奪還
夢小説設定
本棚全体の夢小説設定「悪魔執事と黒い猫」の二次創作の本棚です。
まだまだ少ないですが少しずつ増やしていきます。
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『力ずく』というボスキの言葉に目から鱗…。
というよりも、貴族と悪魔執事との関係性において『力ずく』という手段が選択肢としてあることに驚いた。
グロバナー家への反逆になるのではと心配するフェネスに、知ったことかとボスキが答える。
貴族に忠誠を誓った覚えはないと。
しかし俺や他の悪魔執事達に迷惑を掛ける可能性がある為、ボスキが勝手に暴走したことにして欲しいというのだ。
「そ、そんな…!
ダメだよボスキ。
そんなことしたら、君まで裏切り者扱いされてしまう…。」
「そうですね。
私も反対です。
やるのであれば…。
執事全員で協力してあたらなければ。」
「は…?
ベリアンさん、それって…。」
「どうにか穏便に済ませる方法はないかと考えてはいましたけど…。
私も実は…。
ハウレスくんを救うには強硬手段しかないと思っていたんです。」
いつ処刑されるか分からない以上、ハウレスを救出した後で無実の証拠を探す。
これが今打てる最善の手だとベリアンは言った。
正直、ベリアンが強硬手段に賛成するとは思わなかった。
しかも執事全員でやろうなんて…。
それだけハウレスのことを仲間として大切に思っているのだろう。
俺には考えも付かなかった方法でハウレスを助けようとしている皆を見て、暗闇に急に光が射したような気持ちになった。
「俺にも協力させて。」
執事全員が関わるとなると、一歩間違えばグロバナー家との前面衝突になってしまう。
本当にいいのかと訊ねるボスキに、覚悟の上だとベリアンが応える。
そのような事態にならないよう手を尽くすが、ハウレスを救う為ならそれくらいのリスクは仕方がないと。
「計画は私が立てますので…。
皆さんは今のうちに、身体を休めておいてください。
主様は今のうちにお風呂にも入りましょうね。
明日はいつでも動けるようにしておいて欲しいですから。」
俺は少しの恥ずかしさを覚えながら、ベリアンに付き添われ自室に戻ったのだった。
すぐにでも行動に移したいところだが、まずはハウレスがいる場所を特定しなければならない。
悪魔執事を収監する施設となると警備も機密保持も厳重だろう。
探っていることをグロバナー家に悟られないように、慎重かつ迅速に居場所を特定しなければ…。
ベリアンが頭を悩ませていると、グロバナー家から帰ってきたルカスとナックに遭遇した。
二人は朝から夜遅くまで、ハウレスを解放する為に貴族達と交渉をしてくれている。
しかし進展は殆どなく、交渉で事態を収めるのはやはり難しそうだ。
「ルカスさん、いつも難しい役目をお願いしてしまって申し訳ありません…。」
「大丈夫だよ、ベリアン。
私の仕事だからね。
主様に嫌われていないか…、ちょっと心配だけど。」
「主様なら、分かってくださいますよ。」
交渉での収穫はなかったが、その代わり協力してくれそうな人物に出会ったのだとルカスが言う。
屋敷の門の前にいたというその人物が、ナックの合図で屋敷の中に入ってきた。