーム乗せが好物なのだとテディに教える。
「俺の好物まで覚えててくださり…。
ありがとうございます、主様。」
「主様は、本当に私たちのことを大切に考えてくだっていますよね。
こんなに優しくて素敵な主様は…。
世界中探してもちとせ様しかいません。」
2階の執事室に案内する為に付き添っていたベリアンが、大袈裟なくらい褒めてくれる。
すごく照れるけれど、好意的に思われているのなら良かった。
「執事のみんなも凄く優しくて素敵だよ。」
「皆さん、すごく素敵なご関係なんですね。」
目的の部屋の前まで来て、テディが緊張で立ち止まった。
そして扉を開ける前にボスキがいきなり姿を現した。
しかも上半身裸の状態で…。
サウナで火照った身体を冷やしていたらしい。
主様だって上半身は見慣れているだろうと同意を求められたが、素直には頷けない。
テディは驚くどころかボスキの肉体美を間近で見ることができ、オタク魂に火が着いたようだ。
ハウレスだけでなくベリアンにやんわりと注意され、ボスキが渋々身なりを整える。
アモンはボスキと入れ替わりでお風呂に行き、フェネスは書庫にでもいるのだろう…不在だった。
ボスキは偵察機の副隊長であるテディがいることに、疑問を持ったようだ。
「テディは、これから俺たちの仲間になることになった。」
「仲間…?
悪魔執事になるってことか?」
事前にルカスから悪魔執事を増やすと聞いていたボスキだが、想像より早く決まったことに驚いている。
「だが…。
テディ、お前は本当に悪魔執事になって大丈夫なのか?」
グロバナー家直属の兵士が勝手に悪魔執事になると決めて、問題はないのかとボスキが言う。
確かに軍の誰かに話す暇もなく連れて来てしまったから、後から文句を言われたりややこしいことになるかもしれない。
しかし、恐らく大丈夫だとテディは言った。
「俺、実は副隊長の席から外れることが決まっているんです。
一番の理由は…。
ハウレスさんが天使との共謀の疑いをかけられ、捕まっているとき…。
幽閉されている場所を、皆さんに明かしたからですね。」
それはバレちゃってたのか…。
重ね重ね申し訳ない、テディ。
しかし私情をはさみ明かしてはならない情報を外に漏らしたという点で、貴族の皆は自分を信用してくれないだろうとテディが言う。
「大丈夫です。
失った信用は、取り戻せばいいんですよ。」
ベリアンがテディを元気付けた。
執事候補は後二人おり、一人にはすでに声をかけて返事を待っている状況だとベリアンが言った。
ハウレスとボスキは会ったことがある人物だというが、以前会ったときから5年も経っているそうだ。
「どんな人なの…?」
こっちの世界に来るようになってからマシになったと思っていたけれど、人見知りであることに変わりはない。
ましてこれから長く関係を築くことになる悪魔執事候補が初対面の相手なのは、俺にとっては一大事だった。