絆
夢小説設定
本棚全体の夢小説設定「悪魔執事と黒い猫」の二次創作の本棚です。
まだまだ少ないですが少しずつ増やしていきます。
不定期更新。
ご利用の端末、あるいはブラウザ設定では夢小説機能をご利用になることができません。
古いスマートフォン端末や、一部ブラウザのプライベートブラウジング機能をご利用の際は、機能に制限が掛かることがございます。
流石にグロバナー家の巨大監獄だけあって、とても広い。
しかしナックの言うように、広さに対して見張りの数は極端に少ないと感じた。
見張りが居てもボスキとバスティンが気絶させてくれるので、運良く顔を見られずに済んでいる。
テディの情報に寄ると、ハウレスが収監されているのはこの奥の牢獄だ。
普通は警備対象の近くに多くの見張りを置く筈だが、この人の少なさは何なのだろう。
やはり俺達よりも早く、知能天使が地下の監獄に潜入しているのだろうか…。
奥に近付くに連れ警戒を強めながら進んでいると、俺の顔を覗き込みボスキが口を開いた。
「もう大丈夫みたいだな、主様。
あの日、屋敷に帰って来たときは驚いたぜ。
青白くて…。何もかも閉ざしちまったような顔をしていた。」
「そ、そうだな…。
その後すぐに部屋の中に閉じ籠ってしまったと聞いたから…、心配した。」
「心配掛けてごめんね、皆…。」
「しかし主様は、こうして私達の元に戻って来てくださいました。
それがどれほど勇気のいる決断か…。
私は主様に敬意を表さずにはいられません。」
見張りが少ないとは言え、潜入先でこんな話をしていいのだろうか。
改めて皆を不安にさせていたと感じ、俺は屋敷で待っている皆にも、ちゃんと謝らなければならないと思った。
ドゴン…!
そのとき、壁が崩れるような大きな音が聞こえてきた。
丁度ハウレスがいる奥の牢獄から聞こえてきたように感じたが…。
ハウレスに危害が加わっているかもしれないという不安が頭をよぎる。
しかし奥の通路から俺達の目に飛び込んできたのは…。
信じられないことに、悪魔化したハウレスの姿だった。
黒いモヤと禍々しい紅い炎が揺らめく佇まいは、数ヶ月前のバスティンを思い起こさせる。
「そんな…。どうしてハウレスが悪魔化を?」
「ハウレス!
おい、聞こえてんのか!ハウレス!」
「消してやる…。
一人残らず…。」
ハウレスは悪魔の力に乗っ取られ俺達の声が聞こえていないようだ。
凄い勢いで切り掛かって来たハウレスの剣を、ボスキが受け止める。
バスティンがボスキに加勢して攻撃を仕掛けるが躱されてしまった。
狭い通路では思うように戦えない為、一旦外に出ようとボスキが提案する。
ボスキはハウレスの相手をしながら後で追って来るようだ。
俺はナックとバスティンに付き添われながら、監獄の外を目指した。
「ったく…。
何やってんだよ…お前は…。」