絆
夢小説設定
本棚全体の夢小説設定「悪魔執事と黒い猫」の二次創作の本棚です。
まだまだ少ないですが少しずつ増やしていきます。
不定期更新。
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ロノは屋敷や街で待機している他のメンバーに報告に行き、俺達も後のことはナック達に任せて先に屋敷に戻ることにした。
アモンがバスティンと一緒にボスキの肩を支える。
アモンは同じ部屋の仲間であるハウレスの救出と悪魔化について、役に立てなかったと申し訳なく感じているようだ。
その分、屋敷に戻ったら三人のフォローを何でも引き受けると笑い、ボスキも楽しそうに応える。
俺はハウレスがフェネスに支えられる傍で、俺の肩も使ってくれと腕を回させてはみたのだが、明らかにフェネスの方に負担が掛かっていた(9.5割くらい…)。
そして俺たちは…。
ナック、ルカス、ラトを残し、先に屋敷へと戻った。
翌日…。
グロバナー家本邸にて、再び審問会が開かれた。
監獄の兵士がたくさん居なくなり、当たり前のように悪魔執事が犯人ではないかと疑われた。
しかし監獄の敷地内に残っていたルカス達が瓦礫の下から兵士を救い出し、その兵士が俺達を助けてくれることとなった。
彼らはちょうど知能天使がハウレスと話をしていたとき、隣の詰め所に隠れて会話の一部始終を聞いていたのだ。
看守の証言のおかげで…。
知能天使とハウレスが通じていなかったことが証明され…。
ハウレスは晴れて無罪放免となったのだった。
フィンレイ様は全て知能天使の仕業ということに引っ掛かるところがあったみたいだけど、ルカスが上手く話をしてくれた。
ある日…。
俺はハウレスと共に、丘の上のトリシアさんのお墓へと来ていた。
ハウレスは既にトレーニングに復帰しているらしい。
少し心配だが、以前より肩の力が抜けた気がするとフェネスが言っていた。
悪魔化したことによる心身への影響もなさそうだし、大丈夫だろう。
二人で掃除してお墓は綺麗になったが…、墓石自体はとても古い。
しかしそれ以上に不思議だったのは…。
地面の土が、まるで掘られたばかりのように柔らかかったことだ。
知能天使の仕業ではないかとハウレスが言う。
確かに古の塔で現れた少女のことを考えると、知能天使が目的を持ってトリシアさんのお墓を暴いた可能性は高い。
……お墓を暴くという行為は他の場所でもあった気がするのだが、何だっただろう。
帰り支度をしながら、俺はふとお墓を見つめる。
思えば、どうして気が付いてしまったのだろう。
どうして何も考えず、ハウレスに聞いてしまったのだろう。
墓石の風化具合、刻まれた文字がすり減って角が丸くなっている…。
「ねぇハウレス…。
このお墓…いつ建てられたの?」
ハウレスは戸惑いながらも意を決したように口を開いた。
「実は…。
この墓は…。
今から300年以上前に建てられたものなんです。
俺は…。
本当は28歳ではありません。
もう300年以上生きてるんです。
俺の体は…。
悪魔と契約した日から…。
時が止まっているんです。」