復讐
夢小説設定
本棚全体の夢小説設定「悪魔執事と黒い猫」の二次創作の本棚です。
まだまだ少ないですが少しずつ増やしていきます。
不定期更新。
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「病院を抜け出す理由はいろいろ思いつくが…。
今のテディは精神的に不安定な状態だ…。
最悪のパターンばかり考えてしまうな。」
ハウレスが言う。
「とにかく手分けしてテディさんを探しましょう。」
ベリアンとルカスとムーが街を重点的に、俺はハウレスと共に偵察隊の宿舎を探すことにした。
宿舎へ急ぐため馬車の馬を借りたのだが、何故か2階の部屋の執事達とは一緒に馬に乗る機会が多い。
後はフェネスと馬に乗ればコンプリートだ。
暫くして、俺は偵察隊の宿舎の前に来ていた。
中の様子を見に行ったハウレスを待っているところだが、宿舎は静かさに包まれていて…。
外からでもわかるほど、人の気配はなかった。
そしてやはりテディは戻ってきていなかった。
帰ってきた形跡もないらしい。
当てが外れて、ハウレスが肩を落とした。
「宿舎は兵士たちにとっては家のようなものですから。
思い出の詰まったこの宿舎に、帰ってくると思ったのですが…。」
ハウレスはトリシアさんがいるので宿舎では生活していなかったが、基本的には宿舎で暮らすのがルールとなっている。
自分が兵士だったのは300年以上前のことだけれど…と、真面目なハウレスらしい訂正が入った。
「他にテディが行きそうな場所か…。
テディは仲間を失って、心に大きな傷を負った…。
!!
もしかして、仲間の墓に行ったんじゃ…。
主様、急ぎましょう!」
こうして墓地の周辺を探していた結果、崖の上に立つテディの姿を見つけたのだった。
「そうだったんですね。
俺を心配して、わざわざ…。
すみません…。
迷惑かけて…。」
「そんな迷惑だなんて…。」
テディはすっかり意気消沈しているというか…、気力を失っているようだ。
「テディ…。
今の悲しみがどれほどのものか…。
100%わかるとは言わない…。
でも、大切な人を失った悲しみは…。
俺もよくわかる。
我慢しなくていい。
すべて俺に吐き出せ。
俺が受け止める。」
「ハウレスさん…。
うっ…うぅ…。」
その言葉を聞いて泣き崩れてしまったテディの姿を見て、俺はハウレスと一緒に来て本当に良かったと思った。