奪還
夢小説設定
本棚全体の夢小説設定「悪魔執事と黒い猫」の二次創作の本棚です。
まだまだ少ないですが少しずつ増やしていきます。
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翌朝になり俺と執事の皆は、食堂に集まっていた。
あの後やけに興奮して結局寝付くのが遅くなってしまったが、体力的にも気持ち的にも昨日より随分良くなっていた。
執事達からは、俺が自室の外に姿を現したことに対して安堵のようなものを感じる。
皆の気遣いに申し訳ないと思いつつも笑顔で応えた。
ベリアンが自分達の力でハウレスを救出する作戦を提案する。
ミヤジをはじめ他の執事達も、昨日のうちにボスキ達から話を聞いて賛成してくれているようだ。
若い執事達も、いざとなったら自分達で助けに行こうと考えていたと言う。
「お前ら、そんは無謀なこと考えてたのか?
他の執事と口裏を合わせておかないと…。
逆に問題が大きくなりかねないだろ。」
ボスキが真っ当な指摘をした。
「もちろん、その点についてはご安心を。
今回の作戦の結果がどうなるにせよ…。
潜伏、亡命、シラを切る…。
あらゆるプランを用意していますから。」
ベリアンの口から『シラを切る』という言葉が出てきたことに少し驚きつつ、皆が同じ気持ちであることを嬉しく思う。
ハウレスの居場所については、心配しなくても教えてくれる人がいるとナックが言う。
そして『失礼します』という声と共に部屋の中に入って来たのは、青い顔をしたテディだった。
「あっ…。
悪魔執事の主様……。
その…。
審問会では、すみませんでした。」
「謝らないでください。
寧ろ…、俺達は感謝しています。
ハウレスの為に証言してくれてありがとう。」
「主様の言うとおりだよ。
君も辛い思いをしたはずなのに…。
よく証言してくれたね。
もしもテディくんが証言してくれなかったら…。
もっとひどい状況になっていたかもしれない。」
「ええ。
そういう意味では、テディくんは私たちの恩人ですね。
ですから…。
自分を責める必要など、少しもないのですよ。」
ルカスとナックが優しい言葉を掛ける。
少なからず俺達は、テディの仲間を助けられなかったことに負い目を感じていた。
しかしルカスがそのことに触れると、悪魔執事の皆は仲間を助けようとしてくれたのだから謝らなくていいと言う。
それに比べて自分は、と…テディは益々表情を曇らせた。
テディの顔を見ると、かなり疲れているように見える。
まるで別人と話しているのではないかと思うくらい…。
明るく元気だった彼は消えてしまっていた。
(本当に大丈夫かな…)
テディは審問会の後もハウレスの無実を主張してくれていたようだが、偵察隊の隊長には聞き入れてもらえなかったらしい。
なんとか別の方法でハウレスの力になれないかと思い、昨夜デビルズパレスを訪れたのだそうだ。
「俺にできることを協力させてください。
ハウレスさんの収監場所と、警備の情報も…。
全て教えます。」